12月12日(土)13時30分から中部品質管理協会において,平成21年度支部講演会が開催されました.
第1件目の講演は,八卷 直一(静岡大学 情報基盤機構,情報学部)先生による
「幕末から明治へ ~ そしてORの未来へ ~」
で,何人かの仕事を成した人の紹介から始まりました.
- 依田学海...若き秀才,留守居役
- ぺリー...綿密に練った黒船襲来,決して高圧的ではなかった!?
- 勝海舟...2面的,西洋的合理主義
- 一田庄七郎...かご職人にして見世物興業のスター,50日で江戸の人口の1/3を集めた
- 早竹虎吉...肩や足の裏に支えた長い竿の上で曲芸,アメリカ興業,軽業スター
- 幕府軍...急ごしらえだが近代化完了.ただ将校に人材不足,作戦面では落第
- 島安二郎...日本の蒸気機関車の父
- 島秀雄...新幹線開発.スピード,パワーは申し分ないが,不敗伝説から抜けられない体質
そして,ついにOR学会から首相を輩出した点に触れ,会員の研究交流・学会として社会貢献の重要性を説かれました.今こそ科学を社会のために何かできないかという先生の意志を感じました.
時折ご趣味の鉄道の話を挟みながら,ORに携わってきた経験を約1時間お話くださいました.
第2件目の講演は,腰塚 武志(南山大学 情報理工学部情報システム数理学科)先生の
「積分幾何学に関わって」
でした.内容をいくつか掻い摘んでみますと,
- ベルトランの逆説...内接する三角形の1辺より長い弦が発生する確率
- 最適道路密度...500m間隔で交差点
- 空間を線で測る...rキロの長さがどれくらい取れるか
- 一様な直線と交通網との関係
- 線分以外の道具による計測
- 非ユークリッド幾何学の導入