21年度ワークショップ報告

11月4日(木)の13:30-17:30と長丁場で,OR学会中部支部ワークショップが開催されました.今回は,株式会社数理システムの佐藤 誠氏に,数理システムが開発した数理計画法のソフトウェアNUOPTを用いて,実際問題を解決する方法を解説していただきました.受講者1人に1台ずつPCが用意され,ハンズオンでの講座でした.

まず,デモファイルの体験から始まりました.広告費用の割り当て問題を例にとって,家具の広告をメディアに割り当てる問題の最適化ソリューションについて実習しました.

ただ答えを出すことが重要なのではなく,大事なのは
モデル化 > プロトタイピング >> 検証 >>> システム化
と流れる作業であることがよくわかりました.

つぎに,実際にNuoptを使ってみるということで,

  • 油田の運転計画
    外部入力ファイル、添え字、問題をクリアすればレベルアップ
  • 倉庫経由配送計画
    デポ廃止を整数制約として導入する

の2つの事例を実習させていただきました.

適宜休憩を入れながら,2名のフロア補助のヘルプが付きましたので,ほとんど受講者の方は迷うことなくついていけたのではないでしょうか.また最後に紹介された,将棋連盟の対戦表作成の事例も興味深いものでした.

ML入会・退会のお問い合わせについて

日本OR学会中部支部では,現在メールで関連する情報をお送りしております.

 ・新たにメールで情報をお受け取りになりたい場合
 ・これまでメールを受け取っていて,リストから外れたい場合

などありましたら,下記のお問い合わせまでご連絡してください.
よろしくお願いします.

メールによるお問合せ先
事務局 chubu-admin[at]orsj.or.jp

南山大学オープンリサーチセンター公開研究会のご案内

南山大学数理情報研究科・数理情報研究センターでは、文部科学省「オープン・リサーチ・センター整備事業」として、研究プロジェクト「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」を行っています。
その2010年度第4回公開研究会を以下のとおり開催いたします。研究者、実務家の方々の参加をお待ちしています。

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■日時:2010年11月12日(金)15:30~18:40
■場所:南山大学名古屋キャンパス J棟Pルーム
     〒466-8673 名古屋市昭和区山里町18
     Phone/052-832-3111(代表)
     地図は以下のWEBページをご覧ください。
    http://www.nanzan-u.ac.jp/Information/access.html#01

■問い合わせ先:南山大学数理情報研究センター
 〒489-0863
 瀬戸市せいれい町27番地
 Phone/0561-89-2081
 E-mail/suuri-common[at]nanzan-u.ac.jp

■主催:南山大学数理情報研究科・数理情報研究センター オープン・リサーチ・センター
  共催:南山学会

■プログラム
<15:30 - 15:40>
文部科学省「オープン・リサーチ・センター整備事業」、
「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの
最適運用計画の策定と普及」研究プロジェクトについて 
研究プロジェクト代表者 伏見 正則氏(南山大学客員教授)

<15:40 - 17:00>
「交通事故多発箇所の抽出」
愛知県 建設部道路維持課 北澤 哲氏

<17:20 - 18:40>
「空間情報技術を用いた交通事故分析」
国際航業株式会社 社会基盤事業部  林 利充氏

<19:30 - 21:30>
懇親会(懇親会に参加される場合のみ懇親会費が必要となります。懇親会費:6,000円程度を予定)
会場は当日ご案内いたします。懇親会にご参加の方は、数理情報研究センター
(suuri-common[at]nanzan-u.ac.jp)宛てにメイルでご連絡ください。

21年度シンポジウム報告

2010年9月22日(水)13:30-17:30に第7回日本OR 学会中部支部シンポジウムが開催されました.今回は,会場を名古屋大学ベンチャービジネスラボラトリー 3Fベンチャーホールで行われました.

最初に支部長から,本シンポジウムの趣旨説明,各講師の紹介がありました.今回の約80人の参加者というのはこれまでの最高記録であることも紹介されました.

第1件目 非線形最適化を用いた図形の充填問題の解法
今道貴司(IBM東京基礎研究所)氏

テーマは,与えられた容器にいくつかの図形を重なりなく詰める充填問題.この問題を,微分可能な非線形計画問題に定式化することで,数理計画法が適用できるところがミソ.布からシャツや水着を切り出す例題に対して,実験上は成功したが,実用化はまだされていない,応用例を募集中!だそうです.
また3次元はめ込みの場合,重力の影響を考える必要があるが...なかなか難しそうです.

第2件目 メタヒューリスティクスによる制約最適化ソルバーの構築
野々部宏司(法政大学)先生

まず研究目的が,定式化された最適化問題に対する「ソルバーの開発」・「メタ・ヒューリスティクスの適用」であることを説明した後,研究対象の汎用ソルバーを解説.そして,PATAT2010におけるナーススケジューリングコンテストのSML(簡単~難解)各部門でベスト5に入賞したことから,提案するアルゴリズムの汎用性があることの証明をされました.

第3件目 サプライ・チェインにおける様々な最適化問題を解くための統一言語
久保幹雄(東京海洋大学)先生

役に立つツールとしてPythonを利用してみたい気分にさせるお話でした.

第4件目 最適化ツールを用いた実務の意思決定支援の方法
田辺隆人(株式会社 数理システム)氏

現場での経験をもとにしたソルバー開発のご苦労,最適化を利用する際の企業人としての価値観を披露されました.とくに現場の意見を問題の階層化に役立てる部分は興味深い点です.

どれも中身の濃いご講演で,至福の時間を過ごすことができました.

日本OR学会中部支部ニュース2010年度 第4号

2010年10月7日

[1] 日本OR学会中部支部ワークショップ開催のお知らせ

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[1] 日本OR学会中部支部ワークショップ開催のお知らせ

中部支部では、シンポジウムに続き、下記のワークショップを開催いたします。
シンポジウムで講演された、田辺氏の所属する株式会社数理システムの佐藤 誠氏に、数理システムが開発した数理計画法のソフトウェア、NUOPTを用いて、実際問題を解決する方法を解説してもらいます。受講者1人に1台ずつPCを用意し、実際にPCを操作しながら、問題解決をしてもらいます。企業でこれからORを利用してみようと思われる方、学部、大学院の学生で、ORの研究をされている方、また、大学で教鞭をとられている方にも、役に立つワークショップです。
是非、ご参加ください。

中部支部長 鈴木 敦夫(南山大学情報理工学部)

   ◆◆◆◆◆◆
テーマ:最適化ソフトウェアを用いた問題解決入門
日 時:2010年11月4日(木)13:30-17:30
場 所:中部品質管理協会セミナー室
    〒450-0002 名古屋市中村区名駅 4-10-27 第2豊田ビル西館8F
     052-581-9841
講 師:佐藤 誠 氏((株)数理システム)
概 要
近年の数理計画法の理論的な進展とPCの計算能力の向上、これを背景とした良質で安価な最適化ソフトウェアの開発が進んだことで、これらのソフトウェアを用いて、実際問題を短時間で解決することができるようになってきている。実際、このことにいち早く気がついた企業や組織では、種々の問題を解決し、コストの削減や、利潤の増大に役立てている。
このワークショップでは、国産の最適化ソフトウェアとして定評のあるNUOPTを用いて実際問題を解決する方法を、最適化ソフトウェアを初めて利用する実務家、大学院生、学部学生にも理解できるように解説する。受講者には1人1台ずつPCを用意し、実際にソフトウェアを利用して例題を解くことで、自ら問題を解決できるようにする。例題は、(株)数理システムが実際に解決した問題事例であり、今回のワークショップで身に付けたことが実務や研究面ですぐに応用できるように詳細に解説する。

生産の現場には、「稼動はしているが本当にこれで良いか、評価が困難」なことが数多くある。マイニング・シミュレーション等の技法と並んで、数理計画法という技法がお役に立つ。当日は以下のような課題を数理計画法を用いて解決する方法をご紹介する。

「物流コストと生産コスト,どちらを重視すべきだろうか?」
「そもそも無理のかからないスケジュールは存在するだろうか」
「バッチプロセスの投入順はこれでよいのかな?」
「切り出しの段取り換えコストをできるだけ調節したい」
「設備投資が何年で回収できるだろうか」
「新製品はどの生産拠点で作ればよいだろうか」
「需要が変わったときに利益はどう変化するのだろう」

定 員:30名
参加ご希望のかたは、早めにお申込ください。参加費は1000円です。当日受付でお支払いください。
学生、大学院生の方は無料です。

参加申込:中部品質管理協会 安田宛電子メールでお願いします(アドレス:yasuda[at]cjqca.com)。
参加申込のメールの表題は、「中部支部ワークショップ申込」でお願いします。
本文には、ご氏名、ご所属、連絡先(電子メールアドレス)、学生の方の場合にはその旨お書きください。

日本OR学会中部支部ニュース2010年度 第3号

[1] 第7回日本OR学会中部支部シンポジウム「役に立つ最適化ツールとその応用」開催のお知らせ

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[1] 第7回日本OR学会中部支部シンポジウム「役に立つ最適化ツールとその応用」開催のお知らせ

■日時:2010 年9月22日(水)13:30-17:30
■場所:名古屋大学ベンチャービジネスラボラトリー 3Fベンチャーホール
   〒464-8603 名古屋市千種区不老町
   地下鉄名城線 名古屋大学駅 3番出口から徒歩3分
   http://www.vbl.nagoya-u.ac.jp/

■シンポジウム趣旨
生産や流通などの実践的場面をはじめ,大学や企業等の日常業務においても,時間割作成や人の割当など,解決が迫られている最適化問題は多数存在しますが,そのおのおのについて求解ソフトを作成するのには大きな手間とコストがかかります.一方,アルゴリズムの性能を高めるには,問題構造を有効に利用することが必要であり,ひとつのツールで全ての問題を解決しようとすると,十分な性能が得られないことがしばしばです.そこで,問題構造を活かせるソルバーを複数用意し,その中から問題構造に適したものを選んで使う,という方針が問題解決への近道と思われます.また,そのような最適化ツール利用する上で,問題記述が容易であることも重要です.このような観点で開発されたツールの研究やその実践的利用において活躍されている4名の方々に様々な立場から講演していただきます.

■プログラム

13:30-13:35 開会挨拶 ______ 鈴木敦夫(南山大学)
13:35-14:25 非線形最適化を用いた図形の充填問題の解法
             今道貴司(IBM東京基礎研究所)
14:35-15:25 メタヒューリスティクスによる制約最適化ソルバーの構築
             野々部宏司(法政大学)
15:35-16:25 サプライ・チェインにおける様々な最適化問題を解くための統一言語
             久保幹雄(東京海洋大学)
16:35-17:25 最適化ツールを用いた実務の意思決定支援の方法
             田辺隆人(株式会社 数理システム)
17:25-17:30 閉会挨拶 ______ 鈴木敦夫(南山大学)

■参加費: 一般 1000円(当日払い),学生 無料

■懇親会:シンポジウム終了後香蘭楼(http://kourannrou.hiciao.com/)にて懇親会を開催いたします(会費4000円).会場予約の都合上,必ず9月10日(金)までに事前申し込みをお願いいたします.

■申し込み方法
シンポジウムは当日参加も可能ですが,配布資料等の準備の都合上,事前申し込みにご協力下さい.懇親会参加希望の方は必ず事前申し込みをお願いします.件名を「日本OR学会中部支部シンポジウム2010」として,本文に氏名,所属,連絡先をご記入の上,懇親会への参加の有無を明記して,9月10日(金)までにyasuda[at]cjqca.com 宛に電子メールにてお申し込み下さい.

シンポジウムについてより詳しくはこちらをご覧下さい.

■問い合わせ先: chubu-symposium[at]al.cm.is.nagoya-u.ac.jp

■主催:日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部
■共催:中部OR研究会
■協賛:スケジューリング学会,日本経営工学会中部支部,日本品質管理学会中部支部,
   電子情報通信学会東海支部,情報処理学会東海支部,電気学会東海支部,
   日本規格協会名古屋支部,中部品質管理協会
■後援:中部産業連盟

支部研究会報告

中部支部研究会ルポ   文責 岐阜大学工学部 金子美博

 去る6月19日,京都大学霊長類研究所教授の正高信男先生を講師として招き,「人間にとって障害とはなにか」という題目での支部研究会を開催した.講演のほぼ1週間前に,最新研究成果(サルもTV番組を楽しむ)というNHKの報道もあり,実にタイムリーであった.

masa 講演は,京都大学霊長類研究所の生い立ちから始まり,中部地区に在住する者には馴染みのあるトピックが幾つも紹介され,発達障害とは何か,という話が導入された.
 人間は言葉の認識能力に比べ,数の概念を本能的に認識すること,それは動物としての歴史があり,ライオンが群れの大小が比較できることや,ネズミが7~8までの数がわかることを裏付ける実験などが紹介された.
 障害といえば,日本ではとかくハンディキャップにのみ強調されるものの,過去から現在に至るいわゆる「天才」にまつわる逸話から,発達障害と思われる人物例が幾つも紹介された.学習障害が貴重な人的資源であるため,大切なことは,本人がそれを知り,周囲がそれを受け入れ,障害以外の能力を伸ばして対処すべき,という趣旨に唯々頷くだけであった.
 講演は,時折,数字を使った簡単な実験や謎のアルファベットの問いかけ,研究を紹介したTVでの放送の再生など,出席者も楽しめるような構成になっていて,講演時間の90分があっという間に過ぎてしまった.参加者は16名と小規模ながら,先生の巧みな話に一同非常に引き込まれた印象を受けた.

 30分の質疑応答の時間を設けたものの,それでは足りず,続きは懇親会で展開されることになった.筆者も同席したが,楽しいだけでなく,教育現場の様々な問題が話題としてのぼり,教育現場に関わる者として,大変勉強になった.参加者の中には,別の機会で,改めて正高先生への講演依頼を行うなど,先生の人気ぶりを改めて知ることになり,本研究会は大変意義深いものであったと自画自賛した.

第7回日本OR 学会中部支部シンポジウムを9月22日に開催します

ポスター

2010年9月22日(水)に第7回日本OR 学会中部支部シンポジウム
「役に立つ最適化ツールとその応用」を開催いたします. 

ポスターを用意しました.掲示・配布等,広報にご協力いただければ幸いです.→

日時
2010 年9月22日(水)13:30-17:30

場所
名古屋大学ベンチャービジネスラボラトリー 3Fベンチャーホール
〒464-8603 名古屋市千種区不老町
地下鉄名城線 名古屋大学駅 3番出口から徒歩3分
会場へのアクセスについてはこちらをご覧ください.

シンポジウム趣旨
生産や流通などの実践的場面をはじめ,大学や企業等の日常業務においても,時間割作成や人の割当など,解決が迫られている最適化問題は多数存在しますが,そのおのおのについて求解ソフトを作成するのには大きな手間とコストがかかります.一方,アルゴリズムの性能を高めるには,問題構造を有効に利用することが必要であり,ひとつのツールで全ての問題を解決しようとすると,十分な性能が得られないことがしばしばです.
 そこで,問題構造を活かせるソルバーを複数用意し,その中から問題構造に適したものを選んで使う,という方針が問題解決への近道と思われます.また,そのような最適化ツール利用する上で,問題記述が容易であることも重要です.このような観点で開発されたツールの研究やその実践的利用において活躍されている4名の方々に様々な立場から講演していただきます.

プログラム
13:30-13:35 開会挨拶 鈴木敦夫(南山大学)
13:35-14:25 非線形最適化を用いた図形の充填問題の解法
                   今道貴司(IBM東京基礎研究所)
14:35-15:25 メタヒューリスティクスによる制約最適化ソルバーの構築
                   野々部宏司(法政大学)
15:35-16:25 サプライ・チェインにおける様々な最適化問題を解くための統一言語
                   久保幹雄(東京海洋大学)
16:35-17:25 最適化ツールを用いた実務の意思決定支援の方法
                   田辺隆人(株式会社 数理システム)
17:25-17:30 閉会挨拶 鈴木敦夫(南山大学)

参加費(当日払い)
1,000 円(学生は無料)

懇親会
シンポジウム終了後香蘭楼にて懇親会を開催いたします(会費4000円).会場予約の都合上,必ず9月10日(金)までに事前申し込みをお願いいたします.

申し込み方法
シンポジウムは当日参加も可能ですが,配布資料等の準備の都合上,事前申し込みにご協力下さい.懇親会参加希望の方は必ず事前申し込みをお願いします.件名を「日本OR学会中部支部シンポジウム2010」として,本文に氏名,所属,連絡先,身分(学生の場合は学年),懇親会への参加の有無を明記して,9月10日(金)までに yasuda “at” cjqca.com 宛に電子メールにてお申し込み下さい.

問い合わせ先
chubu-symposium “at” al.cm.is.nagoya-u.ac.jp

主催
日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部

後援・協賛団体
共催: 中部OR研究会
協賛: スケジューリング学会,日本経営工学会中部支部,日本品質管理学会中部支部,電子情報通信学会東海支部,情報処理学会東海支部,電気学会東海支部,日本規格協会名古屋支部,中部品質管理協会
後援: 中部産業連盟

講演要旨

(1) 非線形最適化を用いた図形の充填問題の解法
今道貴司(IBM東京基礎研究所,研究員)

図形の充填問題とは,与えられた図形を容器の中に図形の衝突がないように配置する問題である.図形の種類,配置の制約,容器の形状などにより様々なバリエーションがあり,広く応用のある重要な問題である.本発表では,図形同士の衝突や図形の容器からの突出にペナルティをかけ,その総和を非線形最適化の手法を用いることで,配置を改善する手法の紹介をする.適用例として,多角形の充填問題,道路ラベルの配置問題,タンパク質の充填問題などの結果を紹介する.

(2) メタヒューリスティクスによる制約最適化ソルバーの構築
野々部宏司(法政大学,准教授)

実社会において解決すべき最適化問題の中には,「あるものを別のものに割当てるタイプ」のものが少なくない.そこで,このようなタイプの問題を対象とした最適化ソルバーの構築を,制約充足問題やその拡張である制約最適化問題に対するメタヒューリスティック・アルゴリズムの開発を通して行ってきた.本講演では,その最適化ソルバーの概要について,設計上・実装上の工夫や留意点,および応用事例を交えて述べる.

(3) サプライ・チェインにおける様々な最適化問題を解くための統一言語
久保幹雄(東京海洋大学,教授)

サプライ・チェインにおける様々な最適化問題(ロットサイズ決定のための状態タスク・ネットワーク表現,資源制約付きスケジューリング,ロジスティクス・ネットワーク設計,安全在庫配置など)を解くための,1つの統一仕様(SCML: Supply Chain Modeling Language)を提案する.これは,超高級プログラミング言語Pythonのクラス群として記述でき,複数の異なるモデルを融合したモデルを求解するときに便利である.

(4) 最適化ツールを用いた実務の意思決定支援の方法
田辺隆人(株式会社 数理システム,取締役 数理計画部 部長)

運転・投資計画,スケジューリング,施設配置など,実務の現場は意思決定に満ちている.この十年ほど,これら問題を取り扱う計算技術のキャパシティは急激に増大,我々の「手駒」は増えている.しかし問題を解く側,実装する側の理屈をそのまま当てはめるのでは,最適化ツールの有用性は発揮されないばかりか実務家の信頼を失う不幸な結果となることも多い.本講演では問題設定や出力結果の適用方法,人間系との協調といった側面についてもあわせて考える.

日本OR学会中部支部ニュース2010年度第2号

[1] 第1回支部研究会 開催のお知らせ

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[1] 第1回支部研究会 開催のお知らせ

今回の研究会では、正高先生に、「学ぶ」ということがどのようなものであるかということをお話ししていただきます。ORを研究・教育している研究者やこれから本格的にORを学ぼうとしている大学院生の皆様に、再度、オペレーションズ・リサーチの教育の方法や学ぶ意味を考えていただく機会を提供していただこうと考えています。皆様、是非ご参加ください。
 ◆事前エントリーは必要ありません。
 ◆参加費は無料です。
 
題目:人間にとって障害とはなにか
講演者:正高信男 先生(京都大学霊長類研究所教授)

日時:平成22年6月19日(土)15時―17時
場所:中部品質管理協会第1研修室
〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目10番27号
     (第2豊田ビル西館8階)

講演概要

人間は、どのように知能を進化させたのか。それは最適な産物なのか。なぜ、それがわかるのか。それは、なぜ障害をうむのか、、、最近の科学の進歩により、多くの知見がもたらされてきている。それを知ることは、単に知識を増やすことにとどまらず、日々の臨床のなかで、さまざまな生活上の困難を経験している人々を、適切に理解し、真に福祉に貢献する教育的支援を提供することにも、直結してくる。本講演では、そのような意味で現実に有用な最新の科学の成果について、限られた時間ではあるが、若干の話題を提供する予定にしている。