秋季研究発表会が開催されました

2012年9月12日(水),13日(木)にウインクあいちにて日本OR学会秋季研究発表会が開催されました.今回のテーマは「人財マネジメントとOR」で,名古屋工大の中出実行委員長を中心に,中部支部の担当で開催されました.天候も良く,交通の便も良かったためか,2日間にわたって200名を近い参加者が集まり盛会でした.

今回の特別講演は,1日目には山田昭男 氏 (未来工業㈱ 取締役相談役)による「発想と差別化の型破り経営論」,2日目には正高信男 氏 (京都大学 霊長類研究所教授)による「人間にとって障害とは何か」でした.
   

例年通り2日間にわたって通常セッションと企業事例報告を含む特別セッションとが並列に置かれ,発表者とフロアの皆さんの情報交流がさかんに行われていました.
   

また,1日目の夜にはウインクあいちの別会場に移動して懇親会が開かれました.
   

最後に,研究発表会に先だって行われた,シンポジウム(2012年9月11日(火)開催)についてご報告します.会場は南山大学のフラッテンホールをお借りしました.

テーマは「現場と理論の対話」で,南山大学の鈴木実行委員長による開会の挨拶からはじまり,講演は3名の講師の方による,理論・現場・ソフトウエアの三位一体の構成でした.

  

最後の約1時間は,名古屋工大の大鑄先生を司会してのパネルディスカッションに費やしました.このような試みは大変興味深いと感じられました.

講演者の皆様,参加者の皆様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます.
実行委員会

第9回日本OR 学会中部支部シンポジウムを6月30日に開催します

2012年度第9回日本OR学会中部支部シンポジウムを以下のように開催いたします.
多数のご参加をお待ちしております.

第9回日本OR学会中部支部シンポジウム
「最新データ・サイエンスの動向」

日時
2012年6月30日(土) 13:30~17:30

場所
名城大学名駅サテライト(名古屋駅前桜通ビル13F)
〒450-0002愛知県名古屋市中村区名駅3-26-8(TEL: 052-551-1666)

シンポジウム趣旨
 POS(Point of Sales)データ、Webデータ等に代表される大規模データの解析による成果は、ORの研究活動においても理論面ならびに実務面でも多く報告されています。また、実務データを学生の研究資料とすることにより、大学・大学院における研究インセンティブが向上し、学生の研究の取り組み、企業からの研究成果に対する注目も集まってきています。今回のシンポジウムでは、OR学会の研究部会を含む組織である経営科学系連合協議会主催のデータ解析コンペティションのまとめ役の一人である生田目先生(専修大学)をはじめ、企業データの解析を専門とする研究者4名に最近の企業データの分析手法を事例を交えた形で、実務家やこれからORを習得しようとする学生の皆さんに、わかりやすく解説してもらいます。

予定プログラム
13:30-13:35 開会の挨拶 OR学会中部支部研究幹事 石垣智徳(南山大学)
13:35-14:25 「マーケティング分野のモデル分析に関して」
      生田目崇(専修大学)
14:35-15:25 「Webコミュニケーション・データ のマーケティングへの活用」
      鶴見裕之*(横浜国立大学)、中山厚穂(首都大学東京)、増田純也(立教大学大学院)
15:35-16:25 「ビジネスデータにおけるパタンを利用した分類モデルの適用」
      森田裕之(大阪府立大学)
16:35-17:25 「テキストマイニングによる市場センチメントの測定と株価予測」
      羽室行信(関西学院大学)
17:25-17:30 閉会の挨拶 OR学会中部支部支部長 中出康一(名古屋工業大学)

参加費(当日払い)
一般1,000円(ただし学生は無料).

懇親会
木曽路名駅IMAIビル店にてシンポジウム終了後の懇親会を計画しています(予定会費 6,000円).
懇親会に参加される方は,会場予約の都合上,下記の事前申し込みにてその旨をご連絡下さい.皆さん多数のご参加をお待ちしております.

申し込み方法
シンポジウムは当日参加も可能ですが、席数に限りがございますのでできるだけ、事前申込にご協力ください。事前申込は、こくちーずから必要情報(氏名、メールアドレス、所属(学生の場合は大学と学年を明記)、懇親会への参加の有無等)を入力して下さい。申込期日は6月16日(土)です。尚、懇親会参加希望の方は必ず事前申込をお願いいたします。

後援・協賛団体等
主催:日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部
協賛:日本経営工学会中部支部、経営情報学会、情報処理学会東海支部、人工知能学会、 
    日本マーケティング・サイエンス学会、日本商業学会、日本消費者行動研究学会、
    日本品質管理学会中部支部、中部品質管理協会
後援:中部産業連盟

問い合わせ先など
メールでのお問い合わせ先:OR中部支部研究幹事
南山大学ビジネス研究科 石垣智徳(ishigaki[at]nanzan-u.ac.jp)

支部特別講演および支部研究発表会(2011)報告

2012年3月10日(土)に中部品質管理協会第1研修室にて,支部特別講演および支部研究発表会が開催されました.

まず13:45から14件の研究発表が行われました.今回は新しい企画として,学生対象で優秀な発表に対して表彰(シグマフィールド賞)を行うことにしました.すべての発表が終わった後,中部支部に所属する審査員による投票によって最優秀賞および優秀賞を決定することとしました.

結果発表の前に,支部特別講演会を催しました.今回は名古屋大学大学院情報科学研究科の神保 雅一先生に「組合せデザインの情報通信への応用」というタイトルでご講演いただきました.組合せデザインは,実験計画法にその応用が見出されてから数十年が経過していますが,その間,符号理論との関係,暗号への応用とその適用範囲が広がり,最近では多元接続通信のための新たな組合せ構造の研究や,量子符号との関係も研究が進んできています.ご講演では,このような歴史的背景や,組合せデザインと情報通信の関係について身近な例を交えつつ分かりやすく解説してくださいました.
オペレーションズ・リサーチに関連する基礎理論とその応用について非常に興味深いお話を聞くことができ,有意義な時間を過ごすことができました.
 
そして,最後に優秀発表に対する表彰式が行われ,最優秀賞は山﨑 洋祐(名古屋大学)さんらの「排他制約付きナップサック問題に対する解法」,優秀賞は森 翔太郎(豊橋科学技術大学)さんらの「日本プロ野球を対象とした総移動コスト最小化試合スケジュール作成手法の検討」でした.なお山﨑さんには,シグマフィールド社よりOR学会年会費相当分の副賞がプレゼントされました.

 
 山﨑さんと指導教員の柳浦先生        優秀賞受賞の森さん

支部講演会(2011)報告

2011年度の支部講演会が12月10日(土) 14:30-16:45に中部品質管理協会にて開催されました.近年の支部講演会は学会内外で長年活躍されてきた方々をお呼びしてお話をしていただく企画で,今回は以下の2件のご講演が行われました.

1件目は,尾崎 俊治先生 (南山大学)による「信頼性研究について」.先生の40年余に亘る広島大学および南山大学での研究活動について,お話をしていただきました.

2件目は,小和田 正先生 (名古屋工業大学名誉教授,OR学会フェロー)による「数学は何を研究する学問でしょうか」.これまでの数学の研究からいくつかの興味深いトピックスをお話ししていただきました.
 
講演会終了後,支部忘年会がパーゴラ@名古屋マリオットアソシアホテルにて開催されました.参加者の皆様お疲れさまでした.

第8回日本OR学会中部支部シンポジウム ルポ

  2011年9月9日13時30分より、WINC愛知(愛知県産業労働センター)15階の愛知県立大学サテライトキャンパスにて、第8回日本OR学会中部支部シンポジウムが「身近にあるスケジューリング問題」というテーマで開催されました。会場には臨時の椅子を増やすなど大変な盛況でした。シンポジウムはこの分野の最先端でご活躍される4人の先生方からご講演をいただけました。

  国立情報学研究所の宇野毅明先生からは「最適をめざさない最適化:勤務表作成にて」というテーマで、これからの研究の方向性の一つとして有効となるであろう、小規模なビジネスモデルに対するORと、その一つの事例である勤務表作成支援システムについてご紹介をいただけました。
  成蹊大学の池上敦子先生からは宇野先生のお話とリンクする形で、多くの訪問介護ステーションで必要とされる勤務計画を立案できる「訪問介護勤務スケジュール作成支援システムの構築」についてお話をいただきました。これはWeb上から誰でも利用できる完成度の高いものでした。
  名古屋大学の柳浦睦憲先生からは、「リアルタイムシステムのタスクスケジューリングにおける最適化」というテーマで、カーナビや家電製品など我々の身の回りにある多くの電化製品などで必要とされるコンピュータのタスクスケジューリングの最適問題について新しい研究を含めお話いただけました。
  京都情報大学院大学の茨木俊秀先生からは、「汎用スケジューリング・ソルバの試み」のテーマでご講演をいただけました。これは先生が中心となって長年研究され大きな成果を上げてこられた研究の一つですが、多くのスケジューリング問題を一気に実用的かつ身近なものとした研究であると改めて実感できるお話でした。

  シンポジウムは教員、実務家、学生など多くのOR研究者が集い、短い時間でしたが大変有意義な意見交換ができ、ORの研究と普及に大いに貢献ができたものではなかったかと思いました。
(実行委員会)

支部研究会(2011)報告

南山大学 オープンリサーチセンター 「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」(代表者 伏見正則南山大学客員教授)と共催で,2011年度の支部研究会が6月18日(土)12:45~17:50に,南山大学名古屋キャンパスR棟1階フラッテンホールにて開催されました.

震災のため中止となった春季大会で発表する予定であった特別セッションでの発表を軸に13件の発表が行われ活発な意見交換がなされました.

第8回日本OR 学会中部支部シンポジウムを9月9日に開催します

ポスター2011年度第8回日本OR学会中部支部シンポジウムを以下のように開催いたします.
多数のご参加をお待ちしております.

ポスターを用意しました.掲示・配布等,広報にご協力いただければ幸いです.→
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第8回日本OR学会中部支部シンポジウム
「身近にあるスケジューリング問題」

日時
2011年9月9日(金) 13:30~17:30

場所
WINC AICHI(名古屋駅前)15F(愛知県立大学サテライトキャンパス)
   〒450-0002愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4-38(TEL: 052-571-6131)
   http://www.winc-aichi.jp/ 
   (JR名古屋駅桜通口からミッドランドスクエア方面 徒歩5分)

シンポジウム趣旨
ORにおけるスケジューリング問題はショップスケジューリングなどの生産
計画が有名ですが,今回のシンポジウムで取り上げる問題は,タイムテーブ
ルやシフト計画の作成など,実務家の方々にとって,より身近にあるスケジ
ューリング問題です.これら問題は,現状の解決手段が手作業である場合も
少なくないため,多くの計画作成者にとって自動化が望まれている問題の一
つになっています.一方,近年コンピュータの低価格や処理能力の向上,多
くのOR研究の成果などから低コストで実用的な解を得られるツールも整いつ
つあります.このような状況を紹介するために,現在この分野の最前線で活
躍しておられる4名の研究者の方に,最新の研究成果や事例等について報告
していただく予定です.

予定プログラム
13:30~13:35
 開会挨拶 OR中部支部研究幹事 堀尾正典(名古屋学芸大学)
13:35~14:25
 「最適をめざさない最適化:勤務表作成にて」宇野毅明(国立情報学研究所)
14:35~15:25
 「訪問介護勤務スケジュール作成支援システムの構築」池上敦子(成蹊大学)
15:35~16:25
 「リアルタイムシステムのタスクスケジューリングにおける最適化」
  柳浦睦憲(名古屋大学)
16:35~17:25
 「汎用スケジューリング・ソルバの試み」茨木俊秀(京都情報大学院大学)
17:25~17:30
 閉会挨拶 OR中部支部支部長 鈴木敦夫(南山大学)

参加費(当日払い)
一般1,000円(ただし学生は無料).

懇親会
木曽路名駅IMAIビル店
( http://www.kisoji.co.jp/kisoji/navi/shop_detail.asp?ShopNo=237 )
にてシンポジウム終了後の懇親会を計画しています(予定会費 6,000円).
懇親会に参加される方は,会場予約の都合上,下記の事前申し込みにてその
旨をご連絡下さい.皆さん多数のご参加をお待ちしております.

申し込み方法
シンポジウムは当日参加も可能ですが,準備の都合上できるだけ事前申し込
みにご協力下さい.事前申し込みの方法は,電子メールにて,
 件名を「日本OR学会中部支部シンポジウム2011」
 本文に氏名,所属,連絡先,身分(学生の場合は学年を明記)
 懇親会への参加の有無
を明記して,yasuda[at]cjqca.com宛にお申し込み下さい.
申込期日は8月26日(金)です.
なお,懇親会参加希望の方は必ず事前申し込みをお願いします.

後援・協賛団体等
主催:日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部
協賛:機械学会東海支部,情報処理学会東海支部,スケジューリング学会,
  中部品質管理協会,電子情報通信学会東海支部,日本経営工学会中部支部,
  日本品質管理学会中部支部
後援:中部産業連盟

問い合わせ先など
メールでのお問い合わせ先:OR中部支部研究幹事
名古屋学芸大学 堀尾正典( horio[at]nuas.ac.jp)

2010年度特別講演報告

3月5日13時半より中部支部では,研究発表会に先立ちまして,本告光男先生の特別講演「今,話しておきたいこと ―台風防災ゲームをめぐって―」を開催しましたので報告します.

ご講演では,中部電力での防災管理に関しまして,伊勢湾台風を契機に実際的な防災訓練が必要であると考えるようになったこと,そのために「台風ゲーム」と名づけたゲーミング的台風防災訓練を提案し実行したこと,これによってこれまでの防災訓練より実質的で効果的な訓練が実施できたということをお話していただきました.

この台風ゲームを具体的に説明しますと,ゲーム参加者を2チームに分けて,まず審判が台風情報を各チームに伝えた後,それそれのチームは別途あらかじめ研究しておいた対応パターンから3つのモデル(下図参照)を作成して推定したものを審判に報告する.最終的には反省会にて,そのモデルの妥当性や効果を考察するというもので,本番さながらの真剣な行動をとることが求められました.

<参考イメージ>
    →     情報(仮想台風)       → 
審判                            各チーム
    ←  報告(台風・被害・復旧モデル) ←

最後に先生が言われた,
「時代が変わっても,実際に参考になるのではないでしょうか? 現実社会ではORの分野で役に立っているのはこんな泥臭い話ではないでしょうか?」
と言う言葉は心に残るものでした.
確かに,昨今の組織・会社のミスや不備というものは,ゲーム(的な準備)であらかじめ対処しておけば,いい知恵が出るのではないかということを教えていただきました.

 本告先生

その後,支部研究発表会が催されました.発表は昨年度より増えて,全部で16件でした.

 研究発表会

中部ORサロン報告

2011年1月27日(木)午後1時半より中部ORサロンが開催されました.
今回の会場はウインクあいち(愛知県産業労働センター)15階の愛知県立大学サテライトキャンパスをお借りすることができました.

コーディネータの高井 英造氏((株)フレームワークス)のご挨拶のあと,1件目に南山大学の鈴木 敦夫教授から「ホームセンターのサービス・イノベーション ―最適品揃えとシフト自動作成―」を,2件目に(株)ジェネックスパートナーズの高橋 勇人氏から「顧客満足と成長率1位の秘密 ―回転寿司「スシロー」のサービス・イノベーション―」をレクチャーしていただきました.

聴衆鈴木先生の講演では,ホームセンターでの商品陳列,従業員シフト作成における問題をいかに解決していったかを,高橋氏の講演では,スシローがいかに同業者と異なる戦略で業界1位になったかをどちらも約1時間にわたってたっぷり話していただけました.さらにそれぞれのあとに,30分ほどをかけての意見交換の時間がとられました.
いずれのお話も東京地区で行われたORサロンのアンコール講演ではありましたが,高井氏によると初回よりも盛況で活発な意見交換が行われたとのことで,中部地区の参加者の『ORの実践』への関心の高さが感じられました.

今後もこのようなイベントが開催されることが望まれると感じました.
   (文:広報幹事)

鈴木せんせい 鈴木先生

高橋氏 高橋氏

2010年12月11日(土)の日本OR学会中部支部講演会の報告

開催日時: 2010年12月11日(土)14時30分〜16時40分
場所: 中部品質管理協会

去る平成22年12月11日(土)に支部講演会が開催され、今年度をもって現職を退職される愛知工業大学の大野勝久先生と名古屋工業大学の田村隆善先生にご講演頂きました。先生方からは、これまでの研究遍歴や最新の研究成果だけではなく、研究者としての心構えについてもお話し頂き、特に若手・中堅の研究者にとって、研究生活を続けていく上でのよきアドバイスとなりました。


題目:  さすらいの研究遍歴
講演者: 大野 勝久先生 ( 愛知工業大学 )sIMGP8808
講演概要: 「研究放浪記」と題する講演資料に沿って、先生の40年以上にわたる研究遍歴について思い出話を交えてお話いただきました。大野先生は、大学院終了後、企業へ就職されましたが、その後研究者としての道を歩まれることになり、以来、交通に関する研究、不確実性のある最適化問題、生産・物流システムへの適用など幅広い分野の研究に携わってこられました。最後に、研究持続の心構えとして貴重なお言葉を頂きました。面白いと思ったことを続けていくことが重要で、とことんつきつめてひらめくと面白さがわかることを信じて研究を楽しむ余裕を持つことが必要であるとのことでした。

題目:  混合品種ラインへの製品投入順序付け問題
講演者: 田村 隆善先生 ( 名古屋工業大学 )sIMGP8821
講演概要: 田村先生の研究歴のご紹介に続いて、混合品種ラインへの製品投入順序付け問題に対する最新の研究成果についてご報告頂きました。この問題において従来から使われてきた負荷平準化や過負荷最小化といった評価尺度は、ライン停止時間との相関がそれほど高くないという問題点を指摘され、新しい評価尺度の導入による改善についてご報告頂きました。最後に、よい研究者になるには、基礎学力を養うこと、専門性の追求、議論できる研究仲間が必要であり、やはり、何より研究を楽しむことが重要であるとのことでした。

sIMGP8810