第286回部会報告
- 日時:
- 2019年02月15日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 17名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は講演者):
-
- 嘘つきエージェントの見分け方、及び、完全非対称単純排他過程 TASEP の近似的なポラチェックヒンチンの公式
*柳澤 大地 (東京大学)
本講演の前半では避難退出モデルにおける普通のエージェントと強引なエージェントを見分ける問題に対して二つの判定手法を紹介し,どのくらいの衝突履歴データで判別できるかについて,シミュレーションや解析を用いて手法の性能を比較した.後半では完全非対称単純排他過程 (TASEP)において,移動時間が非マルコフである場合に対して流量の近似式を導出し,シミュレーションを用いて提案近似式の精度を議論した.
- 窓口の休暇と系内仕事量に依存した処理速度もつ単一窓口待ち行列の定常解析
*佐久間 大(防衛大学校)
本講演では窓口の休暇があり系内仕事量に依存した処理速度を持つM/G/1待ち行列について,サービス速度が系内仕事量の線形関数で表され,サービス時間が指数分布に従う場合に,仕事量分布が簡易な公式で表現できることが紹介された.また,サービス時間が相型分布で処理速度が区分的に一定の場合は,系内仕事量分布が与えられたパラメータを陽に含む行列で表現できることが報告された.
- 嘘つきエージェントの見分け方、及び、完全非対称単純排他過程 TASEP の近似的なポラチェックヒンチンの公式
(2020年02月17日更新)
第285回部会報告
- 日時:
- 2019年12月21日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 14名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は講演者):
-
- 自然対人工体の数理的小宇宙研究:ペアマップ、松井の理論とブラックホール
*松井正之 (電気通信大学、神奈川大学)
本講演ではモノ、ヒト、カネと情報の3M&Iの関係性を示すペアマップが紹介され,ブラックホール等との類似性が報告された. - 上ブロック・ヘッセンベルグ型マルコフ連鎖の定常分布に対する行列無限積形式解,
*増山 博之(京都大学)
本講演では,上ブロック・ヘッセンベルグ型マルコフ連鎖に対して容易に解ける一連の線形分数計画問題の解を使って,定常分布への収束列を生成する逐次更新アルゴリズムと関連の研究課題が紹介された.
- 自然対人工体の数理的小宇宙研究:ペアマップ、松井の理論とブラックホール
(2021年01月06日更新)
第284回部会報告
- 日時:
- 2019年11月16日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 20名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は講演者):
-
- The Evolution of Collective Choice under Majority Rules
*澤 亮治(筑波大学)、岡田 章(一橋大学名誉教授)
本講演では,ゲーム理論分野におけるマルコフ連鎖を利用した均衡の確率安定性分析について,概要が説明された.また,本手法の応用として,多数決により政策が決定される社会で選択される可能性の高い政策の予想,及び既存の下位概念との関連について紹介がなされた. - レヴィー過程の変動理論と待ち行列
*山崎和俊(関西大学システム理工学部)
本講演では,レヴィー過程の変動理論に関する基本的な事項,及び屈折レヴィー過程等に関する最近の結果が紹介され,待ち行列理論への応用可能性について議論が行われた.
- The Evolution of Collective Choice under Majority Rules
(2019年11月19日更新)
第283回部会報告
- 日時:
- 2019年7月20日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 16名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は講演者):
-
- マルコフ連鎖における条件付き定常分布の線形不等式系による特徴づけ
*木村雅俊(大阪大学)、滝根哲哉(大阪大学)
本講演では自然数全体からなる状態空間上で定義されるマルコフ連鎖について、 状態が N 以下であるという条件付き定常分布が線形不等式系によって特徴づけられること,およびその不等式系の解空間(凸面体)の頂点が明示的に得られることが示された。さらに、推移率行列の北西角、ならびに、南西角に関する有限の情報が得られるという条件下において、条件付き定常分布を特徴づける理論上最小の凸多面体が明らかにされることも報告された。
- 移動体通信におけるTime-basedなハンドオーバスキップのモデルとその解析
*徳山喜一(東京工業大学)、三好直人(東京工業大学)、木村達明(大阪大学)
高密度化した無線通信セルラネットワークでは、移動体ユーザが通信先の基地局を変更するハンドオーバ処理の過剰発生という問題が発生する。本発表では、ハンドオーバの過剰発生への対策として、ハンドオーバを時間で制限する方式が提案され、空間点過程に基づく確率モデルによる性能評価法について紹介がなされた。
- 集団到着のある無限サーバ待ち行列の安定条件
*矢島萌子(東京工業大学)、増山 博之(京都大学)
本講演では、集団到着サイズ、到着時間間隔、サービス時間がそれぞれ独立かつ同一の一般分布に従うGI^X/GI/∞待ち行列を対象に、システム内にいる客数過程の安定条件(必要十分条件)とその証明について説明がなされた。
- マルコフ連鎖における条件付き定常分布の線形不等式系による特徴づけ
(2019年9月27日更新)
第282回部会報告
- 日時:
- 2019年5月11日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 20名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は講演者):
-
- モード推定に基づくロバスト主成分分析
*日野英逸(統計数理研究所)、三戸圭史(筑波大学)
本講演では,古典的な主成分分析における分散の推定量に起因する外れ値への脆弱性と,主成分分析のロバスト化に関するモード推定に基づく新規手法が紹介され,その理論的性質が議論された. - リスクとリターンが語るピタゴラスの定理と標準正規分布の累積確率
*中西真悟(大阪工業大学)、大西匡光(大阪大学)
本講演では,リスクと正負のリターンの標準正規分布の特徴をばらつきと経過時間を関係づけながら考察された.具体的には,標準正規分布と逆ミルズ比による切片系方程式のグラフに対して,円と正方形を元にピタゴラスの定理を活用した評価方法が紹介され,幾何学的に興味深いいくつかの確率点が議論された.
- モード推定に基づくロバスト主成分分析
(2019年6月14日更新)
第281回部会報告
- 日時:
- 2019年4月20日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 18名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- M/G/1モデルを用いた光アクセスネットワークの平均遅延時間の解析
宮田純子(芝浦工業大学)
本講演では,光アクセスネットワークのEPONやLong Reach PONにおいてパケットの平均遅延時間を減少する予約方式が紹介され,M/G/1を基にした解析モデルによる平均遅延解析と数値例によって提案手法の有効性が議論された. - 乱択ベータ展開
冨田祐作,来嶋秀治(九州大学)
本講演では,はじめに2進展開を実数基数に拡張したベータ展開について説明がなされ,次にベータ展開に出現するビット列の判定および生成に係る計算効率に焦点をあて,実効区間上の一様実数に対するベータ展開ビット列を表現する隠れマルコフモデルが紹介された.
- M/G/1モデルを用いた光アクセスネットワークの平均遅延時間の解析
(2019年4月22日更新)
第280回部会報告
- 日時:
- 2019年2月16日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 20名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- サービス利用可能性を考慮した利用可能施設までの距離について
鵜飼 孝盛(防衛大学校)
本講演では救急車やドクターヘリのような出前型のサービスが,領域内で一様に分布する需要に対してサービスを提供する状況を想定し,複数の施設があるときに,施設配置場所の変更が,施設から需要までの距離,サービス時間,呼損率といった評価量に与える影響について,確率モデルを基にした検討結果が紹介された. - IoT応用に向けたデータ集約方式の性能評価
吉野 秀明(日本工業大学)
センサデータを一次集約するIoTゲートウェイにおいて,代表的なデータ集約方式の待ち行列モデルを示し,遅延時間分布のLST,平均遅延時間を最小化する最適集約パラメータの導出,ならびに時変入力に対する適応的制御への応用について報告された.
- サービス利用可能性を考慮した利用可能施設までの距離について
(2019年3月7日更新)
第279回部会報告
- 日時:
- 2018年12月15日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 20名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 反射型ランダムウォークと幾何
小林 正弘(東海大学)
本講演では,反射型ランダムウォーク及びマルコフ変調した反射型ランダムウォークの定常解析に着目し,2次元反射型ランダムウォークにおいて,各変化量の積率母関数が1を満たす曲線の交わり方や交点から,安定条件や漸近特性を求める方法が議論された.さらに, 3次元反射型ランダムウォークについても同様の方法の応用可能性について紹介された. - ネットワークにおける確率的伝播モデルの解析と制御
小蔵 正輝(奈良先端科学技術大学院大学)
伝染病の流行やコンピュータのマルウェアの拡散,あるいはソーシャルネットワーキングサービスにおける情報の伝播など,ネットワーク上で伝播していく事象はよく観察される.本講演では,ネットワークにおける確率的伝播モデルの一つであるSISモデルおよびその幾つかの拡張版が議論され,漸近挙動の解析,ならびに制御に関する最近の話題が紹介された.
- 反射型ランダムウォークと幾何
(2018年12月23日更新)
第278回部会報告
- 日時:
- 2018年11月17日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 17名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- Mn/Gn/1待ち行列による最適制御問題の解析
中出康一(名古屋工業大学)
本講演では,サービス速度と客の到着許可を制御する問題として系内人数に依存するM/G/1待ち行列を考え,解析結果を通じてサービス分布が最適制御にもたらす影響について議論された.また,単一製品の生産システムにおける(S,N)政策の解析を行い,最適政策と生産時間分布の関係が議論された. - プロジェクト・リスク・マネジメントにおける対策すべきリスクの選択について
福田裕一(金沢学院大経営情報学部)
桑野裕昭(金沢学院大経営情報学部)
本講演ではプロジェクト・リスク・マネジメントの実務において,リスク対策すべきリスクがどのように選択されているかについて紹介された.また,対策すべきリスクを適切に選択するため,リスク対策の効果を定量的に表すための新たな数理モデルと指標を導入し,これらを用いたリスク選択の手法とその有効性について議論がなされた.
- Mn/Gn/1待ち行列による最適制御問題の解析
(2018年11月23日更新)
第277回部会報告
- 日時:
- 2018年7月28日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 17名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- Externalities, optimization and regulation in queues
Moshe Haviv (The Hebrew University of Jerusalem)
本講演ではサービスシステムにおいて,客が到着したときシステムに入るかどうか選択できる状況を想定し,システムに入る選択が他の客の待ち時間に与える影響について待ち行列理論とゲーム理論を使った分析方法が紹介され,システムが最適になるための客の挙動などについて議論された. - Getting More Out of Generating Functions than Just Mean Values
Joris Walraevens (Ghent University)
待ち行列解析において系内客数の母関数を導出して,それを使い,系内客数の平均やモーメントを導出することが多い.本講演では,母関数から系内客数の裾確率を導出する方法が紹介され,M/G/1待ち行列,優先権付き待ち行列,優先権付き再試行型待ち行列に対して様々なサービス時間分布の下で母関数から導出された裾確率の漸近公式が示された.
- Externalities, optimization and regulation in queues
(2018年8月21日更新)
第276回部会報告
- 日時:
- 2018年6月16日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 19名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 配送拠点の立地を考慮した農産物産直流通モデル分析
蓮池 隆(早稲田大学)
本講演では農産物産直流通モデルを検討し,農家と小売りのマッチングを考慮しながら農産物をどの配送拠点に商品を運ぶか等の問題を整数計画問題で定式化し,農家と小売り双方にとってWin-win施策が議論された.
- いろいろなサービス規律を含む待ち行列ネットワークの安定性について
小沢 利久(駒澤大学)
本講演では背後過程を持つ反射型多次元ランダムウォークで表される待ち行列ネットワークついて,安定であるかどうかを判定するアルゴリズムが提案され,平均的な状態推移と安定性との関係が議論された.
- 配送拠点の立地を考慮した農産物産直流通モデル分析
(2018年6月19日更新)
第275回部会報告
- 日時:
- 2018年5月12日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 21名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 確率的分散投票モデルの合意時間解析
白髪 丈晴(中央大学)
本講演では,グラフ上の各頂点が周辺の意見を参考にしながら自身の意見を確率的に繰り返し変化させる“確率的分散投票モデル”について紹介がなされ,すべての頂点の意見が同じになるまでの合意時間について確率行列のコンダクタンスを用いた解析結果が示された.
- SNS上の情報拡散モデルと強相関近似解析
塩田 茂雄(千葉大学)
TwitterなどのSNS上で情報を受け取ったノードが指数分布に従う時間経過後に全隣接ノードに次々と情報を伝搬するマルコフモデルは状態爆発により厳密な解析が困難である.本講演ではこのモデルに対して,解析可能な強相関近似など複数の近似法が提案され,シミュレーションとの比較により近似の妥当性について議論が行われた.
- 確率的分散投票モデルの合意時間解析
(2018年5月13日更新)
第274回部会報告
- 日時:
- 2018年4月21日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 23名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 字幕付き動画教材の難易度推定と再生速度制御の評価
岸 康人(松蔭大学)
本講演では,インターネット上に公開されている英語動画教材を対象に,学習者のレベルに合わせた語彙情報の提供及び動画の自動再生速度を調整する手法が提案され,難易度の推定と再生速度調整のための指標として字幕データを使った難易度の算出法についての検討結果が報告された.
- 途中退去がある待ち行列モデルの損失率の近似評価
河西 憲一(群馬大学)
途中退去のあるM/PH/c待ち行列を中心に,客が一定値の待ち制限時間を超えてサービスを受けられない場合にシステムから離脱する確率(損失率)に対して漸近解析に基づく近似式を提案し,既存の近似式と比較し,提案式の有用性が議論された.
- 字幕付き動画教材の難易度推定と再生速度制御の評価
(2018年4月28日更新)
第273回部会報告
- 日時:
- 2018年2月17日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 18名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 利用者の戦略を考慮した待ち行列モデルについて
佐久間 大(防衛大学校)
本講演では,窓口数に不確実情報を含む待ち行列において,系内滞在時間に制限がある場合に,到着客を待ち行列に加える確率を最大化するための窓口数分布について解説された.特にここでは,M/G/1およびM/M/c待ち行列の2通りのモデルに基づいた定式化について述べられた.さらに,提案モデルのセキュリティ分野への応用についても簡単に議論された.
- 確率セルオートマトンモデルによるセルロースの酵素分解ダイナミクスの解明
江崎 貴裕(JSTさきがけ)
セルロースの酵素分解ダイナミクスについて,一分子の働きを確率セルオートマトンモデルで表現し,それらのダイナミクスをシミュレートするためのモデルについて解説された.本講演では提案されたモデルにより,生化学実験で得られた実験を定量的に再現できるだけでなく,一分子の働きと生化学反応としての無数の分子達の集団的な働きの間に大きな乖離が存在することについて,その理由を説明できることが示された.
- 利用者の戦略を考慮した待ち行列モデルについて
(2018年2月19日更新)
第272回部会報告
- 日時:
- 2017年12月16日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 21名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- セルラネットワークにおけるチャネル適応型ユーザスケジューリング効果の確率幾何解析
山本 高至(京都大学)
セルラネットワークの通信品質のひとつとしての信号対干渉雑音電力比について,その解析手法である確率幾何解析の一般的手法について解説された.特に,モンテカルロ法との関係,ポアソン点過程,キャンベルの定理や確率母汎関数,ラプラス変換が用いられる理由について述べられた.さらに,チャネル適応型ユーザスケジューリング効果の確率幾何解析手法について紹介された.
- 一般的な状態空間をもつマルコフ連鎖のPoisson 方程式の解に対する計算可能な上界とその応用
増山 博之(京都大学)
ポーランド空間上の連続時間マルコフ連鎖のPoisson方程式を考え,一般的なドリフト条件と比較的緩い条件のもとで,Poisson方程式の標準解の上界の導出について解説された.さらに,具体例として,M/GI/1待ち行列の系内仕事量過程を考え,そのPoisson方程式の標準解に対する計算可能な上界が示された.
- セルラネットワークにおけるチャネル適応型ユーザスケジューリング効果の確率幾何解析
(2018年1月6日更新)
第271回部会報告
- 日時:
- 2017年11月18日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 19名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- Performance of Large Cellular Networks; Data and Models
Bartłomiej Błaszczyszyn(INRIA-ENS, Paris, France)
セルラー網においてユーザスループットと通信需要との関係を分析するためのモデルについて解説が行われた.ユーザはプロセッサーシェアリングによりセル内で無線リソースを共有して基地局と通信する.ユーザの平均通信速度はセル内のローカルな通信速度(各地点での通信速度)の調和平均で与えられ,ローカルな通信速度は信号対干渉・雑音比に依存する.雑音に他のセルから干渉電波が含まれることで生じるセル間の相互作用は,平均場近似により自己無矛盾に決定する.以上のモデルにより,現実のユーザスループットと通信需要量との関係が定量的に再現できることを示した.さらに,本モデルをミクロセルとマクロセルが混在する場合に拡張するとともに,本モデルで得られた関係式がネットワーク規模のスケーリングに対して不変であることを示した.
- 平均上界付き有界確率過程における最大統計量の期待値の最良な上界
高田 寛之(長崎大学)
本講演では,上界と下界および平均の上界をパラメータとする有界確率過程のクラスにおける,とりうる最大統計量の期待値の中の最大値について解説が行われた.ここでは,最大値を達成する確率ベクトルが同じクラスから見つかり,それはパラメータを用いて陽に定めた多変量ベルヌーイ型分布に従うことを示した.さらに求めた上界と従来用いられていた一般的な不等式の上界との比較を行った.その結果,非負項に対するmax-sum不等式よりは一部改善が認められるものの,その差はごくわずかであることが示された.また,unionに関する確率の評価へ適用するとブールの不等式が得られることから,このクラスは,極限操作などをしない限り,潜在的に緩い上界を与えてしまうことを示した.ここでは,統計的多重効果の直感的な解釈から,この結果の意味付けについても解説を行った.
- Performance of Large Cellular Networks; Data and Models
(2017年11月24日更新)
第270回部会報告
- 日時:
- 2017年7月15日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 26名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 不確実な状況下での空港旅客流のモデリングとマネジメント:福岡空港の事例から
山田 広明(株式会社富士通研究所)
福岡空港国際線ターミナルを対象とした旅客流シミュレーションについて解説された.ここでは,各施設により構成される空港ターミナルを複雑適応系と捉え,離散事象モデルを用いた旅客流シミュレーションを構築し,二回の実験により構築したシミュレーションの妥当性を確かめた.さらに,シミュレーションと実験結果を用いてステークホルダーと対話を行うことで,事前に入手することが困難であったデータや専門家の領域知識を入手できることを確かめた.以上の結果から,シミュレーションのコミュニケーションツールとしての側面に着目し,モデリング・予測・ステークホルダーとの議論を繰り返すことで,不確実性を体系的に低減させながらシミュレーションを開発することが可能であることを示した.
- 有界な経路損失関数をもつセルラネットワークにおける信号対干渉比分布の裾の対数漸近特性
三好 直人(東京工業大学)
セルラネットワークの空間確率モデルに対して信号対干渉比分布の裾の漸近特性を示した.これまでに,距離による信号の減衰を表す経路損失関数として冪乗関数が用いられていたが,これは距離が近くなると発散してしまい,信号対干渉比分布の裾を調べるのに現実的であるとは言えなかった.そこで本講演では,有界な経路損失関数を考えるのと同時に,これを正則変動関数への一般化を行った.こうして得られたモデルに対して,いくつかの仮定のもとで信号対干渉比分布の裾の対数漸近上界および対数漸近下界を導いた.
- 不確実な状況下での空港旅客流のモデリングとマネジメント:福岡空港の事例から
(2017年7月27日更新)
第269回部会報告
- 日時:
- 2017年6月17日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 20名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- ネット炎上のモデル化と対策
会田 雅樹(首都大学東京)
ネット炎上の発生原因について工学的なモデル化を行い,その対策技術について解説された.本講演では,ユーザ間の影響力が非対称であることを反映して有向グラフ上での振動モデルを導入し,ノードの振動エネルギーが,伝統的なノード中心性の概念の拡張になることを示した.さらに,ノード中心性が発散する現象をネット炎上とし,その発生原因をグラフ構造に関連付けて解決策を議論した.また,ネット炎上がその発生要因からどのように生ずるのかについて,因果関係を把握可能なモデル化を行うと,量子論的な時間発展方程式に結びつくことを示した.
- マルコフモデルによる救急自動車の最適配備について
稲川 敬介(秋田県立大学)
救急自動車のシステムのモデル化を行い,配備場所などの変更による運用改善について解説された.本講演では最初に,混合整数計画法を用いた古典的な配置問題の基本モデルとその応用例について紹介され,次に,マルコフモデルを適用した救急自動車システムのモデル化について紹介された.このマルコフモデルを用いることにより,現実的な不確実性を表現することが可能である.ここでは,救急自動車の配備場所と台数の関係を示す事例や,現状の配備に数台の救急自動車を追加する際の最適な配備場所をシミュレーションにより求めた事例などが紹介された.
- ネット炎上のモデル化と対策
(2017年6月23日更新)
第268回部会報告
- 日時:
- 2017年5月20日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 20名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 協調型ITSに向けた車車間通信モデル
木村 達明(NTT ネットワーク基盤技術研究所)
協調型ITS(Cooperative Intelligent Transport Systems)におけるV2V/V2I通信に向けた,都市環境を考慮した通信の数理モデルが提案され,stochastic geometryアプローチによる理論的な性能解析について述べられた.ここでは主に,格子状道路網における通信モデル,停止・走行車両を考慮した交差点のモデル,車両の混雑を考慮した電力制御法について解説された.
- 無線全二重通信ネットワークにおける理論解析
眞田 耕輔(三重大学)
同じ周波数で送受信を同時に行うことのできる無線全二重通信ネットワークについて,性能解析のための理論手法について述べられた.ここでは特に,これまでに検討されている無線全二重通信におけるMACプロトコルに対する数理モデルが提案され,無線全二重通信がネットワークの振舞いおよび性能に与える影響について解説された.
- 協調型ITSに向けた車車間通信モデル
(2017年5月22日更新)
第267回部会報告
- 日時:
- 2017年4月15日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 23名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 待ち行列理論とシミュレーションとの連携
水野 信也(静岡理工科大学)
テーマパークにおける施設の配置問題について,閉鎖型待ち行列ネットワークの理論解を用いた配置方法が提案された.さらに,対応するシミュレーションの実験結果から,得られた施設配置のシステム性能に与える影響が示され,理論とシミュレーションとの連携について今後の展望が述べられた.
- マルチンゲールと待ち行列ネットワークの漸近解析
宮沢 政清(東京理科大学)
マルチンゲールと測度変換を用いた確率解析による待ち行列ネットワークの大きな混雑の評価(定常分布の漸近特性)について解説された.本講演では特に,マルチンゲールの作り方および測度変換後の待ち行列ネットワークの安定性について述べられ,ここで得られた手法の一般化ジャクソンネットワークへの応用が示された.
- 待ち行列理論とシミュレーションとの連携
(2017年4月17日更新)
第266回部会報告
- 日時:
- 2017年2月18日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 21名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 二分決定グラフを用いたグラフ最適化
川原 純(奈良先端科学技術大学院大学)
集合族をコンパクトに効率良く表現するためのデータ構造である,ゼロサプレス型二分決定グラフ(ZDD)について解説された.さらに,ZDDを用いた最長路問題の解の導出や,一票の格差が小さい選挙区割の列挙などの応用についても紹介された.
- 客の離脱を伴う待ち行列ネットワークの安定性条件〜複数クラス・フィードフォワード型と一般化ジャクソン型の場合
勝田 敏之(関西学院大学)
客の離脱を伴う待ち行列ネットワークが安定になるための十分条件について,流体極限の安定性理論を適用した導出方法について解説された.さらに,得られた安定性条件について,簡単なネットワーク(タンデム型など)への応用例について紹介された.
- 二分決定グラフを用いたグラフ最適化
(2017年2月27日更新)
第265回部会報告
- 日時:
- 2016年12月17日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 19名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 連続時間マルコフ連鎖の準定常分布ならびに感度関数の算出について
岡村 寛之(広島大学)
連続時間マルコフ連鎖に対する準定常分布ならびに感度関数の算出アルゴリズムについて考察を行った.ここでは,Gauss-Seidel型アルゴリズムの導出について解説し,他の計算手法との比較実験について紹介した.特に,感度関数については,低コストで実用性が高いことを報告した.
- 集団サービスを持つ優先権付き待ち行列によるビットコイン・トランザクション承認時間解析
笠原 正治(奈良先端科学技術大学院大学)
待ち行列モデルを用いたビットコイン・トランザクションの承認時間解析について紹介した.ここでは,集団サービスを持つ優先権付き単一サーバ待ち行列によりシステムをモデル化し,優先権毎のトランザクションの平均承認時間の導出について解説した.さらに,過去二年間のトランザクションに対する統計的分析結果を基に計算した平均承認時間の数値例を示した.
- 連続時間マルコフ連鎖の準定常分布ならびに感度関数の算出について
(2016年12月22日更新)
第264回部会報告
- 日時:
- 2016年11月19日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 24名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- インタラクション分析に基づく通信ネットワークの設計
新井田 統,小頭 秀行(KDDI総合研究所)
携帯電話に代表されるICTデバイスの高度化により,ハードウェアの性能は年々向上しているものの,輻輳による通信品質劣化の問題はいまだに存在する.本講演では,人とネットワークのインタラクションという観点から通信行動を分析した結果について報告され,通信ネットワークの設計に人の行動の特性を反映する方法について議論された.
- Nonlinear Markov Processを使った個体と環境の相互作用モデル
豊泉 洋(早稲田大学)
伝染病の感染や情報の伝搬など,個体とその周囲の個体群(環境)の相互作用のある現象は,微分方程式による確定的なモデルや,Markov過程を用いた確率的なモデルによって分析される.本講演では,Nonlinear Markov ProcessとMean field gameの理論を用い,環境と個体のダイナミックスの間の不動点を求めることにより,確定的なモデルと確率的なモデルの関係を分析する手法について解説された.
- インタラクション分析に基づく通信ネットワークの設計
(2016年11月24日更新)
第263回部会報告
- 日時:
- 2016年7月16日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 19名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- ボトルネックにおけるトラヒック特性変化について
石橋 圭介(NTTネットワーク基盤技術研究所)
混雑状態におけるトラヒック特性変化について,実測データを用いた分析結果が紹介された.ここでは特に,空間相関・時間相関に着目した分析が紹介され,トラヒック特性が混雑による品質劣化の結果として変化することが示された.
- 確率分布に関する凸最適化問題の最適解探索アルゴリズム
*中川 健治(長岡技術科学大学)
通信路容量とユークリッド空間における最小包含円の問題が類似の幾何学的構造を持ち,このことが,通信路容量を達成する出力分布を計算するアルゴリズムに応用できることについて解説された.ここでは特に,通信路容量を求めるための不等式制約がある凸最適化問題について,等式制約の凸最適化問題を有限回解くアルゴリズムが提案された.
- ボトルネックにおけるトラヒック特性変化について
(2016年8月10日更新)
第262回部会報告
- 日時:
- 2016年5月21日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 24名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 拡張かんばん方式によるプル型生産システムの性能評価法
井家 敦(神奈川工科大学)
本講演では,単一品種の製品を扱う単一工程拡張かんばんシステムの離散時間マルコフ連鎖によるモデル化・計算法について解説された.ここでは,モデルにおける推移確率行列を効果的に計算するための方法,さらに,縮約/非縮約法を用いた性能評価量の計算方法について提案された.
- セルラネットワークの空間確率モデルにおける信号対干渉比分布の裾漸近特性について
三好 直人(東京工業大学)
本講演では,セルラネットワークの空間確率モデルについて紹介され,信号対干渉比分布の裾漸近特性について解説された.ここでは,裾漸近特性を得るための十分条件が導かれ,さらに,その条件を満たすモデル・満たさないモデルについても紹介された.
- 拡張かんばん方式によるプル型生産システムの性能評価法
(2016年5月26日更新)
第261回部会報告
- 日時:
- 2016年4月16日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 28名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- active計測によるネットワークQoS過程のサンプリングとQoS推定精度について
渡部 康平(長岡技術科学大学)
本講演では,有限時間内のactive計測における最適なプローブパケット送出方法を,計測対象に対して一意に特定する方法が提案された.さらに,最適なプローブパケット送出方法と各計測パラメータとの依存関係が明らかにされた.
- 優先サービスを行う待ち行列ネットワークの重負荷近似と状態空間の崩壊
宮沢 政清(東京理科大学)
重負荷における待ち行列モデルの尺度変換による弱収束を用いた近似,および,その際に現れる状態空間の崩壊について解説された.さらに,2ノード4クラスの割り込み優先ネットワークについて,重負荷近似における定常分布の裾の減少率の意味で,どのクラスのサービスを優先して行えば良いかについて示された.
- active計測によるネットワークQoS過程のサンプリングとQoS推定精度について
(2016年4月20日更新)
第260回部会報告
- 日時:
- 2016年2月20日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 21名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 客の待ち時間に制約のある集団到着 M/G/1 待ち行列の解析
井上 文彰 (大阪大学)
本講演では,客の待ち時間のある集団到着型の単一待ち行列に対し同じ集団内で待ち時間制約長が同一および異なる場合における呼損率・系内仕事量および実待ち時間分布の導出法について述べられた.
- d次元反射型ランダムウォークの漸近解析の展望
小林 正弘(東海大学)
本講演では,d次元反射型ランダムウォークにおける安定性の導出および漸近解析の可能性について述べられた.また,2次元反射型ランダムウォークでの解析に用いることが可能な手法についての紹介があり,これらがさらに高次元のモデルに適用可能であるかといった議論があった.
- 客の待ち時間に制約のある集団到着 M/G/1 待ち行列の解析
(2016年3月22日更新)
第259回部会報告
- 日時:
- 2015年12月19日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 20名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- Mathematical analysis of diffusion approximation of GI/G/1 queue
本多 泰理 (NTTネットワーク基盤研究所)
本講演では,GI/G/1待ち行列における拡散近似に対し,基本復帰境界条件を考慮した場合の解の導出法について述べられた.さらに,定常解の一意性および非負性が述べられた.
- レベル依存するM/G/1型マルコフ連鎖の特別なクラスに対する新解法
滝根 哲哉(大阪大学)
本講演では,ある構造を持つレベル依存するM/G/1型マルコフ連鎖の定常解についての数値計算アルゴリズムおよびその誤差評価について述べられた.また,数値計算により提案アルゴリズムの特性が示された.
- Mathematical analysis of diffusion approximation of GI/G/1 queue
(2016年1月25日更新)
第258回部会報告
- 日時:
- 2015年11月21日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 26名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)1008号室
- テーマと発表者:
-
- 最適停止問題によるジョブ処理システム若化の解析
町田 文雄(東京工業大学)
本講演では,ジョブ処理システムを純死滅過程にてモデル化を行い,最適ソフトウェア若化ポリシーを最適停止問題として定式化し導出した.
- 独立確率過程の大数の強法則と流れが定める確率順位付け模型
服部 哲弥 (慶応義塾大学)
本講演では,Amazonのランキングが確率順位付け模型にて表現できることの紹介があった.また,単調関数値独立確率変数列に対する対数の強法則と完全収束に
ついて述べられた.
- 最適停止問題によるジョブ処理システム若化の解析
(2015年12月9日更新)
第257回部会報告
- 日時:
- 2015年10月17日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 15名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)1008号室
- テーマと発表者:
-
- 価格に依存した需要をもつ最適発注・価格付けモデルについて
中出 康一(名古屋工業大学)
本講演では,販売価格に需要が依存する線形市場および平面市場の販売価格均衡モデルを考え,そのナッシュ均衡解について述べられた.また,数値例にてその特性が示された.
- Exact Throughput Capacity Study on Aloha Mobile Ad Hoc Networks
Yin Chen (Keio University)
本講演では,Alohaモバイル・アドホックネットワークのスループット解析を待ち行列モデルを用いて行った.また,シミュレーション実験との比較により,その解析結果の妥当性が示された.
- 価格に依存した需要をもつ最適発注・価格付けモデルについて
(2015年10月21日更新)
第256回部会報告
- 日時:
- 2015年7月18日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 21名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 半直線上の線形強化ランダムウォークについて
竹居 正登(横浜国立大学)
本講演では,半直線上に推移する線形強化ランダムウォークについての説明があった.まず,Polyaの壺とランダムウォークの関係性が述べられ,対象となる線形強化ランダムウォークの再帰性に関する条件が示された.
- GI/G/1待ち行列の到着時点使用率と任意時点使用率の関係
塩田 茂雄(千葉大学)
本講演では,GI/G/1待ち行列における到着時点と任意時点でのシステムの使用率の関係性が示された.特にサービス時間を指数分布としたときに満たす関係式に関する条件の緩和を行った.
- 半直線上の線形強化ランダムウォークについて
(2015年8月18日更新)
第255回部会報告
- 日時:
- 2015年6月20日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 18名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 待ち行列ネットワークの安定性について
小沢 利久(駒澤大学)
本講演では,待ち行列システムの安定性の解析法である,second vector fieldによる方法と流体極限・流体モデルによる方法を紹介した.また,ある待ち行列ネットワークの例に対する安定性条件を導出した.
- Stein’s method for diffusion approximations of many-server queues
Anton Braverman(Cornell University)
本講演では,複数サーバの待ち行列システムに対する定常分布についてStein’s methodを用いた拡散近似について述べた.また,数値例にて近似値の有効性が示された.
- 待ち行列ネットワークの安定性について
(2015年8月18日更新)
第254回部会報告
- 日時:
- 2015年5月16日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 25名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
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- 積分幾何の応用としての「被災しないネットワーク」設計法
斎藤 洋(NTTネットワーク基盤技術研究所)
本講演では,被災が発生する確率が最小となるネットワーク手法を微分幾何に基づき提案した.また,上記の提案方式の有効性をいくつかの数値例を元に示した.
- Newton の不等式を用いたオッズ問題の解析
松井 知己(東京工業大学),穴太 克則 (芝浦工業大学)
本講演では,Brussによって提唱されたオッズ問題に対し,その勝利確率を最大にする方法について議論した.特に,ここではNewtonの不等式を利用することで,その最適停止規則と勝利確率の下界が一般化された問題に対して導き出せることを示した.
- 積分幾何の応用としての「被災しないネットワーク」設計法
(2015年5月20日更新)
第253回部会報告
- 日時:
- 2015年4月18日(土) 14:00〜17:00
- 出席:
- 28名
- 場所:
- 東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 客の離脱を伴う複数クラス先着順単一サーバ待ち行列の重負荷近似
勝田 敏之(関西学院大学)
本講演では,客の離脱を伴う複数クラス先着順単一サーバ待ち行列に対し,各クラスの待ち行列長過程および仕事量過程の重負荷極限を求める手法について議論した.さらに定常分布の重負荷近似についても説明があった.
- 航空機の搭乗問題からランダム行列へ
白井 朋之(九州大学)
本講演では,飛行機搭乗問題を例に,これらを最も単純化したToy Modelを与え,それらとランダム行列等との関連性について述べられた.また,クエルナバカのバスの挙動に対する非衝突ポアソン過程によるモデル化についても説明があった.
- 客の離脱を伴う複数クラス先着順単一サーバ待ち行列の重負荷近似
(2015年4月21日更新)