2020年度OR学会中部支部シンポジウム

テーマ:「スケジューリングの理論・実務とOR」
開催趣旨:
スケジューリング問題は,様々な制約の下で,与えられた全ての業務を行うように最適なスケジュールを作成する問題であり,製造工場の最適作業工程,バス・鉄道・航空乗務員の勤務表,授業の時間割などの作成を含め,非常に多くの応用を持ちます.しかし,スケジュールの作成は様々な条件を考慮しなければならないためとても困難であり,これまで多くの研究が行われています.本シンポジウムでは,スケジューリング問題の理論とその実務への応用をテーマとし,この分野で活躍されている研究者および実務家に最新の研究成果や活用事例などを紹介していただきます.また,若い研究者にとってORの理解と興味を持つ良い機会になることも期待しております.
日時: 2020年12月12日(土)13:25-17:10会場:Zoomによるオンライン開催
参加登録いただいた方にZoom会議室のURLをお知らせいたします)

プログラム:
13:25-13:30 開会のご挨拶 柳浦睦憲(日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部支部長)

13:30-14:30 講演1 「サプライチェーン最適化における数理技術の実践」
講演者:中尾芳隆氏(キヤノンITソリューションズ株式会社)
概要:キヤノンITソリューションズ数理技術部は,お客様が抱える製造・販売・物流に関わる課題に対し,数理技術を活用し,個々の問題の特徴にきめ細かく対応しながら,問題解決・意思決定支援・システム構築支援を図るサービスを提供してきました.いくつかの事例を交えながらその内容を紹介します.

14:45-15:45 講演2 「辞書式二目的最適化問題の定式化例とアルゴリズム」
講演者:軽野義行教授(京都工芸繊維大学)
概要:本講演では,まず組合せ計量機の動作表現として定式化した辞書式二目的0-1整数計画問題とその計算の複雑さを紹介します.つぎに,辞書式を外した二目的問題に対する一つの貪欲アルゴリズムを設計し,その近似性能を辞書式二目的問題の最適解を基準にして導くことを試みます.時間が許されれば,その他の定式化例とアルゴリズムも紹介します.

16:00-17:00 講演3 「解の多様性を考える」
講演者:池上敦子教授(成蹊大学)
概要:支払い金額の最小化,移動距離の最小化,等,明確に評価を定義できるような問題ではなく,勤務表作成のように人間の評価尺度(評価バランス)を必要とする問題について考える.このような問題においては,最適化モデルが与えた解が「実用にとってどのような意味を持つのか」を十分理解しないまま現場に提供しようとすると,その解が利用されないだけでなく,現場の意思決定の邪魔をする可能性もあり,最適化(モデリングやアルゴリズム)に対する信頼まで失う可能性がある.
本発表では,最適化モデルやアルゴリズムが有効に利用されるために必要な技術や情報を考えてみる.高速に解を与えられるモデルと,そのモデルが与える解を基に類似な解を列挙したり,できるだけ異なる解を複数与えることによって,与えられた解からの修正の可能性を提供する方法を考える.これに伴い,類似な解,多様な解の意味や定義についても議論したい.

17:00-17:10 閉会 佐々木美裕(日本オペレーションズ・リサーチ学会中部支部副支部長)

17:30- 懇親会

参加費:無料

電子テキスト:事前参加登録者のみに配付します

事前参加登録サイト:https://forms.gle/t91firbUY9n4Qr329
こちらのフォームに回答願います。折り返し、ZOOM会議室と講演資料のURLをメールでお送りします。
事前参加登録締切:2020年12月11日

懇親会:講演終了後にオンラインで実施する予定です.