日本OR学会中部支部ニュース 平成13年度 第5回

幹事会及び運営委員会のお知らせ

 幹事会及び運営委員会を平成14年3月9日(土)に中部品質管理協会で開催致します.時間は追って決まり次第お知らせ致しますが,幹事及び運営委員の方々にはよろしくお願い申し上げます.

2002年度支部総会開催のお知らせ

 2002年度支部総会を平成14年3月9日(土)に中部品質管理協会で開催致します.時間は追って決まり次第お知らせ致しますが,ふるってご参加いただきたくよろしくお願い申し上げます.

第29回中部支部研究発表会論文募集のお知らせ

 第29回支部研究発表会を平成14年3月9日(土)に中部品質管理協会において開催します.発表にご協力の程よろしくお願い致します.なお,発表申し込みの締切り日と,論文原稿の締切り日とが異なりますのでご注意下さい.

 申し込み方法:発表題目,発表者名,発表者の所属をFAXかEメールで連絡下さい.
 申し込み先: 〒470-0296 愛知県西加茂郡三好町黒笹370 愛知大学経営学部 斉藤毅
        TEL:05613-6-1111(代) FAX:05613-6-5553 
        e-mail: tsaito[at]vega.aichi-u.ac.jp

 申し込み締切:平成14年2月13日(水)
 発表時間:  質疑応答を含め,20分程度を予定しています.
 発表を申し込まれた方は,下記の要領で論文を作成し上記申し込み先まで送付して下さい.
 記載事項他: 原稿はA4サイズ,天地左右のマージン各20mm以上,4ページ.題名の後に,氏名,大学,学部,学科,住所,Eメールアドレスを記載してください.
 原稿締切:  平成14年2月20日(水)
 原稿送付先: 〒470-0296 愛知県西加茂郡三好町黒笹370 愛知大学経営学部 斉藤毅

 ご質問等ございましたら,上記申し込み先にお問い合わせ下さい.

研究会,講演会のお知らせ

第3回中部支部研究会のお知らせ

 日時:   平成14年 1月24日(木),午後5時-7時
 場所:   名古屋工業大学 2号館3階F3教室

 講演者1:鳥居達生(南山大学数理情報学部数理科学科)
 講演題目:数値計算におけるill-posed problem と呼ばれる問題について 講演内容:観測結果から原因を推測する問題は逆問題と呼ばれています.たとえば,物体に音波や電磁波をあてて,その散乱特性から物体の形を知ること、ボケ画像から鮮明な画像を復元することなどです.これらの問題は,通常微分方程式,積分方程式として定式化されます.微積分を離散化(主として数値積分)によって,微積分方程式は大次元の連立代数方程式に変換され,大部分は連立1次方程式を解くことに帰着されます.逆問題では,悪条件問題(ill-posed)がよく現れます.これらの問題は,本質的には,ベクトル系の一次独立性に関することです.一般論はともかくとして問題の特殊性(行列の特殊の型)と数値計算上の算法の安定性を考慮すると古くて新しい問題です.筆者は,最近は,2つの多項式の近似GCDや関数の有理関数近似,多項式の因数分解の基礎となる道具(多項式剰余列の生成法)に関心をもっています.ここでは,テプリッツ行列の分解と階数の判定を安定な算法で効率的に行うことが課題です.

 講演者2:ラルフ・ラスバーン(オークローンマーケティング社ショップジャパン
事業部部長)
 講演題目:Optimizing Systems for Direct Marketing
 講演内容:Direct marketing in highly competitive markets requires careful analysis of multiple factors to determine the optimal functioning of multiple interrelated systems. These systems encompass product, promotion and order-taking. Product systems include product ordering, warehousing, and shipping. The promotional system involves the scheduling of TV advertising. The order taking system includes the 24-hour scheduling of telephone communicators, similar to the Nurse Scheduling problem. All these sub-systems must interact to generate the greatest possible profit using the most efficient means possible. Can OR help us optimize within each subsystem and in the interactions that constitute the superordinate system.

共催研究会のご案内

「第12回東海ファジィ研究会(愛称:蒲研(がまけん))」のお知らせ

 日本ファジィ学会東海支部の恒例行事「東海ファジィ研究会(蒲研)」を下記要領にて開催します.会場を蒲郡に固定して定着をはかった企画も10回目を迎えます. 本年度は,蒲郡市に隣接する幡豆郡の三ヶ根山頂が会場となっております.有料道路三ケ根スカイラインの近くにあり,交通が不便ですが,見晴しは抜群で知多半島,渥美半島,三河湾が一望できます.JR三ヶ根駅から,ホテルの送迎バスが出る予定です

 先生方の研究発表と学生の卒論発表が混在する,気楽な1泊研究会です.また今年度は,チュートリアル講演として,学生向けのやさしいファジィ講演も開催されます.各支部・研究会の協賛をいただいて,全国からお集りいただけるように準備を進めております.ゼミ合宿には最適です.多数のみなさまのご参加をお願い申し上げます.

■主 催:日本ファジィ学会東海支部

■後 援(予定):蒲郡市

■協賛(予定):日本ファジィ学会各支部・各研究会,日本経営システム学会,日本経営工学会中部支部,日本OR学会中部支部,教育情報システム学会中部支部,コンピュータ応用技術協会

■日 時:2000年2月15日(金)午前10時~16日(土)午後13時終了予定

■場 所:グリーンホテル三ケ根

〒444-0701 愛知県幡豆郡幡豆町三ケ根温泉
TEL 0563-62-4111, FAX 0563-62-4672
http://www.showacs.co.jp/sangane3/

■交 通:

 電車の場合,JR三ケ根駅までお越しください.2月15日(金)は午前9時30分と午後12時30分に,2月16日(土)は午前9時30分に,ホテルからJR三ケ根駅に送迎バスがお迎えします.

 自家用車の場合,東京方面から「東名音羽蒲郡IC → オレンジロード → 蒲郡市内→ 三ケ根スカイライン(有料) → 会場」となります.名古屋方面からは「岡崎市内→ 国道248号線 → 三ケ根駅付近 → 三ケ根スカイライン(有料) → 会場」,または「国道23号線 → 国道247号線 → 幡豆町,子供の国入り口 → 会場」などの様々なル-トがあります.詳細は,東海支部ホ-ムペ-ジでご確認ください.

 なお,めったに降りませんが,万一,雪の場合は,山の下のホテル指定の駐車場に駐車してください.当日,ホテルに連絡くださればバスがお迎えします.

■行事内容:

特別講演:愛知工業大学電子工学科江口一彦氏

「VLSI設計自動化におけるソフトコンピューティング応用可能性について-ファジィ
推論と遺伝的アルゴリズムによるフロアプラン自動化の試み-」
チュートリアル講演:名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科磯本征雄氏
「教育工学と情報技術-教え込み教育と創造性教育のモデル化-」

15日午前:一般講演
15日午後:チュートリアル講演,一般講演
15日 夕:懇親会
16日午前:特別講演,一般講演

■発表申込:2002年1月30日(水)までに,題目,著者名,所属,発表者名,連絡先住所,電話番号,FAX番号,E-mailアドレスを,下記申込先へ,E-mailまたはFAXにてお送りください.ご参加のみ,ご家族同伴も歓迎いたします.

■講演論文:書式や必要部数等詳細な情報を「プログラム送付時」にご連絡いたします.なお,講演論文集は当日会場で行う簡易製本と,後日行う本製本の2種類となります.当日は,簡易製本用(両面印刷,参加人数部),本製本用(片面印刷,2部)をご持参下さい.

■参加費:会員・非会員とも4,000円.ただし,学生(大学院生を含む)は2,000円.

■宿泊費:1泊2食付き12,000円(懇親会費込み).会場は山頂にあるため,周辺に食堂等はございません.2月15日(金)の昼食が必要な場合は,1000円にてお弁当を用意いたします.参加申込の際,お弁当が必要かをお知らせください.

■懇親会費:宿泊しない場合,6,000円.宿泊者は無料(宿泊費に組込み).

■担当幹事:吉川大弘(三重大),大崎美穂(静岡大),吉根勝美(南山大)

■申し込み先:〒514-8507 津市上浜町1515

三重大学工学部電気電子工学科 吉川大弘

E-mail: tom[at]ts.elec.mie-u.ac.jp, TEL, FAX: 059-231-9737

※東海支部ホームページでも詳細をお知らせいたします.

http://www.ip.elec.mie-u.ac.jp/Soft-Tokai/

報告

平成13年度第2回中部支部研究会

 11月29日木曜日17時より,名古屋工業大学において,平成13年度研究会が開催された

 最初のご講演は鶴見昌代 (大阪大学大学院工学研究科電子情報エネルギー工学専攻)先生の「協力ゲームにおける貢献度に基づく解概念とその応用」でした.まず最初に,協力ゲームの解(分配)の概念,とくにShapley 値やBanzhaf 値,解の対称性(提携や順列のような貢献度を測る基準が等確率で生じるかどうか)等を簡単に解説していただきました.鶴見先生は非対称であるときに,いかなる基準に対しても貢献度の期待値の形で解を与えるような,より一般化した解概念を提案されました.さらに提案した解を基準化することによって新たな解を構成し,その解と基準化する前の解に対して共に公理化を行った後で,従来の解との関係について明らかにされました.最後に応用として述べられた実際の日本の参議院における各政党の影響力についての評価では,民主党,共産党の貢献がないという結果を報告されていました.現在の議席数や党間の関係からするとそういう結果もやむなしというところでしょうか.

 2つめのご講演は、橋本日出男(南山大学総合政策学部)先生の「顧客から見たOR」でした.世界銀行での仕事の中で、ORを顧客として使ったときの経験(とくにガーナでのマクロ経済分析に携わっておられたときの経験)をお話していただきました.お話の内容は,ある一国の経済の応用一般均衡問題は非線形最適化問題として定式化できるので解くことができるのだが,数ヶ国の経済の応用一般均衡分析となると非線形相補性問題(NCP)となってしまう.またSTPAモデルといわれる一次産品市場分析、貿易・投資・資源問題分析で使われるモデルも1財なら2次計画問題であるのだが,複数財になるとNCPとなってしまう.顧客としてNCPを解くことをOR研究者に要求するのだがあまり満足できる解が得られない.どなたかこのNCPを効率よく解いてはもらえないかというものでした.
 橋本先生の民間での貴重な経験はわれわれ研究者にとって非常に興味深いものでした.理論上は解ける問題でも,実データから作られた問題を解くとなると,そううまくいかないのだということを改めて知ることとなりました.また,ガーナの経済政策を決定したときのエピソードは実に愉快でした.

平成13年度定例講演会

 12月8日土曜日15時より,メイテツコム本社第3,4会議室において,平成13年度定例

講演会が開催された.

 最初のご講演は本告光男氏(元中部電力情報システム担当支配人,愛知工業大学元
教授)の「中部支部の生い立ちと小野勝次先生の思い出」.今年で生誕40年を迎えた
中部支部の誕生秘話や発足当初の活動状況を,先日逝去された小野勝次先生の思い出
とともにお話下さった.

 当時の清水名工大学長が「ORは日本の将来のために育てなければならない学問だ」
と小野先生をくどき,そして小野先生が初代副支部長となられたこと.後の支部長承
諾の際の秘話.中部支部は他支部と比べて賛助会員が非常に多く,月例研究会を開い
て企業のあまり公開できないような話までテーマとして取り上げていたこと.また,
その際は秘密厳守が暗黙裡に守られていたこと.もちろん,本告氏ご自身が中部電力

で,例えば水力発電所の事務所設置の際の人員配分等にORを利用して活躍なさったこ
ともお話された.ただ,氏の活躍の際にも,例えばコンピュータ利用の際には小野先
生の「コンピュータのこけおどし」等の忠告に助けられたことがあるそうである.一
人の豪傑の物語と共に,中部支部の歴史を知ることのできた,貴重な講演であった.

 2つめのご講演は、株式会社メイテツコム社長岩田怜氏の「OR雑感」であった.以
前より中部支部の活動に御尽力頂いていた岩田氏の社長就任記念講演としてお話をい
ただいた.

 岩田氏は,本告氏同様に中部支部には古くから関わりを持たれており,ご講演は
「思い出」から始まった.産学合同勉強会で苦労されたこと,サマーセミナー
OR(SSOR)や一泊見学会等で当時の仲間と親交を深められたこと,小野勝次先生御自宅
での飲み会での思い出話しなどを,つい昨日のできごとのようにいきいきとお話された.

 そしてお話は,これまで(株)メイテツコムで取り組んでこられたさまざまな問題の
実例の紹介へとうつっていった.「運賃設定問題」「正矢計算」「造成地の土工量」
「博覧会のプラットホーム設計」「貸切りバスの配車計画」「バス乗務員の乗務行路
表作成」などについて説明があったが,決してこれらはすんなりと成功したものばか
りではなく,いくつかの失敗もあり,それを重ねていきながらやっとの思いで完成し
たものも少なくないという.最後に名鉄の提供するインターネットサービスの紹介が
あり,講演は終了した.

 今回の定例講演会でのお話は,ルポを執筆している我々はほとんど生まれる前か子
供のころの話しであったが,それがどれもとても新鮮に感じられた.今年は中部支部
設立40周年の節目の年にあたるが,支部設立当初の苦労話しやエピソードを聞き,改
めて,これからの10年20年を見据えて活動していくための力の源を頂いたように思う.

日本OR学会中部支部 事務局
名古屋工業大学生産システム工学科内
大鋳 史男
〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町
TEL 052-735-5393
FAX 052-725-5401
Email ohi[at]system.nitech.ac.jp