1975年に第7回IFORS国際会議を東京・京都で開催するという機会にあわせて初版の「OR事典」が編纂された.編集委員長は北川敏男先生であった.当時の会長であった森口繁一先生はすべてのゲラ刷り原稿を隅から隅まで目を通し,原稿の著者に直接電話で内容について問い合わせながら手を加えるという大変な作業をされたことを思い出す.
その森口先生が「10年後には改訂版を」と言われた.われわれはその言葉が頭の片隅に残っていて,事あるごとに事典改訂の話題を口にしたのであるが,その大事業が40周年記念事業の目玉としてようやく実現の運びとなった.
初版の「OR事典」には相当なページをさいて「資料編」が書かれた.担当したのは川瀬武志さん(慶應大)であった.ご自分の研究室の学生を総動員して調査をさせ,お独りですべてを書いたものである.昔は川瀬さんのような剛の者がOR学会には大勢いたのである.当時はOR関連の図書も限られたものしかなかったし,企業へのOR導入・普及に対する期待も大きく,また,大学におけるOR教育の拡大にも力が注がれていた時代であった.そのような時代の要請をうけていろいろな資料が集められ執筆されたのである. |