第13回OR学会中部支部シンポジウムルポ

2016年9月17日(土)に,ウインクあいちにおいて,第13回OR学会中部支部シンポジウムが「情報化時代の信頼性・安全性技術」をテーマとして27名の参加者を迎えて開催された.

1人目の講演者の田村慶信氏(山口大学大学院)からは,講演題目「オープンソースソフトウェアに対する信頼性評価の適用例と最近の動向」の下,ソフトウェア信頼性の観点で,近年特に注目されているオープンソースソフトウェアに関する信頼性の評価法について解説していただいた.オープンソースソフトウェアは,ソースコードが公開され,誰でも自由に改変可能なソフトウェアである.オープンソースソフトウェアを導入することにより,開発コストの削減,納期の短縮が期待できることから,様々な組織において採用するケースが増えている.一方,オープンソースソフトウェアはその品質管理の点で問題を抱える.

講演では,ソフトウェア信頼度成長モデルをはじめとする信頼性評価法と適用例について説明いただいた.また最近の研究として,ディープ・ラーニングに基づくオープンソースソフトウェアに対する信頼性評価法を解説していただいた.人工知能の技法の1つであるディープ・ラーニングは,現在ホットなトピックでもあり時宜を得た興味深い内容であった.全体を通しては,ソフトウェア信頼性の分野について概要から最近の研究動向まで幅広く理解できる内容であった.

2人目の講演者の後藤邦夫氏(南山大学)からは,講演題目「情報通信セキュリティとOR」の下,情報セキュリティ分野における問題の事例,セキュリティ対策技術,OR技法の応用可能性について解説していただいた.後藤氏は,東海地区のインターネットの技術および利用に関する啓発・普及に貢献されたこの分野の第一人者として知られる.

情報通信技術の進展に伴い,生活の利便性は飛躍的に向上している一方で、システムは大規模化,複雑化しており,障害が発生した場合,社会生活に大きな混乱をもたらすことが問題となっている.情報システムの高信頼化のためには,セキュリティの面からの対策も必要である.年金機構の個人情報流出のインシデントは社会に大きな衝撃を与えた.2015年秋にマイナンバー制度が導入され,セキュリティに対する関心はますます高まっている.

講演では,情報セキュリティに関して重要なキーワードを中心にわかりやすく具体的に説明いただいた.内容は,シンポジウム参加者の情報セキュリティに対する意識を高めるものであった.また講演の最後に,パケットの異常検出に関してOR技法の応用可能性を指摘するなど,情報セキュリティ分野に対する更なるOR技法によるアプローチの発展に期待を抱かせる内容であった.

3人目の講演者の土肥正氏(広島大学大学院)からは,講演題目「非定常累積超幾何試行過程とその応用~信頼性に関連したある物語~」の下,ソフトウェア信頼性の発展の歴史的経緯から最新の研究成果まで解説をしていただいた.

ソフトウェア信頼性モデルは,定量的なソフトウェア信頼性評価を目的とした数理モデルとして知られており,1970 年代から現在に至るまで数多くのモデルが提案されている.

講演では特に,超幾何分布ソフトウェア信頼性モデルに着目して解説いただいた.超幾何分布は,離散型確率分布の一つであり,非復元抽出モデルの分布である.従来の研究においては,テスト試行で潜在的に発見され得るフォールト数を表す反応関数について,制約条件を常に満たす実行可能なものを求めることは困難であるという問題点があった.今回の講演では,反応関数に関して実行可能な仮定を設けた場合,超幾何ソフトウェア信頼性モデルは非同次ポアソン過程に帰着されるなどの研究成果を披露いただいた.結論を導くまでのプロセスには紆余曲折があり,タイトルのように信頼性に関連した物語があった.参加者のこの分野への関心を大いに高める講演であった.

OR学会中部支部講演会(2016年度第1回) ルポ

2016年6月11日(土)に,名古屋工業大学において,OR学会中部支部講演会(2016年度第1回)が22名の参加者を迎えて開催された.

1人目の講演者の前原貴憲氏(静岡大学)からは,講演題目「離散凸解析に基づく機械学習手法について」の下,離散凸解析,離散最適化問題において近年広く用いられる「劣モジュラ性」をキーワードに分野の様相,及び氏の最近の研究活動である計算広告について解説して頂いた.集合関数における凸性として,また凹性としてもみることができる劣モジュラの性質から,最適化問題,近似アルゴリズムの問題と非常に相性が良いことや,その応用の一例で計算広告における問題を懇切丁寧に説明頂いた.前原氏が指摘されたように, エントロピー関数,グラフのカット関数などが劣モジュラ関数であるように情報科学の様々な問題に現れ,その応用範囲はとても広いことが分かる.
今後のますます研究の要請が高まる研究対象であることが前原氏の講演を通じて十分に分かる内容であった.

2人目の講演者の三浦英俊氏(南山大学)からは,講演題目「DEAによる店舗の商圏属性分析と品揃えについて」の下,三浦氏らの研究グループが行なったを実際のある小売店舗の売上予測を重回帰分析を用いて解析したプロセス,及び商圏特性に合わせた売場構成(商品陳列棚の個数)をDEA(包絡分析法)を用いて決定するプロセスを具体例とともに解説して頂いた.
重回帰分析を用いた売上予測に関しては,商圏などを用いて分析されていたが,取り分け,同業他社店舗のよりも自社別店舗の方が影響を受けやすいとの報告は実際にデータを分析することでしか得られないだろう知見であり興味深いものであった.
また,DEAを用いた売場構成については,改装前,改装後の売り上げデータを用いた検証報告もなされたが,DEAがうまく機能していることが分かるものであった.
今回,三浦氏の紹介された一連の分析プロセスは,同業他社における分析のみならず,様々な業種においても応用が期待できる内容であった.

【2016年9月17日(土)】日本OR学会 2016年度中部支部シンポジウム開催のお知らせ

日時

2016年9月17日(土)  13:30~17:00

場所

ウインクあいち15階(愛知県立大学サテライトキャンパス)
〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38

シンポジウムの趣旨

情報通信技術の進展に伴い,生活の利便性は飛躍的に向上している.情報システムは生活を支える社会基盤として深く浸透している.一方で,システムは大規模化,複雑化しており,障害が発生した場合,社会生活に大きな混乱をもたらすことが問題となっている.このためシステムの信頼性,および,セキュリティ対策を含めた安全性の向上への要求はますます高まっている.この問題を解決するために,シミュレーション,最適化をはじめとした様々なORモデルが提案されている.本シンポジウムでは,現在この分野の最前線で活躍されている研究者に,最新の研究成果を報告していただく.

予定プログラム

13:30-13:35 開会挨拶  OR学会中部支部研究幹事 今泉充啓(愛知学泉大学)

13:35-14:35 「オープンソースソフトウェアに対する信頼性評価の適用例と最近の動向」
講師:田村慶信(山口大学大学院)

14:45-15:45 「情報通信セキュリティとOR」
講師:後藤邦夫(南山大学)

15:55-16:55 「非定常累積超幾何試行過程とその応用~信頼性に関連したある物語~」
講師:土肥 正(広島大学大学院工学研究院)

16:55-17:00  閉会挨拶  OR学会中部支部支部長 奥田隆史 (愛知県立大学)

参加費(当日払い)

1,000円(ただし,学生は無料)

懇親会

シンポジウム終了後,会場周辺にてにて懇親会を計画しています.

会場:奥志摩 名駅中央店 別館
時間:18:00~20:00
会費:5000円

懇親会に参加される方は,会場予約の都合上,下記の事前申し込みを必ずご利用ください.多くの皆さまのご参加をお待ちしております.

申し込み方法

本ページ最下部の申し込みフォームよりお申し込みください(締切9月2日(金))
シンポジウム,懇親会ともに若干の余裕があります.ともに申込期限を9月14日(水)まで延長しています.
シンポジウムは当日参加も可能ですが,準備の都合上,できるだけ事前申し込みにご協力ください.
なお,懇親会に参加される方は,席の確保のため,事前申し込みを必ずお願いします.

問い合わせ先

メールでのお問い合わせは, 中部支部研究幹事 今泉充啓(imaizumi[at]gakusen.ac.jp)まで,お願いします.

後援・協賛団体等

主催:日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部
協賛:電子情報通信学会東海支部, IEEE名古屋支部,情報処理学会東海支部,日本経営工学会中部支部、中部品質管理協会
後援:中部産業連盟

———————

参加申し込みフォーム

[contact-form-7 id=”2621″ title=”20160917″]

【6月22日(水)】 OR学会中部支部研究会のお知らせ

OR学会中部支部研究会を以下のように開催いたします. 皆さまのご参加をお待ちしております.

【2016/05/19更新:講演概要を掲載】

日時: 6月22日(水) 17:00-19:00

場所: 名古屋大学 東山キャンパス 情報科学研究科棟1階 第4講義室
http://www.co.cm.is.nagoya-u.ac.jp/~yagiura/access-j.html

講演者: Gregor Hendel
Zuse Institute Berlin, 研究員
http://www.zib.de/members/hendel
講演題目: How to solve Integer Optimization Problems with SCIP

講演者: Yuji Shinano
Zuse Institute Berlin, 研究員
http://www.zib.de/members/shinano
講演題目: Towards Using over a Million CPU Cores to Solve Previously
Unsolved Mixed Integer Programming Problem Instances

——————————————————-
講演概要:
——————————————————-

Gregor Hendel

How to solve Integer Optimization Problems with SCIP

The  general-purpose  branch-and-cut  solver  SCIP  is one of the
fastest  noncommercial  tools  for  solving  integer optimization
problems.  Its plugin-based system facilitates  custom extensions
for specific  applications.  The goal of this talk  is to provide
users  with  a  basic  understanding  of the SCIP solving process
and to  illustrate some  ways to tackle custom  projects.  In the
first part of this talk,  I will give an overview  of the solving
process of  SCIP and  the role  of the different plugin types.  I
will  introduce  the  most  important  plugin  types of SCIP with
special focus on its available primal heuristics. The second part
deals with the customization of SCIP at the example of the famous
Traveling  Salesman  Problem.  Three  alternative  approaches  to
formulate and solve TSP’s will  be discussed and their particular
advantages will be highlighted:  via the modeling language ZIMPL,
the C/C++ callable library of SCIP, and the new Python interface.

——————————————————-

Yuji Shinano

Towards Using over a Million CPU Cores to Solve Previously
Unsolved Mixed Integer Programming Problem Instances

The  Ubiquity  Generator  (UG)  is  a  framework for the external
parallelization  of  MIP  solvers.  UG  provides a systematic way
to  develop  a  parallel  solver  that  can  run  on  large-scale
distributed memory computing environments. It was used to develop
ParaSCIP,  a  distributed  memory,  massively parallel version of
the open  source academic  solver SCIP.  In this  talk we present
a  success  story  where  we  solve  14  open  MIP instances from
MIPLIB2003 and MIPLIB2010 using ParaSCIP on up to 80,000 cores of
supercomputers.  Finally, we introduce ParaXpress,  for which one
of the fastest commercial MIP solvers, the FICO Xpress-Optimizer,
has been parallelized by UG. Combining the internal shared-memory
parallelization of Xpress and the external parallelization of UG,
we aim at  a new order of magnitude  for supercomputer core-usage
in MIP solving.

——————————————————-

【3月5日(土)】OR学会中部支部総会・研究発表会・特別講演会・懇親会のお知らせ

以下のように開催いたします. 皆さまのご参加をお待ちしております.

日時: 2016年3月5日(土)12:00~17:10
場所: ウインクあいち15階 (愛知県立大学サテライトキャンパス)他
  〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38
  http://www.winc-aichi.jp/access/

時間:
  12:00~12:50 支部総会
  13:00~15:30 研究発表会(下記プログラムをご覧ください)
  16:00~17:00 特別講演:信頼性における多状態問題について
         講師 大鑄史男先生(名古屋工業大学)
  17:00~17:10 学生表彰式
  17:30~19:30  懇親会 百楽名古屋
         〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目6-23
         第三堀内ビル14F・15F TEL:052-581-1511
         http://www.hyakuraku.com/
        参加費 6,000円
         こちらよりお申込みください(3月3日〆切)

///////////////////////////////////////////////
第43回中部支部研究発表会プログラム (○印は発表者)

1.13:00-13:13  コンビニエンスストアの商品配置における同時購買の最大化
○足立温,鈴木晴香,茨木智(名古屋市立大学)

2.13:13-13:26  排水機場における最適維持管理計画の策定に関する研究
○山本隆之,高見勲,福島雅夫(南山大学),川﨑和來,森利光(国土交通省近畿地方整備局)

3.13:26-13:39  麻酔科医の当番・当直勤務スケジューリング支援システム
○大西 愛乃,鈴木 敦夫(南山大学),橋本 篤(愛知医科大学病院)

4.13:39-13:52  フィードバックを取り入れたサーバー能力成長型 VCHS 待ち行列モデルの性能評価
○田中 秀明,宇都宮 陽一,奥田 隆史(愛知県立大学)

5.14:02-14:15  航空機における搭乗時間短縮のための最適搭乗順に関する研究
○冨山侑子,宇都宮 陽一,奥田 隆史(愛知県立大学)

6.14:15-14:28  2台の UAV による正方格子探索のための最短航路について
○可児丈輝,金子美博(岐阜大学),間瀬健一(新潟大学)

7.14:28-14:41  テーマパーク型施設における優先チケットの販売方策
○西村隼太,中出康一(名古屋工業大学)

8.14:41-14:54  レクトリニア多角形パッキング問題に対する局所探索法における探索順序の解析
関谷 沙也加,○胡 艶楠,柳浦 睦憲(名古屋大学)

9.15:04-15:17  2CPU における固定優先度タスクスケジューリング
○菊池健吾(名古屋大学),橋本英樹(東京海洋大学),柳浦睦憲(名古屋大学)

10.15:17-15:30  企業内セミナーのスケジューリング問題について
○松崎佳人,川口祐貴,西尾諭,鈴木敦夫(南山大学)

OR学会中部支部ウェブサイト掲載「ORコラム」の募集について

OR学会中部支部会員各位

 2009年に中部支部のホームページ(支部HP)が開設して,はや数年が経過しました.この間,支部HPは,中部支部での活動の案内だけでなく,過去の活動ログ,幹事団や運営委員などの支部組織や規約,他支部や他学会へのリンクなど,様々な情報を発信してきました.

 同時に,ORコラムの連載もスタートし,日本のORの草分けのお一人の本告先生に「私とOR」をご執筆いただきました.先生のコラムは,好評を博し,支部HPの充実にご貢献いただきましたものの,残念ながら終了してしまいました.そこで,中部支部の会員の方から次なるORコラムを募集します.

 コラムの内容は,ORとの出会い,ORへの思い,ORの実践と教育,ORへの提言・苦言など,ORに関連する様々なトピックを対象とし,OR研究の活性化やOR学会の今後の発展につながれば,と思います.

 コラムを執筆していただける方は,幹事団か運営委員までお気軽にご一報いただけると助かります.どうぞよろしくお願いします.

OR学会中部支部長 金子美博(岐阜大)

【9月19日(土)】第12回OR学会中部支部シンポジウム開催のお知らせ

日時

2015年9月19日(土)  13:30~17:30

場所

ウインクあいち15階(愛知県立大学サテライトキャンパス)
〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38

シンポジウムの趣旨

近年発生した大震災や航空機のトラブルなどから,ライフラインに欠かせない輸送機の保全をどのように考え,運用していくかが喫緊の課題になってきている.本シンポジウムでは航空機の信頼性を考えた運用技術をテーマとして,現在この分野の最前線で活躍されている研究者や経営者に,保全設計を考慮した運用方法の解説と共に,最新の研究成果や活用事例なども報告していただく.航空機の保全設計がどのように行われているかは一般にはあまり知られてなく,ましてORとの関連もこれまで知られることがなかった.シンポジウムでは,まず耐用年数を考慮した航空機の保全設計を説明する.次に,これらの保全設計の基礎になる航空機用素材についても,安全な運用のためにどのような技術が使われるかを説明する.それらを踏まえ,航空機の信頼性設計技術について説明する.

予定プログラム

13:30-13:35 開会挨拶
OR学会中部支部研究幹事 木村 充位(岐阜市立女子短期大学)
13:35-14:45 「航空機における複合材料の適用と課題」
講師:伊牟田 守(岐阜県研究開発財団)
14:55-16:05 「連続繊維熱可塑材料(CFRTP,GFRTP)の成形法と用途」
講師:馬場 俊一 (サンワトレーディング株式会社 代表取締役)
16:15-17:25 「民間航空機の保全や設計に関するORモデル」
講師:伊藤 弘道(金城学院大学 消費生活科学研究所)
17:25-17:30 閉会挨拶
OR学会中部支部支部長 金子 美博(岐阜大学)

参加費(当日払い)

1,000円(ただし,学生は無料)

懇親会

シンポジウム終了後,奥志摩 名駅中央店 別館にて懇親会を計画しています(予定会費5,000円).
懇親会に参加される方は,会場予約の都合上,下記の事前申し込みを必ずご利用ください.
多くの皆さまのご参加をお待ちしております.

申し込み方法

こちらからお申し込みください(締切9月4日(金)).
シンポジウムは当日参加も可能ですが,準備の都合上,できるだけ事前申し込みにご協力ください.
なお,懇親会に参加される方は,席の確保のため,事前申し込みを必ずお願いします.

問い合わせ先

メールでのお問い合わせは, 中部支部研究幹事 木村 充位(kimura[at]gifu-cwc.ac.jp)まで,お願いします.

———————
主催: 日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部
協賛: IEEE 名古屋支部,システム制御情報学会,情報処理学会東海支部,先端材料技術協会,中部品質管理協会,電子情報通信学会東海支部,日本機械学会東海支部,日本経営工学会中部支部,日本品質管理学会中部支部 (五十音順)
後援:中部産業連盟

土曜午後の仲間になりませんか? ~支部長からのメッセージ

日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部
支部長 金子美博
kaneko
 

 皆様,初めまして.
 今年度から2年間,日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部長を仰せつかった岐阜大学の金子美博です.
 先日,とある会合でソフトウェアの会社を経営している50代の社長さんと懇談する機会がございました.私自身の学会活動について話が及んだとき,オペレーションズ・リサーチ学会にも所属していることを告げると,その社長さん曰く,OR(オペレーションズ・リサーチ)は学生時代勉強したけど,学会があることは知らなかった,とのこと.ついでながら,お連れの若い社員さんにも同じ話をしたところ,オペレーションズ・リサーチという言葉は初めて聞きました,とのこと.ソフトウェアとORの両者は,形をなさない点で共通していると思います.しかしながら,ソフトウェアに比べ,ORの知名度は圧倒的に低い,ということを今更ながら思い知らされました.
 このような現状を鑑み,私自身の支部長1年目の仕事は,「オペレーションズ・リサーチ」あるいは「OR」の知名度を向上させることだと判断しました.具体的には,自身の研究発表でのOR論文の積極的な引用のみならず,「OR」と銘打った授業の担当(大学・高専の講義や高校での出前授業)や大学祭での展示による学会の宣伝などなど.ORの知名度向上に力を注ぎたいと思っています.
 今年度のOR中部支部での研究会等のイベント日程は以下の通りです.
 
 9月27日  シンポジウム「今なら解ける!問題解決のため最適化技術 」
 10月25日 研究会
 11月29・30日 研究会(北陸地区との共催)
 12月3日 研究会・忘年会
 1月か2月 研究会
 3月6日 総会・若手研究者発表会

 研究会への参加は,会員・非会員を問わず無料です.全てが週末,殆どが土曜日の午後に開催されるのが特徴です.イベントを週末に設定したのは,会員の方々が,普段の業務を離れ,気軽に広く参加できることを意図したためです.また,賛助会員のみならず一般企業の方々からの事例研究も随時相談に応じています.内容次第では,研究会で取り上げ,OR中部支部の土曜仲間と一緒になって考えてみたいとも思っています.尚,これらOR中部支部の活動の詳細につきましては,幹事や委員にご遠慮なくお尋ねください.
 一人でも多くの方が,オペレーションズ・リサーチを通して,土曜午後の仲間に加わってくださることを大いに期待し,歓迎いたします.  
 (かねこよしひろ 岐阜大学工学部 電気電子・情報工学科 情報コース 准教授)

日本OR学会中部支部ニュース2014年度第1号

日本OR学会中部支部ニュース2014年度 第1号
2014年2月11日発行

1. 日本OR学会中部支部総会のご案内
2. 日本OR学会中部支部特別講演および研究発表会のお知らせ
3. 幹事会および運営委員会開催のお知らせ

----------------
1. 日本OR学会中部支部総会のご案内

日時:2014年3月15日(土) 12:15-12:45
会場:ウインクあいち 12階 1209室
    (昨年度と建物が異なりますのでご注意下さい)
    〒450-0002
    愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4-38
    http://www.winc-aichi.jp/
議案
(1) 2013年度事業報告
(2) 2013年度決算報告
(3) 2014年度事業計画
(4) 2014年度予算
(5) 2014年度役員選出
(6) その他

2. 日本OR学会中部支部特別講演および研究発表会のお知らせ

日時:2014年3月15日(土) 13:00-16:45
会場:ウインクあいち 12階 1209室
    (昨年度と建物が異なりますのでご注意下さい)
    〒450-0002
    愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4-38
    http://www.winc-aichi.jp/

第41回中部支部研究発表会プログラム
(○印は発表者 ※印は表彰対象の発表)

13:00-13:13 ※徒歩誘導を考慮した一斉帰宅時の鉄道利用帰宅シミュレーション
 ○鈴木成美、三浦英俊(南山大学)
13:13-13:26 ※時空間ネットワークを用いた旅客流動の再現
 ○二宮翔平、鈴木敦夫(南山大学)
13:26-13:39 ※電力価格のリアルタイム・プライシングを考慮したスマートハウスの運用最適化
 ○保田将弘(南山大学)、田中洋一(東邦ガス株式会社)、佐々木美裕(南山大学)
13:39-13:52 ※2種類の販売チャネルを持つ多拠点在庫システムにおける最適発注・供給方策
 ○蓼沼聖昂、中出康一(名古屋工業大学)

13:52-14:00 休憩

14:00-14:13 ※Heuristic and Exact Algorithms for the Interval Min-Max Regret Generalized Assignment Problem
 ○呉偉、柳浦睦憲(名古屋大学)
14:13-14:26 ※Constructive Heuristics for the Soft Rectangle Strip Packing Problem
 ○ミラノマルコ、今堀慎治(名古屋大学)、佐々木美裕(南山大学)、柳浦睦憲(名古屋大学)
14:26-14:39 ※連結制約と被覆制約を持つ施設配置問題に対する発見的解法
 ○山之内亮介、佐々木美裕(南山大学)
14:39-14:52 ※電気自動車専用急速充電器の多期間最適配置計画問題
 ○松井和也、森龍一郎、佐々木美裕(南山大学)

14:52-15:00 休憩

15:00-15:13 ※愛知医科大学病院における麻酔科医のシフトスケジュール作成支援システムの試作
 勝田綾奈、○中村衣里、鈴木敦夫(南山大学)、藤原祥裕(愛知医科大学)
15:13-15:26 ※日本プロ野球を対象とした目的に合わせた試合スケジュール候補の生成法
 ○森翔太郎、脇坂賢、増山繁(豊橋技術科学大学)
15:26-15:39 ※大学の定期試験時間割編成システムの試作
 ○小野内雄一、佐々木美裕(南山大学)
15:39-15:52 レプリケーション機能をもつサーバシステムの信頼性的考察
 ○木村充位(岐阜市立女子短期大学)、今泉充啓(愛知学泉大学)、中川覃夫(愛知工業大学)

■特別講演
16:00-16:45
「累積損傷モデルの応用について」
金城学院大学 中村正治先生

■表彰式
16:45-16:50

特別講演と研究発表会はともに参加費無料です.

■懇親会 17:30-19:30
会場: 八吉 名古屋名駅店 http://r.gnavi.co.jp/n163400/
会費: 6,000円(予定)
申込方法: 以下のサイトにアクセスいただき,「懇親会」の出欠の選択をお願いいたします.
締め切りは2/28(金)です.
https://orsj.org/chubu/?p=2222

■発表者への御連絡
重要日程
 発表原稿提出期日:2014年2月26日(水)
発表について
 発表は質疑応答を含めて13分(発表10分、質疑応答3分)です.
学生表彰について
 昨年同様,学生表彰を計画しています.
 発表者は特別講演後の表彰式まで参加をお願いします.
発表原稿書式
 発表原稿は下記の書式に従って用意して下さい.
 A4サイズ4ページ以内,天地左右のマージン各20mm以上.
 題名の後に,氏名,所属,住所,E-mailアドレスを記載.
発表原稿の送付
 発表原稿を PDF ファイルで作成し,件名「第41回中部支部研究発表原稿」として下記送付先まで
 E-mailに添付してお送り下さい(2月26日(水)締め切り).
 なお,PDFファイルを作成する際には以下の点にご注意下さい.
 ・使用したフォントは全て埋め込んで下さい.
 ・ファイルサイズはおおむね1MB以下にして下さい.
 ・ページ数を入れないでください.
 ・モノクロ印刷を前提に作成してください.
申し込み・原稿送付・問合せ先
 南山大学情報理工学部 小市俊悟
 shungo◎nanzan-u.ac.jp

3. 幹事会および運営委員会開催のお知らせ

以下のとおり幹事会および運営委員会を開催いたします.
幹事(新幹事を含む),運営委員の方々は以下のサイトで出欠をお知らせください.
締め切りは2/28(金)です.
https://orsj.org/chubu/?p=2222

日時:3月15日(土)
    10:15-11:15 幹事会
    11:30-12:05 運営委員会
会場:ウインクあいち 12階 1210室
    (昨年度と建物が異なりますのでご注意下さい)
    〒450-0002
    愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4-38
    http://www.winc-aichi.jp/