第307回部会 (2月4日) の開催案内
第307回 「待ち行列研究部会」
日時:令和5年2月4日 14:00~17:00
場所:ハイブリッド (オンライン&早稲田大学西早稲田キャンパス63号館1F 数学応数会議室)
※新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては完全オンライン開催に移行します.
■ 対面参加の方へ:
対面会場にお越しになる方は,以下の事項 (「早稲田大学 講堂等施設の利用にあたっての注意事項」からの抜粋) へのご協力をお願いいたします.
○ 体調管理、手洗い・手指消毒などの基本的な感染予防対策を講じること
○ 特段の事情がない限り不織布マスクを着用すること
○ 参加者は自宅で検温を行い、発熱等の症状がある、または体調がすぐれない場合は参加しないこと
○ 講堂内での飲食は禁止
○ ごみは各自持ち帰ること
■ オンライン参加の方へ:
オンラインで参加される方は,以下の URL より参加登録をお願いいたします.
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZEpcu2grDIjH9CvcfTPPvFPVh15RhTXaxZ9
講師とテーマ
1.清水 泰隆(早稲田大学 理工学術院)
レヴィ保険リスクモデルにおける破産確率の区間推定問題
ジャンプが負の(spectrally negative)レヴィ過程に対してある閾値をアンダーシュートする確率を考える.
このような問題は,例えば,企業の信用リスク解析や保険サープラスの破産確率評価などの問題に置き換えられ,
ファイナンスや保険数理において深く研究されてきたが,これらの統計的側面については実はあまり研究されていない.
本講演では,レヴィ過程を基にした保険サープラスに対する破産確率評価の漸近理論について復習し,
破産確率の区間推定について議論する.信頼区間構成の鍵は,破産確率とそのパラメータ微分に対する再生型方程式と
Key Renewal Theoremの拡張である.最後に,シミュレーションによって構成した信頼区間の数値的評価を行いたい.
2.Nguyen Quoc Hung(筑波大学),Phung-Duc Tuan (筑波大学,講演者)
エージェントの戦略的な行動を考慮したDouble-Ended Queuesの解析
タクシーやモビリティシェアリングのシステムは需要と供給から構成される簡易型市場である.これらのシステムにおいては、需要(乗車客など)と供給(タクシーなど)がともにランダムに到着し,マッチングを行って,システムから離脱する.このようなシステム(Double-Ended Queuesと呼ぶ)の最適な設計を行うためには,需要と供給(エージェント)の戦略的な挙動を理解することが重要であるが,該当システムを記述する確率過程は多次元となり,解析が難しい.本講演では需要と供給の片方もしくは両方が戦略的である場合について,ゲーム理論的な解析結果を紹介するとともに,今後の展望を述べる.