第302回部会 (5月21日) の開催案内

第302回 「待ち行列研究部会」

日時:令和4年5月21日 14:00~17:00
場所:ハイブリッド (オンライン&東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室)

※新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては完全オンライン開催に移行します.

■ 対面参加の方へ:
対面会場にお越しになる方は,以下の事項 (「東京工業大学に来訪される方へ」からの抜粋) へのご協力をお願いいたします.

○ 来訪時には,体調不良でないことを必ずご確認ください.
○ 新型インフルエンザ等対策措置法に基づく緊急事態宣言あるいはまん延防止重点措置の対象地域から来学される方は,宣言・措置下での来学の必要性についてより慎重にご検討ください.
○ マスク着用,手洗い,アルコール消毒等の感染拡大防止策徹底にご協力ください.
○ 来学のために公共交通機関を利用するときも含め,来学中は原則としてマスクを着用してください.
○ 本学では,教職員に対しスマートフォンへの新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)のインストールを推奨しています.この点についてもご協力頂ければ幸いです.

■ オンライン参加の方へ:
オンラインで参加される方は, こちらのフォーム からお申し込みください.

テーマと講師

1.ドクターヘリシステムの待ち行列的分析
鵜飼 孝盛,佐久間 大(防衛大学校)

ドクターヘリ(以下,DH)はヘリコプターに医師らが搭乗して傷病者の発生現場の近くで対象に接触し,必要性を判断して対象を医療機関へ搬送する.DHの要請は救急通報を受けた消防本部を通じて行われ,2通りに大別される.一つは傷病者に接触した救急隊が要請するもの,もう一つは通報を受けた消防本部がその内容から判断して要請するものである.後者は前者に比べてDHと傷病者が落ち合うまでの時間を短縮できる.その一方で,不十分な情報によりDHの要請を行うことから,救急隊の到着後に要請が取り消される事態が生じうる.本講演ではDHシステムを待ち行列・マルコフ過程として定式化し,要請方式の違いがDHの運用効率に与える影響について議論する.さらに,実際の出動データに基づき,その運用効率の評価を行う.

2.待ち行列モデルの実社会応用のために
水野 信也(静岡理工科大学)

COVID-19の影響で、社会が「待ち」という概念を再認識するようになりました。3密を回避するためには、系内人数を把握して「待ち」を避ける必要があります。そのため、施設管理者は系内人数を把握して、待ち行列が極力できないように客が分散するような施策が必要になります。それにはシステム的であったり、物理的構造を検討する必要がありますが、施策を評価するために、まず待ち行列理論やその周辺知識が活用できると考えます。しかしながら、実社会に待ち行列を適用しようとするといくつかの課題があります。主なものは次のものです。(1)大規模ネットワークに対する計算量、(2)待ち行列理論の仮定。本研究では、(1)に関しては大規模閉鎖型BCMPネットワークに対し、並列計算を用いて対応可能となる限界を模索します。特に客クラス数の増加に対しては、シミュレーションでの対応が有効ということがわかりました。(2)に関しては、理論値をベースとして、シミュレーションによって条件を緩め、理論値では得られない情報を取得することで有効な値を算出しました。本講演では、待ち行列理論およびマルコフ連鎖などで上記のような取り組み事例を紹介していきます。