日本OR学会中部支部ニュース 平成13年度 第6回

中部支部幹事会,運営委員会,総会,研究発表会,懇親会のご案内.

 平成14年3月9日(土)に上記会合が開催されます.運営委員の方々には,別途郵送でご案内を差し上げます.
 支部総会は,一年間の支部活動を決定する重要な会議です.支部会員の方々におかれましては,ふるってご参加いただきたくよろしくお願いいたします.

中部支部幹事会

平成14年3月9日(土) 11時00分-11時50分
中部品質管理協会 (第2豊田ビル西館)

中部支部運営委員会

平成14年3月9日(土) 12時00分-13時00分
中部品質管理協会(第2豊田ビル西館)

20002年度 中部支部総会

平成14年3月9日(土) 13時20分-14時20分
中部品質管理協会(第2豊田ビル西館)

第28回中部支部研究発表会

平成14年3月9日(土) 14時30分-17時30分
中部品質管理協会(第2豊田ビル西館)

懇親会
平成14年3月9日(土) 夕刻
場所は未定です
 懇親会の詳細は決まっていませんが,参加される方は,下記当ご連絡下さい.
中村 正治 e-mail PFA00744[at]nifty.ne.jp FAX 0594-46-8053

 中部品質管理協会の住所:
〒450-0002 名古屋市中村区名駅四丁目10番27号 第2豊田ビル西館
Tel:052-581-9841(代)

第29回中部支部研究発表会プログラム

 第29回支部研究発表会を開催致します.中部支部会員の方々にはふるってご参加,御議論いただきたくよろしくお願い申し上げます.

 日時:平成14年3月9日(土),14時30分-17時30分
 場所:中部品質管理協会(第2豊田ビル西館)研修室

 プログラム:
 第1セッション(14:30-15:30)

1.「画素選択順を考慮した画像2値化アルゴリズムの研究」
阿部孝希,永持仁(豊橋技術科学大学)

2.「多目的最適化を用いた部品の共通化に関する研究」
近藤裕之(名古屋工業大学)

3.「東海三県大型小売店舗の商圏解析に関する研究」
荒内慎,土川功介,杉浦里実,鈴木佐知子(南山大学)

=休憩(10分)

 第2セッション(15:40-16:40)

4.「生産システムの最適運用に関する研究」
殷俊平(名古屋工業大学)

5.「A Faster 2-Approximation Algorithm for the Minmax p-Traveling Salesmen Problem on a Tree」
岡田耕平,永持仁(豊橋技術科学大学)

6.「2段階チェックポイントの最適回復方策」
梅村静香,中川覃夫(愛知工業大学)

=休憩(10分)

 第3セッション(16:50-17:30)

7.「愛知県の農家における作付計画の最適化」
板倉範和,阿部大助,本多里江子,三田裕子(南山大学)

8.「Constructing a Cactus for Minimum Cuts of a Graph in $O(mn+n^2\log{n})$ Time and $O(m)$ Space」
中村秀司,石井利昌,永持仁(豊橋技術科学大学)

報告

 2002年1月24日(木),名古屋工業大学F3講義室において本年度最後の支部研究会が行われた.発表は2件あり,出席者は,講師の先生方を含め,22名であった.

 最初の講演は南山大学数理情報学部数理科学科の鳥居達生先生によります「数値計算におけるill-posed problem と呼ばれる問題について」でした.
 先生の取り組まれている問題は逆問題と呼ばれているものであり,観測結果から原因を推測する問題のことで,例えば物体に音波や電磁波をあててその散乱特性から物体の形を知ることや,ボケ画像から鮮明な画像を復元することなどに見られる問題だそうです.
 今回は(過剰条件)連立1次方程式の(最小自乗)解を数値的に求める場合,とくに問題が解きにくい(ill-posedである)場合いかに効率よく求めるかという観点からの発表でした.
 先生は計算手順が煩雑な特異値分解に基づく方法よりも列変換QR分解を用いる方が解法の単純性,安定性,計算量の観点から優れているという結果を報告されました.先生の研究は現在の計算機の発達を考えると非常に実用的であり,先生の言葉をお借りしますとアナログのデジタル攻略,連続の離散近似などの重要なキーワードと結びつく古くて新しいものであると感じました.

 続いての講演は,株式会社オークローンマーケティングのショップジャパン事業部長であるラルフ・ラスバーン氏による,Optimizing systems for direct marketing.通販事業の特徴やそこに潜んでいる様々な課題を中心に話された. 日本の通販市場は約23兆円であり,各事業者はテレビ,ラジオ,新聞広告,カタログ,インターネット等の様々な媒体を利用し,健康食品,日用雑貨,宝飾品等の様々な商品を扱っている.氏のショップジャパンも同様であるが,扱う商品のほとんどが輸入品であり,会員制をとることで顧客の定着を狙っている.
 今回は主にテレビによる通販事業についての話であった.新聞広告やカタログと違い,テレビは即座に顧客からの反応が入る.ここが面白いところであると言う.ショップジャパンは全国160余局と契約して放映しているが,局ごとに受注用電話番号を変え,局ごと,放映時間ごと,商品ごとに細かく受注データを取っている.一体,どの素材をいつどの局で流せば利益が最大になるのか.現在はROASという指標に基づいて決めて放映スケジュールを組んでいるが,さらに質的量的に合理的な指針を求めているとのことである.他にも,注文主に電話口で関連商品を提案して追加注文を促すアップセルについて,どのような商品に対しどのような商品を,どのようなスクリプトで,どのような順序で話せばよいのか.コールセンターにはいつ何人のコミュニケーターを配すればよいのか,等の疑問があり,以上3点が,現在,取り急ぎ解決したい課題とのことである.
 講演自体は30分程であったが,その後,氏自らが司会をされて,非常に活発な議論がなされた.商品選択のこと,インターネット通販の将来性,在庫問題等,講演で抱いた疑問に対し,分かりやすくお答え頂いた.
 なお,オークローンマーケティングでは現在,主に先述した3課題の解決のため,氏直属のアナリストを募集しているとのことである.自薦他薦を問わず,適任者をご存知ならば,是非,氏にアプローチしてみてはいかがだろうか.

日本OR学会中部支部 事務局
名古屋工業大学生産システム工学科内
大鋳 史男
〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町
TEL 052-735-5393
FAX 052-725-5401
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