第320回部会 (4月19日) の開催案内
第320回 「待ち行列研究部会」
日時:令和7年4月19日 14:00~17:00
場所:ハイブリッド (東海大学 品川キャンパス 1号館2階 1-2会議室(予定) & オンライン)
※詳細な経路については,本部会のトップページもご覧ください.
★★★★★★★★★★ 参加申し込みフォーム★★★★★★★★★★
https://forms.gle/hvEMSw3xQfWWpvbz7
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■ 講師とテーマ
1. 来嶋 秀治 (滋賀大学)
タイトル:頂点が増えるグラフ上のランダムウォークのはなし
概要:ランダムウォークの原点再帰性やcover timeは確率論の古典的話題である。
現実のネットワークは時々刻々と形を変えることから、近年、動的ネットワーク上のランダムウォーク(非斉時マルコフ連鎖)に関心が寄せられている。多くの研究が頂点集合には変化がなく辺集合が時間とともに変化する有限グラフを対象とする中、本講演では頂点集合が変化する(増える)グラフ上のランダムウォークの解析に着目する。増えるクーポン収集問題や、成長するk分木上のランダムウォークの根再帰性などの成果について紹介する。
本講演は清水伸高氏、白髪丈晴氏、熊本舟馬氏、白井朋之氏との共同研究に基づく。
2. 滝根 哲哉 (大阪大学)
タイトル:ゲート式単独休暇をとる単一サーバ待ち行列について
概要:本講演ではゲート式単独休暇をとる単一サーバ待ち行列を議論する。この待ち行列モデルにおけるサーバの状態は、アイドル、サービス中、休暇中、のいずれかである。サーバがアイドルであるときに客が到着すると、サーバは直ちにこの客のサービスを開始する。このサービスが完了すると、待ち客の有無に関わらず、サーバは休暇を取る。休暇期間の終了時点において、もし、待ち客がいれば、これらの客のサービスを連続して行い、それらが完了した後、待ち客の有無に関わらず再び休暇を取る。一方、休暇期間の終了時点において待ち客がいなければ、サーバはアイドルとなり、上記の手順を繰り返す。最初にM/G/1 の枠組みで系内客数の確率母関数ならびに待ち時間分布の LST を導出する。次に、このモデルの応用として、サービス時間がサービスを施す集団サイズに依存する集団サービス M/G/1 待ち行列に関する結果を示す。最後に、客の到着が MAP に従う場合について、既存研究の誤りを指摘すると共に、ゲート式休暇をとる MAP/G/1 の解析がなぜ困難であるかを議論する。