第319回部会 (11月16日) の開催案内
第319回 「待ち行列研究部会」
日時:令和6年11月16日 14:00~17:00
場所:ハイブリッド (東海大学 品川キャンパス 1号館2階 1-2会議室 & オンライン)
※詳細な経路については,本部会のトップページもご覧ください.
★★★★★★★★★★ 参加申し込みフォーム★★★★★★★★★★
参加形式(現地,オンライン)に関わらず、下記フォームにてお申込みください.
https://forms.gle/ieEA5ba39jXCjarRA
※参加人数把握のため、フォームでのお申込みについてよろしくお願いいたします.
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■ 講師とテーマ
1. 藤原 明広 (千葉工業大学)
タイトル:二層ビザンチン障害耐性合意過程における最適シャード分割とブロックチェーントリレンマの破れの数理
概要:二層ビザンチン障害耐性合意過程は,ビザンチン障害耐性のある分散合意アルゴリズムを採用するブロックチェーンを,シャーディングとよばれる仕組みを用いることで取引処理性能を向上させる手法である.この手法では,ブロック情報の検証ノードが,シャードと呼ばれる複数の部分系に分割され,下位レベルのグループを構成する.シャード内での合意形成は,各シャードのリーダに引き継がれる.各シャードを代表するリーダは上位レベルのグループを構成し,その内で下位レベルの合意形成が集約されることで,システム全体の合意形成が達成される.個々のシャードを構成する検証ノードの数が少なくなるため,ブロック情報のブロードキャストによる通信負荷を軽減でき,シャードの数に比例した取引処理性能の向上も期待できる.
本講演では,ビザンチン障害耐性合意ブロックチェーンにおける検証ノード間ブロードキャストの数理モデルを用いることで,二層合意過程におけるシャード分割が取引処理性能に与える影響を理論的に解析した結果について報告する.また,取引処理性能を最大化する最適シャード分割や,この最適設定下でブロックチェーントリレンマ(分権化,拡張性,一貫性の間の三重トレードオフ)が破れていることについて数式を用いて示す.
2. 笹沼 克信 (名古屋商科大学)
タイトル:連続時間に対応した隠れマルコフモデルを用いた分析手法の開発
概要:直接観測できない状態が遷移しDTMCを形成している時に、これらの状態からのEmissionsを観測することによって観測できない状態を調べる数学的なツールとして、隠れマルコフモデル(HMM: Hidden Markov Model)が知られている。HMMの分析は、アルゴリズムによる数値的アプローチを取ることが一般的であるが、そのモデルの特性を数値解析のみで理解することは容易ではない。しかしDTMC+Emissionsという形をとるHMMをCTMCの形に置き換えることにより、解析的にHMMを分析し、モデルの特性や指標間の関連性を調べることができる。本講演では、このアプローチの有効性を簡単なモデルを用いて検証した結果について報告する。