【開催案内】「ヘルスケアのOR」第12回研究会のお知らせ 12/10

この度,ヘルスケアのOR研究部会ではハイブリッド形式にて
第12回研究会を開催します.今回は学生による研究成果を報告する
企画会となっております.

なお,オンサイト参加での参加人数制限はございません.
ご興味のある方は,是非ともご参加の程よろしくお願いします.

参加を希望される方は以下のリンクより参加登録を
行ってください.
https://forms.gle/PQNDhjirkunR2eTt9

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■「ヘルスケアのOR」第12回研究会
~学生研究成果報告会~

・日時
2022年12月10日(土)15:00~17:10
(ログイン開始可能時間:14:45)

・場所
東京理科大学神楽坂校舎森戸記念館地下1階第1フォーラム
https://www.tus.ac.jp/tuslife/campus/facility/
オンライン(Zoom)
※オンラインにて参加登録した方に追ってURLをお知らせします.

・プログラム
– 15:00-15:30
ロバスト最適化法による手術室のスケジューリング~手術時間
の不確実性~
難波 禎人 (東京理科大学),伊藤 真理 (東京理科大学),
高嶋 隆太 (東京理科大学) ,橋本 学(国立がん研究センター東病院),
藤井 博史(国立がん研究センター)

概要: 手術管理の効率化は,患者の治療の質と病院経営において
重要な課題である.病院経営に関して,手術は病院の収入及び支
出の大半を占めており,病院は手術室の稼働率の向上や手術にか
かる費用削減を目標に手術室のスケジュールを作成している.ス
ケジュールを作成する際,手術の終了が予定終了時刻よりも大幅に
遅れてしまう遅延リスクを回避する意思決定の考慮が必要である.
本研究では,手術順序を考慮し,遅延時間を最小化するロバスト
最適化モデルを提案する.数値分析より,遅延リスク回避的な傾
向の遅延時間への影響を検証する.確率計画法との比較の結果,
手術の不確実性を考慮したロバスト最適化法は,大幅な遅延を避け
る傾向があることが示唆された.また,手術順序を考慮する重要性
を確認した.

– 15:30-16:00
ヘドニック賃金法を用いた統計的生命価値の測定
新井 康太 (東京理科大学), 伊藤 真理 (東京理科大学),
高嶋 隆太 (東京理科大学)

概要:安全を守ることやリスクを削減するために様々な施策が講じ
られている.政策に費やせる資源は限られており,立案する際,リ
スクを削減する価値があるのかを認識することは重要となる.その
ため,統計的生命価値(value of a statistical life: VSL)の測
定が必要となる.VSLの測定方法には大きく分けて表明選好法と顕
示選好法の二つがある.日本においては,統計的生命価値の測定方
法として表明選好法が多く用いられている.表明選好法ではアンケ
ート調査が多く使用されており,バイアスが発生することが少なく
ない.一方,顕示選好法は人々の社会経済活動から得られるデータ
から測定するため,アンケート調査のようなバイアスが発生する可能
性は低い.本研究では,交通事故のデータを用いて,顕示選好法の
一つであるヘドニック賃金法によりVSLを測定する.その結果,平均
VSLは,6.16億円となり,先行研究と比較して妥当な値であることが
明らかとなった.

休憩(10分)

– 16:10-16:40
入院数と在院日数予測に基づく入院患者の病床スケジューリング
松林 祐加 (東京理科大学),伊藤 真理 (東京理科大学),高嶋 隆太
(東京理科大学) ,鵜飼 孝盛(防衛大学校/海老名総合病院),
小泉 正樹 (海老名総合病院),矢野 明美(海老名総合病院),
松島 俊輔(海老名総合病院),猪口 貞樹(海老名総合病院)

平均寿命の上昇により,医療需要が増している.病床管理は病院経営
や救急搬送応需率など様々な要因に影響を与える.海老名総合病院に
おいては,病床使用実績や天候のデータ等を参考に,入院数や患者の
在院日数を予測し手作業で病床管理を行っている.しかし,入院数や
在院日数には不確実性が存在するため,病床管理者の長年の経験を活
かしても適切な予測とそれに基づく病床スケジューリングは,比較的
難しいマネジメントとなる.本研究では,入院数と在院日数の予測と
病床スケジューリングにおける手法を提案する.結果として,病院の
利益の観点から在院日数の予測と病床スケジューリングの両手法の有
効性を示した.

– 16:40-17:10
クリニックにおける予約患者枠の最適設定
伊藤万梨花、鈴木敦夫(南山大学)
ここでは,ある産婦人科クリニックの予約システムにおける予約患者の
初診・再診・自由診療などの予約枠の最適化問題を考える.このクリニ
ックでは,現在予約システムを利用して,初診,再診,自由診療の区別
なく,患者の予約を受け付けているが,その結果,クリニックで最も力
を入れたい自由診療の中のスクリーニングエコーなどの専門的な診療を
受ける患者が予約を取れない状況になっている.そこで,予約枠の最適
な設定方法を求める問題を0-1整数計画法問題として定式化し,最適化ソ
フトウェアで解を求めて,自由診療の枠を確保することを考えた.発表
では,実際のデータをもとに患者数を予測し,その予測にもとづいて求
めた最適な予約枠の設定を紹介する.

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・問い合わせ先
mariito●rs.tus.ac.jp (伊藤真理)
ogayu●tmu.ac.jp (小笠原悠)

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