第298回部会 (11月13日) の開催案内
第298回 「待ち行列研究部会」
日時:令和3年11月13日 14:00~17:00
場所:オンライン
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テーマと講師
1.Information-Centric Networkingにおけるネットワークトモグラフィ
川原 亮一(東洋大学)
従来のIPネットワークではコンテンツ名をIPアドレス(ネットワーク上での位置
を表す識別子)に変換してから通信を行う.それに対し,Information-
CentricNetworking (ICN)ではコンテンツ名を直接指定して通信を行い,また
転送されるコンテンツをその通信経路上のノードが自律分散的にキャッシュを
することで,より近くのノードからコンテンツの取得を可能とする.
そのため,ネットワークの始点・終点ノードペア毎の品質測定値を入力とする
従来のネットワークトモグラフィ(ネットワーク内部品質推定法)の適用が困難に
なると考えられる.本講演では,ICNへのネットワークトモグラフィ適用方法に
関する研究成果を紹介する.
なお,本内容は,矢野拓哉さん(東洋大卒業生),田行里衣さん・池上大介さん
(NTT)との共同研究成果である.
2.相互参照を考慮した図書館資料参照モデルの提案と待ち行列への応用
加藤 憲一(神奈川大学)
図書館資料が参照される現象において資料間に相関を持つことを仮定した確率モ
デルを提案する。図書館における資料利用に関する既存の研究は、資料の参照頻
度の記述的な統計分析およびその時系列的な変化の確率過程としての定式化が中
心となっている。参照の生起に際して資料間の相関に関わる問題はほとんど考慮
されていないのが現状である。しかし図書館の貸出データを分析した先行研究か
らは、資料の参照(貸出)において資料間に一定程度の結びつきが存在すること
が示唆されている。講演では資料の参照に資料間相互の参照を導入したモデルを
提案する。数値実験によって、提案モデルが先行研究で示唆された参照過程の実
態を説明し得ることを明らかにする。また複数の資料を同時に参照する利用者を
想定した待ち行列モデルを構築し、図書館の規模や配架方式がサービスの品質に
与える影響を考察する。