第316回部会 (5月18日) の開催案内

第316回 「待ち行列研究部会」

日時:令和6年5月18日 14:00~17:00
場所:ハイブリッド (早稲田大学西早稲田キャンパス&オンライン)

■ 対面参加の方へ:
対面会場は「早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館 1F数学応数会議室」です.
https://www.waseda.jp/top/access/nishiwaseda-campus

■ オンライン参加の方へ:
オンラインで参加される方は,以下の URL より参加登録をお願いいたします.
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZYrc-2rrzIjHt2m_nH0PTST2OCA1MoYf6Ok

■ 講師とテーマ

1. 渡辺 樹 (大分大学)
「マルコフ連鎖によるハミルトン・ヤコビ・ベルマン方程式の近似解析」

最適制御問題では、モノ(人や粒子など)の動きを制御することで、価値関数と呼ばれる評価関数の最大(最小)の実現を目指す。よく知られている手法として、ダイナミクスが微分方程式で記述される状況下で、価値関数をハミルトン・ヤコビ・ベルマン(HJB)方程式と呼ばれる偏微分方程式の解として特徴付ける方法があるが、非線形性や境界条件などの方程式の複雑さから時間離散化や有限要素法などによる数値解析がよく行われている。本講演では、制御問題の新たな数値解析手法として、マルコフ連鎖による手法の有用性について議論する。ダイナミクスを記述する微分方程式をマルコフ連鎖を用いて近似し、その制御問題の極限としてHJB方程式が導出可能であることを粘性解と呼ばれる偏微分方程式の手法を用いて明らかにする。

 

2. 蓮池 隆(早稲田大学)
「マルチエージェントシミュレーションを用いたテーマパーク内の優先搭乗パスの効果分析」

テーマパークでは,アトラクションの待ち時間や体験できたトラクションの数・種類が来園者の満足度に大きく影響するため,待ち時間を短縮する施策として,待ち時間の提示や優先搭乗パスが導入されてきた.一方で,パスを持つ人が優先的にアトラクションに搭乗すると,普通の列のサービス率は下がり,普通の列の待ち時間は増加し,来園者全体の満足度低下やばらつきの増大が懸念される.また,近年では有料の優先搭乗パスの導入が拡大し,値段設定により来園者全体の満足度向上が期待できるかを分析することが必要となる.
本発表では,マルチエージェントシミュレーションを行い,優先搭乗パスの配布方法の分析・評価,対応アトラクションの数・種類,有料パスの配布スタイルと来園者の満足度の関係性について分析し,適切な優先搭乗パスのアトラクションについて検討を行う.