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- 日時:2020年 2月 15日(土)13:30 — 16:45
- 会場:筑波大学 東京キャンパス 1F 118室 [Access]
- 講演1(13:30 — 15:00)
- 講演者 :大塚 章弘 氏(横浜市立大学)
- 講演題目:地域経済システムと地域間ネットワーク
- 講演概要:日本では経済活動の首都圏への一極集中が加速している。集積の経済の理論に従うならば,首都圏への経済活動の集中は首都圏の収穫逓増を強化し,地域間格差を拡大させるはずである。しかしながら,地域間格差は観察されず,長期的には縮小している。日本が経験している現在の現象は,伝統的な集積の理論では説明できない。本稿では,このパラドクスを考えるステップとして,1990年以降の地域経済システムと地域間格差の関係を分析する。分析の結果,社会インフラ投資に伴う地域間ネットワークの改善が,地方の経済力を強化し,地方の大都市地域へのキャッチアップを可能にしていることが明らかとなった。特に,本稿では,この地域間ネットワークの効果を「借用規模」の考え方をもとに確率フロンティア分析を行い,地域間格差縮小への寄与を明らかにしている。さらに,本稿では産業構造と財政移転も地域間格差の縮小に寄与したことも明らかにしている。本稿の結果は,社会インフラ,産業構造,財政移転といった経済政策によって,経済成長と地域間格差縮小が両立できる可能性があることを示唆している。
- 講演2(15:15 — 16:45)
- 講演者 :鵜飼 孝盛 氏(防衛大学校)
- 講演題目:住民の多数決を前提とした施設配置の評価
- 講演概要:施設立地を数理的に扱う研究においては,通常,地域に分布する住民から立地場所までの距離の総和や,その最大となる距離に注目することが多い.ここでは,住民の分布を所与とした上で,適当な位置を立地場所の候補とした時,他のあらゆる位置に対立する候補を想定して,一対一での多数決を想定した際に,対象とする候補地が過半の支持を得る確率によって,配置場所を評価することを考える.このとき評価値が最大となる,すなわち最も選ばれやすい地点の特徴や,いわゆるコンドルセ勝者が存在するような住民の分布の仕方を紹介する.