–
2021-09-30
1.日時:2021年9月30日(木) 16:00-18:00
2.開催方法:Zoomでのオンライン開催
3.タイムテーブル
(1) 川畑 史郎 氏(産業技術総合研究所 新原理コンピューティング研究センター)
題目:超伝導量子アニーリングマシンのハードウェア開発
概要:量子アニーリングとは、組合せ最適化問題の近似解を量子力学的重ね合わせを利用して求める発見法的手法である。2011年にカナダのベンチャー企業D-Wave Systems社が超伝導量子ビットを集積化した超伝導量子アニーリングマシンを商用化して以来、量子アニーリングマシンのビジネス利用に向けた研究開発が著しく進展してきた。さらに、アメリカ・ヨーロッパ・日本において、超伝導量子アニーリングマシンハードウェア開発に関する大型国家プロジェクトが進められている。本講演においては、量子アニーリングの基礎から超伝導量子アニーリングマシンの最先研究開発動向まで、できるだけ平易に解説を行う。また、我々は日本で初めて超伝導量子アニーリングマシンの開発に成功した[1]。そこで、我々のハードウェア開発についても紹介を行う。
[1] “独自のアーキテクチャを用いた超伝導量子アニーリングマシンを実現” https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2021/nr20210706/nr20210706.html
(2) 宮原 和大 氏(日本電信電話株式会社 コンピュータ&データサイエンス研究所)
題目:光を用いて組み合わせ最適化問題を解く光イジングマシンLASOLV
概要:LASOLVとは、NTTが開発している光を用いて組合せ最適化問題のような難問を解く計算機である。現在広く普及しているデジタルコンピュータは、多くの選択肢の中から最適解を導き出す、いわゆる組み合わせ最適化問題が不得手であることが知られている。しかしながら、組み合わせ最適化問題として解くことができるシステムやネットワークの最適化や効率化は、現代社会のネットワーク構造の拡大によりさらなる高速な処理が求められるようになってきている。これに対して、光イジングマシンLASOLVは、0またはπの位相のみをとる特殊なレーザである光パラメトリック発振器を用いて組み合わせ最適化問題を高速に解くことができる。本講演においては、LASOLVの大まかな動作原理から、LASOLVを用いた組み合わせ最適化問題の解の導出、今後の展望について紹介を行う。