第323回部会 (7月19日) の開催案内

第323回 「待ち行列研究部会」

日時:令和7年7月19日 14:00~17:00
場所:ハイブリッド (東海大学 品川キャンパス 1号館2階 1-2会議室 & オンライン)
※詳細な経路については,本部会のトップページもご覧ください.

★★★★★★★★★★ 参加申し込みフォーム★★★★★★★★★★
https://forms.gle/ochrJatEUZdJEY4m7
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■ 講師とテーマ

1. 三好 啓也(埼玉大学)

タイトル:熱方程式の解を構成する粒子運動

概要:
熱方程式を確率論の枠組みで考える場合、 熱核を推移確率として解釈し直すことで気体を構成する粒子運動はブラウン運動であると考える事が出来る。一方で、 解の形を変更する事なく時間と共に並行移動していく進行波解では全ての粒子が同じ速度で移動しているとも考えられる。以上の事実を踏まえれば、 熱方程式の解に内在する粒子運動は一意ではないと考えられる。そこで、本講演では気体が熱方程式に従って拡散する場合の粒子運動について具体的な解を用いて考察する。具体的な手順は、 熱方程式を波動方程式で近似し、 輸送方程式として書き直す事でランダムウォークを導き出し、 スケール極限において解を再構成する粒子運動を見つける。一つ目の具体例として熱方程式の進行波解について内在する粒子運動を導き出す。二つ目の具体例としてコンパクト台を持つ古典解について内在する粒子運動を考察する。

 

2. Phung-Duc Tuan(筑波大学)

タイトル:自動スケーリングシステムの確率モデルにおける厳密解析と効率的な数値計算手法

概要:
クラウドコンピューティング環境においては、ユーザの利用状況に応じて計算資源を動的に割り当てる「自動スケーリング」が一般的に用いられている。しかし、ユーザの需要は不確実であり、さらに計算資源の調達には遅延が伴うことから、こうしたシステムの性能評価は容易ではない。本講演では、リソース調達遅延を考慮したクラウドシステムの自動スケーリング機構に対して、確率モデルに基づく厳密な性能評価指標(たとえば、エネルギー消費や応答時間など)の導出と、その効率的な数値計算手法について、講演者らの最近の研究成果を紹介する。