第82回 研究会

  • 日時:2018年 12月 15日(土)11:00 — 15:00 (10:30頃開場)
  • 会場:筑波大学 東京キャンパス 5F 556室 [Access]
  • 講演1(11:00 — 12:20)
    • 講演者 :濱田 賢吾 氏(慶應義塾大学)
    • 講演題目:対戦型競技における圧勝確率と逆転確率の数理モデル
    • 講演概要:スポーツを評価するための数理的分析において,着目チームの勝利確率を求める問題やチームの強さを定量化する問題などには多くの蓄積が存在する.一方で,試合の経過に伴って両チームの得点がどのような順番で入るか(得点順序)も試合を評価する上で重要な意味を持つが,この種の分析は十分に行われていないようである.例えば,着目チームが対戦チームに3対1で勝利するという結果において,1点先制された後に3点取って逆転したというケースと3点先制した後に1点取られてしまったというケースでは全く意味が異なる.そこで本講演では,着目チームが試合中常に一定水準以上のリードを保って勝利する確率(圧勝確率)など,得点順序に着目したいくつかの数理モデルを,格子経路数数え上げ問題(Lattice path enumeration problems)に基づいて定式化する.なお,本研究は田中健一氏(慶應義塾大学)との共同研究である.
  • 講演2(14:00 — 15:00)
    • 講演者 :松井 知己 氏(東京工業大学)
    • 講演題目:モンテカルロ法を用いた投票力指数の計算
    • 講演概要:重みつき多数決ゲームは、投票者がそれぞれ何票かの票を持ち、その多数決によって決定が行なわれる協力ゲームである。重み付き多数決ゲームを含む一般の投票ゲームに対し、投票者の影響力を捉える投票力指数としてShapley-Shubik 指数(S-S指数)が提案されている。計算複雑性の観点からは、S-S指数は計算が困難であり、様々な計算法が提案されている。本研究では、S-S指数を計算するモンテカルロ法の提案を行う。提案手法では、単純なモンテカルロ法に比べ、少ないサンプル数で質の良い値が得られることを、理論的に保証することができる。本発表は、潮田優斗(東京工業大学)、田中雅人(東京工業大学)との共同研究に基づいている。

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