「流動の数理」×「危機管理と公衆安全」合同研究会

日時:令和4年2月21日 15:00~16:50
場所:Zoom でのオンライン開催

テーマと講師

講演1(15 : 00 ~ 15 : 50)
講演者:佐久間大(防衛大学校)
講演題目:時空間的にランダムに到着する検査対象に対する検査性能の評価
講演概要:都市部の重要施設に対するテロ攻撃を未然に防ぐためには、その周辺を行き交う人々または車両に対して、監視および(必要に応じて)追跡・検問の実施が重要である。そのために、監視センサーや追跡・検問のための車両等の資源配分が、システム性能に与える影響の見積もりが必要になる。本発表では、対象とする検問システムを、離散軸上の空間的待ち行列(Spatial queue)と捉え、レベル依存の推移構造をもつM/G/1型マルコフ連鎖による表現を通じた、システム性能の評価方法について説明する。本研究は、鵜飼孝盛氏(防衛大学校)との共同研究である。

講演2(16 : 00 ~ 16 : 50)
講演者:鳥海重喜(中央大学)
講演題目:救急搬送人員データに基づくドクターヘリ需要の見積もり
講演概要:2021年5月現在、東京都と香川県を除く45道府県に54機のドクターヘリが配備されている(関西広域連合に属している京都府を含む)。年間の出動件数は2万7千件を超え、多くの命を救っている。一方、救急自動車による年間出動件数は664万件(2019年実績)であり、依然として救急搬送の主役は救急自動車である。救急自動車の制限速度は一般道で時速80kmであるのに対し、ドクターヘリは時速200kmで航行するので、出動要請先あるいは搬送先の病院が遠方にある場合は、救命処置までの時間を短縮できるドクターヘリが重要な役割を担う。本講演では、救急自動車の出動実績データに含まれている現場到着に要した時間と搬送に要した時間に着目し、ドクターヘリの潜在的な需要を見積もる。そして、ドクターヘリの新たな配備拠点を検討する。