日本OR学会中部支部ニュース平成20年度第4号

日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部講演会のご案内
“オペレーションズ・リサーチによるキャンパス事務の効率化”

キャンパス事務におけるオペレーションズ・リサーチ(OR)の活用と成果についての講演会を開催いたします.
南山大学ではOR手法を用いた事務作業の効率化に大きな成果を上げ,ORがきわめて有効な問題解決の手法であることを実地に示してきました.
本講演会では,南山大学でOR手法を用いた事務作業の効率化に携わり,成果を上げてこられた方方御自身によるお話をいただきます.また,実際に使用されたプログラムも実行させながら紹介されます.
南山大学は,このORの活用によって,INFORMSフランツ・エーデンルマン・ファイナリスト賞を受賞し,また,日本OR学会から2007年度に実施賞を授与されるなど,国内外において高く評価されています.近年,企業等におけるORの社会的な認知度が低くまた実際の問題解決には役に立たないのではないかとも言われていますが,OR手法の進展には目を見張るものがあり,実地に活用され成果が上げられています.
多数の方々に,講演会に参加していただき,OR手法の有効性を確認していただくと共に,職場における問題解決に活用していただくための一助としていただきたく存じます.出席をいただける場合は,下記のメイルアドレス宛その旨を事前に連絡いただければ幸いに存じます.

なお,講演会終了後に開催されます懇親会(忘年会)へのご参加も頂きたく宜しくお願い申し上げます.

主催:日本OR学会中部支部
共催:中部OR研究会

講演会 講演者,概要,開催日時,場所
 日時:平成20年12月13日(土)13:30~16:30
 場所:第2豊田ビル西館8階
 中部品質管理協会 第1研修室(下記の地図を参照下さい)
 電話:052-581-9841
 住所:名古屋市中村区名駅4-10-27
 出席連絡先メイルアドレス:安田照美
 
 講演者:西尾 雅樹( 南山大学図書館 )

題目:講読を停止する学術雑誌の選択方法について
概要:ここ10年以上もの間、欧米の学術雑誌の価格は毎年10数%程度も上昇の一途をたどっている。一方で南山大学の図書館の予算は増額されるどころか,むしろ削減されており,その結果,学術雑誌の購入予算が図書館予算の中で占める割合が急速に増加し,書籍の購入予算に影響を与えるまでになっている.図書館では,教員に必要性の低い学術雑誌の購入停止を呼びかけ,過去何回か,購入停止のためのアンケートも行ってきた.ところが、ただ個々の雑誌の必要度を問う形式のアンケートであり、申請可能なタイトル数や購入価格による選別などの設定をしていなかったため,必要な予算削減をするのに十分な数の学術雑誌を購入停止できなかった.2005年から南山大学プロジェクトNに発表者が参加し,オペレーションズ・リサーチを用いた対策案を策定し実行した.ここではその事例を紹介する.この対策案は,各教員に満足度ポイントを公平に与え,それにもとづく購入停止雑誌の選択の枠組みを構築,オペレーションズ・リサーチの手法に基づいて,教員の満足度を最大にする購入雑誌の選択を行うものである.講演では,Excelのソルバーを用いて作成したプログラムも実行して紹介する予定である.

講演者:近藤 健司( 南山大学キャリア支援室,現在,南山大学事務システム課 )

題目:インターンシップ報告会のスケジューリングの自動化について
概要:南山大学では,独自の学生のインターンシッププログラムを持っている.そのプログラムの中で最も重要なのが,学生がインターンシップの成果を発表する報告会である.
2007年度は総勢228名の学生がインターンシップを行い,名古屋キャンパス,瀬戸キャンパスの両キャンパスで3日間に渡って報告会が行われた.2006年度までは,このインターンシップ報告会のスケジューリングは手作業で行われていたが,2007年度は発表者が参加していたプロジェクトNでこの自動化に取り組み,自動化プログラムの作成にユーザーの立場から参画した.自動化プログラムは2007年度にプロトタイプが完成し,2008年度にも利用されている.この自動化プログラムにより,従来は手作業で1日かかっていた作業が30分程度でできるようになった.また,1回の作成にかかる時間が1分以内なので,必要な修正も何回でも行え,学生の都合なども十分に取り入れたスケジュールの作成ができるようになった.
講演では,プログラムを実際に実行させ,紹介する予定である.

講演者 伊藤 真司( 南山大学入試課 )

題目 入試監督の自動割当プログラムについて
概要 南山大学では,一般入試の監督割当は,2003年度まではほとんど手作業で行われていた.
志願者確定から試験実施までの多忙を極める1週間の間に、監督割当の対象となる教員、事務職員、大学院生あわせて300人以上の様々な条件を考慮して割当を実施しなければならず、時にはその作業が深夜にまでおよぶこともあった。これに対して,執行部の要請で,2004年度からはオペレーションズ・リサーチの手法を用いた自動化プログラムを導入し,2008年度入試までその自動化プログラムが用いられている.その結果,手作業では時には3日間以上かかっていた作業が,割当には1分,確認作業を入れても30分でできるようになり,業務が劇的に効率的になった.現在は入試業務での他の作業の割当の自動化にも取り組んでおり,さらに業務を効率化する予定である.ここでは,この自動化プログラムをユーザーの立場から紹介する.2008年度の例をもとに実際の割当の作成作業も紹介する予定である.

懇親会 開催日時,場所,会費
日時:平成20年12月13日(土)17:00~18:45
場所:名古屋マリオットアソシアホテル 15階「パーゴラ」
会費:6千円
申込締切:12月5日(金)
懇親会に参加される場合は,予約の都合上下記宛,予めお知らせ下さい.
申込み先:中部品質管理協会 安田宛 E-mail:yasuda[at]cjqca.com
    TEL:052-581-9841  FAX:052-565-1205