【2016年12月3日(土)】日本OR学会 2016年度第2回支部講演会のお知らせ

★第2回支部講演会★
日時:2016年12月03日(土)13:30-16:45
場所:愛知県立大学サテライトキャンパス(ウインクあいち15階)
〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38

■講演1 13:30~15:00
講演題目:行列式点過程を用いた数値積分法とその応用
講師:愛知県立大学 情報科学部 平尾将剛先生

概要:球面上の積分を考える.球面デザインとは,ある次数以下の多項式の積分値を球面上の有限個の点での重み付き平均として正確にとることができる性質の良い有限集合のことである.球面デザインは数値積分法をはじめ多岐に渡る応用を持つ.

近年,Brauchart et al (2014) は球上の準モンテカルロデザイン系列の構成問題を提案した.これは球面デザインに準モンテカルロ法のアイデアを適用したものであり,より高速な誤差の収束を実現する球面上の点列を探索・構成する問題である.

本講演では,近年活発に研究されている点過程のひとつである行列式点過程を紹介し,行列式点過程から準モンテカルロデザイン系列が生成できることを紹介する.また,球面以外の多様体上における取り組みや,それらを用いた応用についても述べる.

■講演2 15:15~16:45
講演題目:医療分野のスケジューリング問題に対するオペレーションズ・リサーチの適用講師:東京理科大学 理工学部 伊藤真理先生

概要:医療分野のスケジューリング問題に対してオペレーションズ・リサーチの数理計画法を用いてどう解決したかを紹介する.たとえば,受診者がどの順番で検査するかという検査順序を決定する人間ドックのスケジューリング問題,どの手術室でいつ手術を開始するかを決定する手術室のスケジューリング問題,どの場所でいつ採血をどれだけの量行うかを決定する採血のスケジューリング問題などがある.本講演では,これらのスケジューリング問題の一例を取り上げ,その問題の解決方法や最近の成果,今後の展望を紹介する.

■懇親会
講演会終了後(17:30~),会場周辺にてにて懇親会(会費5000円)を計画しています.
懇親会に参加される方は,会場予約の都合上,下記の事前申し込みを必ずご利用ください.多くの皆さまのご参加をお待ちしております.

■講演申し込み方法
本ページ最下部の申し込みフォームよりお申し込みください(締切11月30日(水)).
講演会は当日参加も可能てすが,準備の都合上,できるだけ事前申し込みにこ協力ください.なお,懇親会に参加される方は,席の確保のため,事前申し込みを必すお願いします.

■問い合わせ先
メールでのお問い合わせは, 中部支部支部長 奥田隆史(okuda@ist.aichi-pu.ac.jp)まで,お願いします.

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OR学会中部支部講演会(2016年度第1回) ルポ

2016年6月11日(土)に,名古屋工業大学において,OR学会中部支部講演会(2016年度第1回)が22名の参加者を迎えて開催された.

1人目の講演者の前原貴憲氏(静岡大学)からは,講演題目「離散凸解析に基づく機械学習手法について」の下,離散凸解析,離散最適化問題において近年広く用いられる「劣モジュラ性」をキーワードに分野の様相,及び氏の最近の研究活動である計算広告について解説して頂いた.集合関数における凸性として,また凹性としてもみることができる劣モジュラの性質から,最適化問題,近似アルゴリズムの問題と非常に相性が良いことや,その応用の一例で計算広告における問題を懇切丁寧に説明頂いた.前原氏が指摘されたように, エントロピー関数,グラフのカット関数などが劣モジュラ関数であるように情報科学の様々な問題に現れ,その応用範囲はとても広いことが分かる.
今後のますます研究の要請が高まる研究対象であることが前原氏の講演を通じて十分に分かる内容であった.

2人目の講演者の三浦英俊氏(南山大学)からは,講演題目「DEAによる店舗の商圏属性分析と品揃えについて」の下,三浦氏らの研究グループが行なったを実際のある小売店舗の売上予測を重回帰分析を用いて解析したプロセス,及び商圏特性に合わせた売場構成(商品陳列棚の個数)をDEA(包絡分析法)を用いて決定するプロセスを具体例とともに解説して頂いた.
重回帰分析を用いた売上予測に関しては,商圏などを用いて分析されていたが,取り分け,同業他社店舗のよりも自社別店舗の方が影響を受けやすいとの報告は実際にデータを分析することでしか得られないだろう知見であり興味深いものであった.
また,DEAを用いた売場構成については,改装前,改装後の売り上げデータを用いた検証報告もなされたが,DEAがうまく機能していることが分かるものであった.
今回,三浦氏の紹介された一連の分析プロセスは,同業他社における分析のみならず,様々な業種においても応用が期待できる内容であった.

【2016年9月17日(土)】日本OR学会 2016年度中部支部シンポジウム開催のお知らせ

日時

2016年9月17日(土)  13:30~17:00

場所

ウインクあいち15階(愛知県立大学サテライトキャンパス)
〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38

シンポジウムの趣旨

情報通信技術の進展に伴い,生活の利便性は飛躍的に向上している.情報システムは生活を支える社会基盤として深く浸透している.一方で,システムは大規模化,複雑化しており,障害が発生した場合,社会生活に大きな混乱をもたらすことが問題となっている.このためシステムの信頼性,および,セキュリティ対策を含めた安全性の向上への要求はますます高まっている.この問題を解決するために,シミュレーション,最適化をはじめとした様々なORモデルが提案されている.本シンポジウムでは,現在この分野の最前線で活躍されている研究者に,最新の研究成果を報告していただく.

予定プログラム

13:30-13:35 開会挨拶  OR学会中部支部研究幹事 今泉充啓(愛知学泉大学)

13:35-14:35 「オープンソースソフトウェアに対する信頼性評価の適用例と最近の動向」
講師:田村慶信(山口大学大学院)

14:45-15:45 「情報通信セキュリティとOR」
講師:後藤邦夫(南山大学)

15:55-16:55 「非定常累積超幾何試行過程とその応用~信頼性に関連したある物語~」
講師:土肥 正(広島大学大学院工学研究院)

16:55-17:00  閉会挨拶  OR学会中部支部支部長 奥田隆史 (愛知県立大学)

参加費(当日払い)

1,000円(ただし,学生は無料)

懇親会

シンポジウム終了後,会場周辺にてにて懇親会を計画しています.

会場:奥志摩 名駅中央店 別館
時間:18:00~20:00
会費:5000円

懇親会に参加される方は,会場予約の都合上,下記の事前申し込みを必ずご利用ください.多くの皆さまのご参加をお待ちしております.

申し込み方法

本ページ最下部の申し込みフォームよりお申し込みください(締切9月2日(金))
シンポジウム,懇親会ともに若干の余裕があります.ともに申込期限を9月14日(水)まで延長しています.
シンポジウムは当日参加も可能ですが,準備の都合上,できるだけ事前申し込みにご協力ください.
なお,懇親会に参加される方は,席の確保のため,事前申し込みを必ずお願いします.

問い合わせ先

メールでのお問い合わせは, 中部支部研究幹事 今泉充啓(imaizumi[at]gakusen.ac.jp)まで,お願いします.

後援・協賛団体等

主催:日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部
協賛:電子情報通信学会東海支部, IEEE名古屋支部,情報処理学会東海支部,日本経営工学会中部支部、中部品質管理協会
後援:中部産業連盟

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参加申し込みフォーム

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【6月11日(土)】 OR学会中部支部講演会(2016年度第1回)のお知らせ

OR学会中部支部の皆様

以下のスケジュールで第一回支部講演会を開催します.講演会終了後に懇親会を開催いたします.準備の都合上,お手数ですが下記リンク先より出欠の入力をお願いします.

【懇親会申し込みフォーム】 こちらよりお申込みください(6月1日〆切)

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★第1回支部講演会★

日時:2016年6月11日(土)14:30-16:45
場所:名古屋工業大学2号館7階701B会議室

14:30-15:30 「離散凸解析に基づく機械学習手法について」
講師 前原貴憲先生(静岡大学)

15:45-16:45 「DEAによる店舗の商圏属性分析と品揃えについて」
講師 三浦英俊先生(南山大学)
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★懇親会(鶴舞駅周辺,会費5000円)★
17:30~

【懇親会申し込みフォーム】 こちらよりお申込みください(6月1日〆切)

懇親会の詳細はのちほどご案内します.
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【3月5日(土)】OR学会中部支部総会・研究発表会・特別講演会・懇親会のお知らせ

以下のように開催いたします. 皆さまのご参加をお待ちしております.

日時: 2016年3月5日(土)12:00~17:10
場所: ウインクあいち15階 (愛知県立大学サテライトキャンパス)他
  〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38
  http://www.winc-aichi.jp/access/

時間:
  12:00~12:50 支部総会
  13:00~15:30 研究発表会(下記プログラムをご覧ください)
  16:00~17:00 特別講演:信頼性における多状態問題について
         講師 大鑄史男先生(名古屋工業大学)
  17:00~17:10 学生表彰式
  17:30~19:30  懇親会 百楽名古屋
         〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目6-23
         第三堀内ビル14F・15F TEL:052-581-1511
         http://www.hyakuraku.com/
        参加費 6,000円
         こちらよりお申込みください(3月3日〆切)

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第43回中部支部研究発表会プログラム (○印は発表者)

1.13:00-13:13  コンビニエンスストアの商品配置における同時購買の最大化
○足立温,鈴木晴香,茨木智(名古屋市立大学)

2.13:13-13:26  排水機場における最適維持管理計画の策定に関する研究
○山本隆之,高見勲,福島雅夫(南山大学),川﨑和來,森利光(国土交通省近畿地方整備局)

3.13:26-13:39  麻酔科医の当番・当直勤務スケジューリング支援システム
○大西 愛乃,鈴木 敦夫(南山大学),橋本 篤(愛知医科大学病院)

4.13:39-13:52  フィードバックを取り入れたサーバー能力成長型 VCHS 待ち行列モデルの性能評価
○田中 秀明,宇都宮 陽一,奥田 隆史(愛知県立大学)

5.14:02-14:15  航空機における搭乗時間短縮のための最適搭乗順に関する研究
○冨山侑子,宇都宮 陽一,奥田 隆史(愛知県立大学)

6.14:15-14:28  2台の UAV による正方格子探索のための最短航路について
○可児丈輝,金子美博(岐阜大学),間瀬健一(新潟大学)

7.14:28-14:41  テーマパーク型施設における優先チケットの販売方策
○西村隼太,中出康一(名古屋工業大学)

8.14:41-14:54  レクトリニア多角形パッキング問題に対する局所探索法における探索順序の解析
関谷 沙也加,○胡 艶楠,柳浦 睦憲(名古屋大学)

9.15:04-15:17  2CPU における固定優先度タスクスケジューリング
○菊池健吾(名古屋大学),橋本英樹(東京海洋大学),柳浦睦憲(名古屋大学)

10.15:17-15:30  企業内セミナーのスケジューリング問題について
○松崎佳人,川口祐貴,西尾諭,鈴木敦夫(南山大学)

【2016年1月24日(日)】 OR学会中部支部・関西支部共催講演会のお知らせ

OR学会中部支部・関西支部共催講演会を以下のように開催いたします. 皆さまのご参加をお待ちしております.
※参加をご希望の方は,こちらから参加登録をお願いします(当日飛び入り参加も可).
※昼食時の交流会に参加される方は必ずご登録ください

主催:日本OR学会中部支部・関西支部
日時:2016年1月24日(日) 10:00~15:00(9:15開場)
会場:勤労者福祉会館 臨湖 滋賀県長浜市港町4-9
    Tel. 0749-65-2120
    http://nagahama-rinko.info/

【プログラム】
9:10 開場

10:00-10:10
開会挨拶
金子美博(日本OR学会中部支部長,岐阜大学工学部准教授)

10:10-11:10
講演1「相補性を巡って」
福島雅夫(南山大学理工学部教授・京都大学名誉教授)

要旨:先日,講演者はMathematical Optimization Societyから Paul Y. Tseng Memorial Lectureshipという賞を授賞された.本講演では,講演者がかつてTseng教授と行った共同研究を振返りながら,相補性(complementarity)に関連する諸問題について紹介する.

11:10-11:20
休憩

11:20-12:20
講演2「一期一会の数理と災害時情報通信技術」
巳波弘佳(関西学院大学理工学部教授)

要旨:一生の間に一回しか遭遇しない人の割合はどれくらいだろうか? 頻繁に会う人とはどれくらいの頻度で会っているだろうか?実際に観測してみると興味深い性質が見えてくる.これまでに,遭遇頻度分布がべき乗則にしたがうことを発見し,その観測事実を説明できる自然な数理モデルを与えた.また,この知見を,災害時の情報通信技術の一つである蓄積搬送型通信に応用することで,性能向上を図った.本講演では,人と人の出会いに潜む数理とその応用について紹介する.

12:20-13:30
交流会: 多喜港店 長浜市港町1-12
      Tel. 0749-65-0733
      http://tabelog.com/shiga/A2504/A250402/25002092/

13:30-14:30
講演3「レクトリニア図形のパッキング」
柳浦睦憲(名古屋大学情報文化学部教授)

要旨:レクトリニア図形,すなわち垂直線分と水平線分で表現できる多角形のパッキング問題を考える.レクトリニア図形のパッキングは,たとえば,箱の生産において展開図の形状を無駄なく切り出すというような直接的な応用をはじめ,線分を細かくすることで様々な図形を近似的に表現できるため,幅広い応用を持つ.本講演では,この問題に対する構築型アルゴリズム等,最近の成果を紹介する.

14:30-14:50
自由討論

14:50-15:00
閉会挨拶
岳五一(日本OR学会関西支部長,甲南大学知能情報学部教授)

【12月19日(土)】 OR学会中部支部講演会のお知らせ

OR学会中部支部講演会を以下のように開催いたします. 皆さまのご参加をお待ちしております.

日時 : 2015年12月19日(土)13:30~19:00
場所 : ウインクあいち15階 愛知県立大学サテライトキャンパス
     〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38
     http://www.winc-aichi.jp/access/

プログラム
13:30~15:00  「ビンパッキング問題」
           講師:藤原洋志先生(信州大学)
15:15~16:45  「江戸の天文暦学研究に見る学際的環境と継承の風土」
           講師:鳴海 風先生(歴史作家 関孝和数学研究所)
17:00~19:00  懇親会

事前の申込みは不要です.また,聴講は無料です.非会員の方も聴講できます.懇親会につきましてはのちほど案内させていただきます.

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藤原先生 講演内容
ビンパッキング問題は,与えられたアイテム集合に対し,各アイテムを均一な容量を持つビンのいずれかに詰めるという制約のもと,用いるビンの数を最小化することを目的とする組合せ最適化問題である.本講演では,各アイテムの行き先を1つずつ順次決定するオンラインアルゴリズムの研究について解説する.また講演者は信州大学工学部においてビンパッキング問題を題材とした講義・演習を行っており,これについても紹介する.

鳴海先生 講演内容
最先端の研究には異分野の専門家が交流する環境が必要だと言われるが,江戸時代の天文暦学の研究にも似た状況があった.さらに,研究に長期間を要する場合,師から弟子,あるいは親から子へと研究は継承された.グローバル時代になって日本の環境は大きく変わってきたが,不足している資源を輸入して国内で付加価値をつけて世界でビジネスを展開するという構図は当面変わらない.付加価値の源泉は技術であり,そのためには研究開発にいっそう注力しなければならない.江戸時代の天文暦学研究がなぜ必要だったか,そこで活躍した多彩な人たちと(特に開発者や技術者が)共感を呼ぶ生き方を紹介する.

第12回日本OR学会中部支部シンポジウム ルポ

2015年9月19日(土)に、ウインクあいちの愛知県立大学サテライトキャンパスにおいて、第12回OR学会中部支部シンポジウムが「航空機の保全設計技術とOR」をテーマに、35名の参加者を迎えて開催された。中部地区は「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」であり、日本の航空機・部品生産額の約5割、航空機体部品では7割以上を生産している。本シンポジウムでは航空産業で、国際競争の最前線で発展していける技術分野として複合材をテーマに3名の講師に、航空機に複合材がどのように適用されてきたか、また最新の複合材の紹介、これらの保全設計はどのようになされているか、オペレーションズ・リサーチとの関連を踏まえた保全方策について、ご講演をいただいた。

一人目の講演者の伊牟田 守 氏(岐阜県研究開発財団)は、「航空機における複合材料の適用と課題」

二人目の講演者の馬場 俊一 氏(サンワトレーディング株式会社 代表取締役)は、「連続繊維熱可塑材料(CFRTP,GFRTP)の成形法と用途」

三人目の講演者の伊藤 弘道 氏(金城学院大学 消費生活科学研究所)は、「民間航空機の保全や設計に関するORモデル」

一人目の講演者の伊牟田 守 氏(岐阜県研究開発財団)は、航空機用複合素材とは何か、その適用動向について、解説をいただいた。複合材料とは2種以上の素材を人為的に組み合わせて、もとの素材よりも優れた性質または新しい性質をもつように創造された材料である。これは繊維に樹脂を含浸させた半硬化状態の材料形態からオートクレーブという方法(加熱や加圧)を行うことにより成形され、航空機の胴体や主翼に適用される。その性質について、重さは鉄の4分の1、強度は鉄の10倍あり、燃えにくく耐熱性もある。その他、航空機に最適な性質として良好な耐食性(客室内湿度の増加)や高い疲労強度(整備間隔の延長(従来比2倍))があることのことだった。一方、この複合材料の適用拡大のための課題の一つとして信頼性向上が挙げられていた。複合材料は衝撃があった場合、一見、損傷がないようにみえても、内部で損傷していることがあり、目視の点検では困難である。そこで、超音波非破壊検査や光ファイバ等のセンサを神経系として複合材料に埋め込み、自己の健康状態を診断する技術が紹介された。これらの検査について点検間隔や診断間隔などオペレーションズ・リサーチ(OR)との関連を踏まえた保全方策の提案ができるのではと感じた。

二人目の講演者の馬場 俊一 氏(サンワトレーディング株式会社 代表取締役)は、複合材料の具体的な事例について解説された。1番目の講演で解説されたように複合材料とは、繊維に樹脂を含浸させた半硬化状態の材料から成形されるが、そこで使われる樹脂は2種類存在し、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とある。それぞれ製造工程における利点・欠点が存在し、主に前者は成形温度が低く、複雑な成形が可能であるが、成形サイクルが長く、冷凍保管が必要であり、後者は成形サイクルが60秒という短さで、常温で保管できるが、成形温度が高く、複雑な成形には不適であるとのことだった。ここでは主に後者の熱可塑性樹脂を含浸させた繊維材料の成形方法について紹介された。具体的にはダイヤフラム成形、プレス成形、折り紙、Welding、圧縮成形、ハイブリッド成形を図解で分かりやすく紹介され、これらの成形を経て、航空機の胴体のほか、スポーツシューズの裏地、スノーボードや競技自転車など激しいスポーツで使われるヘルメットにも適用されているとのことだった。どの成形方法を適用するかはコストも関係しているようで、例えば、コストを最小にするような成形方法の提案などORの手法による提案ができるのではと感じた。

三人目の講演者の伊藤 弘道 氏(金城学院大学 消費生活科学研究所)は、航空機の予防保全におけるORモデルについて解説された。航空機の部品点数は約300万点になり、これらの部品はエンジンや空気の乱流による振動、離着陸の衝撃による荷重を受け、クラックなどのダメージが発生・成長するため、これらの疲労限度を考慮した予防保全が不可欠である。これらすべての部品の点検と保全を毎回行うことは不可能なため、空港できる操縦系統や動力系統の簡単な点検などの予防保全(Aチェック、Bチェック)、ハブ空港などで航空機機体の一部を分解し、点検する予防保全(Cチェック)、機体を完全に分解してオーバーホールする予防保全(Dチェック)の4種類に分けて予防保全が行われる。この4種類の予防保全方策にオペレーションズ・リサーチの保全方策理論の一つであるImperfect Maintenance Modelを適用し、コストを最小にする4種類の最適な保全時期について解説された。また、運用による収益と航空機の売却益による「利益」と予防保全費用や事後保全費用などの「損失」を考慮した航空機の運用打ち切り方策、さらに機体に発生するクラックや腐食などを検査で見つけ、ある一定レベルを越えた場合に保全する方策についても事例を挙げながら解説された。ORの有用性を感じる講演であった。

今回は様々な分野の専門家が、それぞれの立場で問題点を見つけ、それを解決するための技術について紹介をしていただいたが、他分野の技術を知ることで、新たな問題を見つけ、解決法を探求することの重要性を再認識する講演であった。

ルポ担当:岐阜市立女子短期大学 木村 充位

【10月23日(金)】 OR学会中部支部研究会のお知らせ

OR学会中部支部研究会を以下のように開催いたします. 皆さまのご参加をお待ちしております.

● 日程 :2015年10月23 (金) 14:30~

● 場所 :名古屋大学 東山キャンパス 情報科学研究科棟 322セミナー室

● 講演者,講演題目 :

・14:30~15:20
今堀 慎治 「図形配置問題に対する高性能アルゴリズムの開発」

・15:30~16:20
仁尾 都 「複雑な図形を自由角度でstrip nestingするための物理シミュレーション手法」

 

シンポジウムの申し込み受付の締切を延長しました

9月19日(土)に開催されます中部支部シンポジウムの申し込み受付の締切を以下のように延長しました.

 9月4日(金) → 9月11日(金)

お忘れなく申し込み下さい.
多くの方の申し込みをお待ちしております.

シンポジウムは当日参加も可能ですが,準備の都合上,できるだけ事前申し込みにご協力ください.

シンポジウムについてはこちらをご覧ください.

日本OR学会中部支部