第218回部会報告
- 日時:
- 2月20日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 23名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は発表者):
-
- 規定されたトラヒックに対する仮想リソース割当による呼受付制御法についての考察
*土屋 利明,池上 大介(NTTサービスインテグレーション基盤研究所)
トラヒックへの排他的網リソース割当方式に基づく,確定的なQoS保証を実現する呼受付制御法について考察した.トークンバケットモデルに従うトラヒックを仮定し,帯域リソースとバッファリソースの2種類のリソースの割り当て方式の簡便な計算手法について提案がなされた.
- M/G/1型マルコフ連鎖の定常裾確率ベクトルの劣指数漸近特性
増山 博之(京都大学)
M/G/1型マルコフ連鎖の定常裾確率ベクトルの劣指数漸近特性について発表がなされた.レベル1以上での遷移の周期性の有無によって, 劣指数漸近特性の十分条件が変わることを示し,MAP/GI/1待ち行列への応用を行った.
- 規定されたトラヒックに対する仮想リソース割当による呼受付制御法についての考察
(2010年3月2日更新)
第217回部会報告
- 日時:
- 12月19日(土曜日)15:00〜17:30
- 出席:
- 29名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は発表者):
-
- 離散時間優先権付き待ち行列における平均待ち時間
滝根 哲哉 (大阪大学)
複数のクラスの客が到着する離散時間単一サーバ待ち行列を考察した.各クラスの客が割込み優先権規律,あるいは,非割込み優先権規律に従いサービスを受ける場合の,各クラスの客の平均待ち時間の陽表現を示した.
- Scheduling to balance energy and delay
Adam Wierman (カリフォルニア工科大学)
計算機システム設計の際に,従来考えられてきた待ち時間等の指標に加え,処理を行う際に要する電力コストなどを考慮した新しい性能評価の可能性について議論を行った.
- 離散時間優先権付き待ち行列における平均待ち時間
(2009年12月23日更新)
第216回部会報告
- 日時:
- 11月21日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 24名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は発表者):
-
- Stochastic Comparisons in Revenue Management Under a Discrete Choice Model of Consumer Behavior
増田 靖(慶應義塾大学)
航空会社の予約クラス等に用いられる Revenue Management において,客の到着がランダムである場合を考え,客の購買行動が期待される利潤に与える影響について議論された.
- 近接作用の原理に基づく自律分散ネットワーク制御の枠組みとその応用
*会田 雅樹(首都大学東京),高野 知佐(広島市立大学),村田 正幸(大阪大学),今瀬 真(大阪大学)
近接作用に基づく自立分散制御の枠組みについて議論された.具体的には,システムの望ましい大域的な振る舞いを解として持つ微分方程式を構成し,システムの構成要素は方程式に基づく隣接単位間の局所的な作用によって制御される方式の提案がなされた.
- Stochastic Comparisons in Revenue Management Under a Discrete Choice Model of Consumer Behavior
(2009年11月24日更新)
第215回部会報告
- 日時:
- 10月17日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 25名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は発表者):
-
- マルコフ加法過程における占有測度の裾の漸近特性
小林 正弘(東京理科大学 博士後期過程2年) - コピュラによる多変量間の依存性のモデリング
松尾 佑輔(大阪大学 修士課程2年) - Dynamic Analysis of a Unified Multivariate Counting Process and Its Asymptotic Behavior
黄 嘉平(筑波大学 博士後期過程2年) - レベル依存型QBDのためのバックワード・アルゴリズムと再試行型待ち行列への応用
フン ドック トゥアン(京都大学 博士後期過程2年)
10月開催となる第215回部会では昨年度と同様に学生による研究発表を行った.
1では背後状態がM/G/1型の推移を持つ2次元離散マルコフ加法過程に対し,占有測度の裾の減少率をブロック推移行列の母関数を用いた式で表現する結果が紹介された.2では2変量コピュラの多変量コピュラへの拡張とパラメータ推定の方法について議論した.3では到着率が背後過程のセミマルコフ過程の振る舞いによって記述される変調ポアソン過程によって事象が発生する計数過程等の1次モーメントを導出した.4ではM/M/c/c+r再試行型待ち行列の定常状態確率に対し,公比行列の計算アルゴリズムを提案した.
- マルコフ加法過程における占有測度の裾の漸近特性
(2009年10月21日更新)
第214回部会報告
- 日時:
- 7月18日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 27名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は発表者):
-
- ORに関係するいくつかの研究テーマについて
能上 慎也(東京理科大学)
日常生活のなかの身近なORの研究テーマとして,Webサイトの解析やテーマパーク型の混雑現象,道路交通などのトピックが紹介され,これらに関連した確率モデルの提案や待ち行列理論を絡めて考察がなされた.
- レベルクロッシング法とその周辺の関連事項
片山 勁(中部通信トラヒック工学研究所)
レベルクロッシング法は,マルコフ過程のサンプルパスが一定のレベルを出入りする率が定常状態では平衡することを用いて定常状態確率を解析する手法である.残余処理時間による最短待ち行列モデルに本手法を適用し,定常分布を解析する手法が紹介された.
- ORに関係するいくつかの研究テーマについて
(2009年7月23日更新)
第213回部会報告
- 日時:
- 5月16日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 32名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は発表者):
-
- Exponential Limits in Heavy Traffic for Single-server Queues: Stationary Input
Karl Sigman (Columbia University)
M/M/1待ち行列ではトラフィック密度を1に近づけたときの定常待ち時間分布は,指数分布に漸近的に近づくことが知られている.本発表では,客の到着間隔,処理時間過程が一般の定常過程であるようなG/G/1待ち行列を考え,待ち時間分布が指数分布に漸近的に近づくための十分条件を導出した.
- Existence of an Equilibrium in Markov games with Strategic Complementarities
*渡辺 隆裕,山下 英明(首都大学東京)
優モジュラゲームと呼ばれ純粋戦略でナッシュ均衡が存在するゲームと,マルコフゲームと呼ばれるマルコフ意思決定過程の意志決定者を2人以上としたゲームとを考え,有限離散時間マルコフゲームが純粋戦略の均衡を持つ十分条件を示した.
- Exponential Limits in Heavy Traffic for Single-server Queues: Stationary Input
(2009年5月19日更新)
第212回部会報告
- 日時:
- 4月18日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 26名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は発表者):
-
- 「確率過程を用いた排出権,燃料,卸電力の価格変動分析」
遠藤 操((財)電力中央研究所)
欧州では二酸化炭素排出権は市場で取引されている.
本発表では,排出権取引の背景と,その価格が電力,石油や天然ガス価格と連動して変動することを解説し,時系列モデルを用いて価格変動を推定する試みを紹介した.
- 「インターネット上でのリアルタイム通信のQoS確保技術(PCN)と待ち行列について」
佐藤 大輔(NTTアドバンステクノロジ(株))
インターネット上でのリアルタイム通信において,確率的なパケットマーキング方式の提案がなされた.しきい値による画一的なマーキングを行う従来方式に比べ柔軟な輻輳制御が可能となることがシミュレーションによって検証された.
- 「確率過程を用いた排出権,燃料,卸電力の価格変動分析」
(2009年4月20日更新)
第211回部会報告
- 日時:
- 2月21日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 23名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は発表者):
-
- An efficient Authentication Protocol for Mobile IP Networks
李 頡(筑波大学)
携帯電話通信網における従来のAAAアーキテクチャにおけるユーザの移動に伴う認証の問題を指摘し,新たしい認証プロトコルの提案を行った.提案方式によって認証に要する時間等の性能評価尺度が改善されることがシミュレーションによって確認された.
- Markov chains with delay
*岸 康人, 紀 一誠(神奈川大学)
現在の状態とt時点前の状態の両方のみに依存して推移確率が決まる拡張されたマルコフ連鎖を考える.過渡確率の母関数を状態数の大きさの行列で表現できることを示した.
- An efficient Authentication Protocol for Mobile IP Networks
(2009年2月26日更新)
第210回部会報告
- 日時:
- 12月20日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 28名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者(*は発表者):
-
- 「インターネットトラヒックのマルチスケール解析」
*計 宇生(国立情報学研究所),高木 英明(筑波大学)
インターネットトラヒックの自己相似性や長期依存性についてはこれまで多くの研究がなされてきた.本発表では,実データの分析を通して時間スケールによってハーストパラメータの値が異なる現象が生じることが報告され,それに対するモデル化と性能評価手法が紹介された.
- 「プロキシキャッシュサイトのあるウェブサーバシステムの性能解析法−拡散過程によるモデル化と解析」
高橋 敬隆(早稲田大学)
本発表では複数のプロキシサーバからなるウェブシステムのモデル化と,拡散過程を用いた平均応答時間の公式を導く手法が紹介された.
- 「インターネットトラヒックのマルチスケール解析」
(2008年12月22日更新)
第209回部会報告
- 日時:
- 11月15日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 24名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 「マルコフ連鎖の収束時間とMCMC法」
来嶋 秀治(京都大学)
離散時間,有限状態マルコフ連鎖の定常分布への収束時間をカップリング法を用いて評価する手法を提案し,閉ジャクソンネットワークの適用事例が紹介された.本手法は,MCMCにおける効率的な定常分布の推定等への応用が期待できる.
- Tail Asymptotics for a Computer Reliability Problem
Tomasz Rolski (ヴロツワフ大学,ポーランド)
独立同一分布に従う時間を要する一連のジョブを,各ジョブがT時間以内に終了する限り
継続するシステムを考える.時間Tがランダムでとりうる値が有界でない場合は,
システムが終了するまでの時間の分布は重い裾を持つことを示した.
- 「マルコフ連鎖の収束時間とMCMC法」
(2008年11月17日更新)
第208回部会報告
- 日時:
- 10月18日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 22名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと発表者:
-
- 「客の棄却を有するM/M/c/c再試行型待ち行列モデルの解析解について」
Phung Duc Tuan(京都大学 博士後期課程1年)
ポアソン到着と指数時間分布の処理時間を持つM/M/c/cにおいて,ベルヌーイ型の棄却を伴う客の再試行を持つモデルを考える.本発表ではサーバ数が2または3の場合に漸化式を用いて定常状態確率を求めるアルゴリズムが提案された.
- 「集団移動型ジャクソンネットワークにおける定常分布の漸近特性」
小林 正弘(東京理科大学 博士後期課程1年)
集団ポアソン到着と指数処理時間分布を持つ2ノードジャクソン型ネットワークにおいて,推移速度行列が2重M/G/1型となることを用いて定常状態確率が幾何的に減衰することを示し,減衰率の上階および下界を求めた.さらに特定のケースにおいて減衰率の厳密解が得られることが示された.
- 「客の棄却を有するM/M/c/c再試行型待ち行列モデルの解析解について」
(2008年10月20日更新)
第207回部会報告
- 日時:
- 7月19日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 30名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師:
-
- 「安全安心を支援する車車間通信とその特性評価」
Oyunchimeg Shagdar(ATR適応コミュニケーション研究所)
自動車間がアドホックな無線通信網を構成することで,交差点における衝突回避などを実現するシステムの構築を考える.車両数や車両間隔といった環境を様々にとったとき,CDMA方式やCSMA方式等の接続方式が性能に与える影響をシミュレーションによって比較する手法が紹介された.
- 「待ち行列理論と協力行動の進化」
豊泉 洋(早稲田大学)
生物における協力行動を待ち行列的な考え方を用いて数理的にモデル化し,生物群の進化を分析するsocial queueの手法が紹介された.ハチを例として集団に属することによる利得が先着順に得られる生物群を考え,長い時間が経過したときの協力行動の成否は利得関数の形状によって異なることが示された.
- 「安全安心を支援する車車間通信とその特性評価」
(2008年7月21日更新)
第206回部会報告
- 日時:
- 5月17日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 40名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師:
-
- 「Zipf型頻度分布をもつボールとビンの確率モデルにおける寸法指標の極限分布」
三好 直人(東京工業大学)
複数のビンのいずれかに1つのボールをZipf型(べき乗則)分布に従って入れる試行を繰り返す.ある個数のボールが入っているビンの数を寸法指標と呼ぶ.Zipf型のべき係数が1未満として試行を無限回繰り返したときの,寸法指標の極限分布を導出する手法が紹介された.
- 「追い越しのないジャクソンネットワークにおける滞在時間分布の代数的導出」
小沢 利久(駒澤大学)
ジャクソンネットワークにおいて一つの客に注目し,その客が特定のパスを移動する際に要する時間分布を考える.直列型待ち行列と同様に,一般のジャクソンネットワークにおいても注目している客が他の客に追い越しをされない状況下では,移動に要する時間はパスに関連するノードの状態数に依存した吸収型マルコフ連鎖の吸収時間分布で表現できることが示された.
- 「Zipf型頻度分布をもつボールとビンの確率モデルにおける寸法指標の極限分布」
(2008年5月20日更新)
第205回部会報告
- 日時:
- 4月21日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 31名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「危険準備過程の解析」
*土井 誠 (東海大学)
損害保険会社などでの危険準備金を,ランダムに発生する大規模需要(大地震時の保険金請求などの)によって変化する確率過程としてモデル化し,破産確率を最小とする準備金積み立て方策を求める手法が紹介された.
- 「2重QBD過程の減少率問題への解答とその応用」
*宮沢 政清 (東京理科大学)
2重QBD(出生死滅)過程とは背後過程がQBD過程である準QBD過程のことで,応用例として受け持ちの系が空いているときに他方の客を処理する並列待ち行列モデルなどが挙げられる.Wiener-Hopf分解を用いて2重QBD過程の公比行列の固有値を求め,周辺定常分布の裾の減少率を得る方法が紹介された.
- 「危険準備過程の解析」
(2008年4月22日更新)
第204回部会報告
- 日時:
- 2月16日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 28名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「マルチエージェントアプローチによる待ち行列システムの性能評価について」
*奥田 隆史(愛知県立大学 情報科学部)
自律的に行動するエージェントが相互に作用することによってシステムの挙動が決定されるマルチエージェントシステムをシミュレーション手法として使った性能解析法が紹介された.適用例として,ヒューマノイド型ロボットの信頼性評価,コンテンツ配信ネットワークにおけるコンテンツ配置アルゴリズム評価などが報告された. - 「経営に関わりのあるいくつかの課題について」
*能上 慎也(東京理科大学 経営学部)
サービス資源の割り当てや配分,またサービス提供時の混雑解消策について,客と経営者の両方の視点に立脚して課題提起された.例として,理髪店やカウンセリング等における多様な客へのサーバの割り当て問題,健康診断やテーマパークなどでの巡回客の混雑問題,入学選抜試験やゼミ配属における固定枠争奪問題が議論された.
- 「マルチエージェントアプローチによる待ち行列システムの性能評価について」
第203回部会報告
- 日時:
- 12月15日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 28名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「マルチクラス待ち行列の平均待ち時間の解析法とその計算量」
*平山 哲治(筑波大学 システム情報工学研究科)
マルチクラス待ち行列の平均待ち時間について関数解析的方法が示された.本解析方法を,優先権待ち行列,ポーリングシステム,フィードバック待ち行列システムに適用すると平均待ち時間の計算量が従来手法よりも少なくなることが示されていたが,マルコフ式ポーリングシステムについても同様な性質を持つことが検証された. - 「再送パケット長保持性と無線ネットワークでのその影響について」
*池川 隆司(NTT),高橋 幸雄(東京工業大学大学院)
再送制御を有するパケット通信において,再送パケット長が廃棄パケット長と等しくなる性質を考慮した転送パケット長のマルコフモデルが提案された.有線・無線統合網を想定した場合の平均往復応答時間や平均転送パケット廃棄率の解析解が導出され,無線網のビット誤り率が性能評価指標に与える影響を数値例により検討した.
- 「マルチクラス待ち行列の平均待ち時間の解析法とその計算量」
2007年12月17日
第202回部会報告
- 日時:
- 11月17日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 21名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「開始と締切りが設定されたシステムの到着モデルとその応用」
*松嶋 敏泰(早稲田大学 基幹理工学部 応用数理学科)
大学のウェブによる科目履修システムのように開始と締切りが設定されたシステムへの到着過程についてモデル化の検討結果が紹介された.対象期間の開始直後と締切り直後の特別な変動をモデル化する非定常ポアソン過程の強度関数のパラメータを推定する手法が提案され,実際のデータをもとに提案モデルの有効性が議論された. - 「Overflow probabilities in a two-node parallel queue.」
*Zbigniew Palmowski(Mathematical Institute, University of Wroclaw)
2つのノードからなる流体型並列待ち行列システムについて,レビー過程を入力とする場合の待ち行列長の漸近特性が解析され,その結果が紹介された.2つのノードのうち,どちらか一方が閾値を超える場合や,同時に閾値を超える場合等の漸近特性が示された.また,複合ポアソン過程等を例に漸近領域での減衰率が求められた.
- 「開始と締切りが設定されたシステムの到着モデルとその応用」
2007年11月19日
第201回部会報告
- 日時:
- 10月20日(土曜日)14:00〜17:30
- 出席:
- 29名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「自己駆動粒子系と渋滞学」
*西成 活裕(東京大学大学院 工学系研究科)
高速道路での車の自然渋滞などを,自己駆動する粒子群の現象として捉える数理物理的な方法論が紹介された.また,渋滞を解消するために,構成員が自主的に協調して判断する創発的社会システムの必要性が論じられた. - 「On Call Center Scheduling」
*Alex Fukunaga(東京工業大学)
コールセンタスタッフのスケジューリング問題について,局所探索アルゴリズムとその適用事例が紹介された.スキルの異なるスタッフを考慮した待ち時間分布等の高速な評価アルゴリズムが今後の課題として挙げられた. - 「Can we explicitly solve an M/M/c retrial queue for c > 2?」
*Yiqiang Q. Zhao(Carleton University)
複数サーバ待ち行列モデルについて,客が再呼する場合の解析結果が報告された.サーバ数が2までは陽な客数分布が得られる理由が,センサ過程と連分数の手法を用いることにより一層明確に理解されることが示された.
- 「自己駆動粒子系と渋滞学」
2007年10月22日
第200回部会報告
- 日時:
- 7月21日(土曜日)14:00〜17:00
- 出席:
- 49名
- 場所:
- 東東京工業大学 西8号館(E)10階大会議室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「情報ネットワークの未来とそれを支える科学のあり方」
*村田 正幸(大阪大学 大学院情報科学研究科)
現状のインターネットアーキテクチャと性能評価法の限界について指摘されるなか,将来の情報社会を支える新しいネットワーク科学の必要性が議論され,例として生物学にヒントを得たネットワーク制御が紹介された. - 「性能評価(拡散近似)法と金融工学(オプション価格評価)〜その類似点と相違点〜」
*高橋 敬隆(早稲田大学 商学学術院)
システム性能評価手法としての拡散近似法に焦点をあて,情報ネットワークでの重負荷時の性能評価モデルと金融工学でのブラック・ショールズ微分方程式がともに拡散方程式を基礎とするなど両者の接点が議論された. - 「混雑と待ち」
*高橋 幸雄(東京工業大学 大学院情報数理工学研究科)
交差点での混雑現象と信号機の周期,エレベータの待ち時間と運転方法など,実社会が直面する待ち行列上の課題とその解決手法について紹介がなされた上で,今後待ち行列研究が取り組むべき新たな視点が提示された.
- 「情報ネットワークの未来とそれを支える科学のあり方」
2007年07月23日
第199回部会報告
- 日時:
- 5月19日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 25名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「生産-販売価格契約モデルとその解析について」
*中出 康一(名古屋工業大学)
需要分布が販売価格に依存する生産—販売価格契約モデルについて,生産者や販売者の利益関数の性質(適当な条件下では販売者の利益関数が販売価格について単峰性を有する等)が紹介された.また,生産者と販売者の意思決定順序が利益関数にもたらす影響,及び複数の販売者からなる問題の現状について報告された. - 「モバイル・エージェントの最適巡回政策」
*井家 敦,石坂 充弘(神奈川工科大学)
モバイルエージェント技術をネットワーク監視に適用する場合に,ネットワークを構成する複数のノードを1つのモバイルエージェントが巡回する際の最適政策(単位時間当たりの期待費用が最小となる巡回経路)についてセミマルコフ決定過程を使って検討された.数値例により最適政策が費用低減効果を持つことが示された.
- 「生産-販売価格契約モデルとその解析について」
2007年05月21日
第198回部会報告
- 日時:
- 4月21日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 27名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「客の移動を考慮した移動体通信システムのネットワークモデルと積形式解条件」
*塩田 茂雄,大塚 憲治(千葉大学),町原 文明(東京電機大学)
携帯電話のセルネットワークにおいて,各セルのユーザ数に関する定常分布が検討された.特に,セルの挙動が準可逆となる条件が考察され,通話ユーザ数と非通話ユーザ数の同時分布が積形式解となる場合の意味付けが明確化された.シミュレーションと比較した結果,積形式解の誤差は実用上充分な精度を保つことが示された. - 「パケットサンプリングによる異常トラヒック検出精度への影響について」
*石橋 圭介(NTT情報流通プラットフォーム研究所),川原 亮一,森 達哉(NTTサービスインテグレーション基盤研究所),近藤 毅(NTT情報流通プラットフォーム研究所),浅野 正一郎(国立情報学研究所)
パケットサンプリングを用いた異常トラヒック検出手法について報告された.特に,パケット及びパケットフローの数的な異常検出において,パケットのサンプリング確率と異常トラヒックを見逃す確率との関係が検討された.また,監視間隔などの監視粒度と異常検出精度の関係も検討され,監視パラメータ決定法が示された.
- 「客の移動を考慮した移動体通信システムのネットワークモデルと積形式解条件」
2007年04月22日
第197回部会報告
- 日時:
- 2月17日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 19名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「直列対並列サプライチェーンのWinーWinバランシング問題」
*松井 正之,*代 頴(電気通信大学)
サプライチェーンにおける利益と信頼性の統合バランシング問題の考察結果が示された.2つのノードからなる直列型待ち行列連鎖でのモデルについてバランス行列表を作成し,両者の利益と信頼性がバランスする統合最適解の存在を楕円理論によって示した.同様に並列型待ち行列連鎖についても検討され,楕円理論が検証された
- 「SIPサーバの負荷分散方式」
*佐藤 大輔(日本電信電話株式会社 NTTサービスインテグレーション基盤研究所)
VoIP網の構成方法,特に既存の電話網における加入者交換機に相当するSIPサーバ配置方法の検討結果が示された.従来の電話網のように地域ごとの市内交換機に加入者を収容するのではなく,加入者番号ごとにSIPサーバを分散配置する構成方法が提案された.シミュレーションの結果,災害時の輻輳耐力が向上することが示された.
- 「直列対並列サプライチェーンのWinーWinバランシング問題」
2007年02月20日
第196回部会報告
- 日時:
- 12月16日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 23名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「Ethernetにおけるトラヒック制御 −技術動向と性能評価モデル—」
*横谷 哲也,川手 竜介(三菱電機)
Ethernet技術をキャリアクラスのネットワークとして運用する場合に求められるQoS制御機能について報告された.WFQを簡素化することでスケーラビリティ確保を意図したTagVLAN多重化技術の提案とシミュレーションによる評価結果が報告された.また,EthernetのPauseフレームに独自の改良を加えたフロー制御方式の性能評価結果が示された.
- 「IEEE 802.11 無線 LAN における上下フローの公平性を達成する動的衝突ウインド制御」
B. A. Hirantha Sithira Abeysekera,松田 崇弘,*滝根 哲哉(大阪大学)
IEEE802.11 MACプロトコルにおいてアクセスポイントが下りフローを多重化する場合の上りフローとの不公平性問題が論じられた.衝突ウィンドウを小さくすることでアクセスポイントでのフレーム送出機会を高める方式が提案された.理論解析とシミュレーションによる検証結果が報告され公平性が改善されることが示された.
- 「Ethernetにおけるトラヒック制御 −技術動向と性能評価モデル—」
2006年12月18日
第195回部会報告
- 日時:
- 11月18日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 20名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「On Biologically-Inspired Control Methods in Modern Communication Networks」
*Kenji Leibnitz(Osaka University, Graduate School of Information Science and Technology)
生物世界での自己組織化現象など,自律分散システムのメカニズムを情報通信ネットワークの様々な制御技術として応用する試みが紹介された.例としてセンサネットワークでの分散協調性を有した電力制御方式,アドホックネットワークやオーバーレイネットワークでの環境の変化に適応した経路選択方式が報告された.
- 「複数のサーバからなる様々なシステムの性能解析」
*恐神 貴行(日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所)
サーバの数が複数で,かつ優先順位付けられた複数のジョブクラスを扱う待ち行列システムの近似解析が紹介された.優先順位の高いジョブクラスが生成する全稼働期間長分布をその3次モーメントまで一致する2位相の相型分布で置き換えることで,シミュレーションとの相対誤差が数パーセント以内となることが示された.
- 「On Biologically-Inspired Control Methods in Modern Communication Networks」
2006年11月20日
第194回部会報告
- 日時:
- 10月21日(土曜日)14:00〜17:30
- 出席:
- 30名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「RSVP Route Updating Methods for Mobility of Sender or Receiver」
*木村 成伴(筑波大学大学院)
モバイルネットワークにおける資源予約プロトコルについて,モバイルノードの移動に伴う資源予約経路再構築に要する時間を短縮する方式が提案された.シミュレーション評価の結果,同提案方式は内部ドメインのホップ数が少ない場合に経路再構築時間を減少させ,かつパケットロスを軽減させることが報告された.
- 「見込み生産システムにおけるリリースタイムと基準在庫政策」
*山下 英明(首都大学東京),宮本 裕一郎(上智大学)
見込み生産システムにおける加工開始時間と基準在庫について,最適政策の検討結果が示された.特に,発注が相関のある到着過程と一般の到着過程に従う多段階生産システムについて検討された.マルコフモデルによる数値解析の結果,在庫を保有しかつ加工開始時間を遅らせるような最適政策が存在することが報告された. - 「A Vacation Model Primer with Application to a Tandem Queue」
*Ronald W. Wolff(University of California, Berkeley)
休暇時間のあるM/G/1待ち行列システムについてよく知られているstochastic decompositionの初等的な新しい証明法が紹介された.また,2つ以上のステーションと1人の多能工からなる仕事量保存のタンデム型待ち行列への応用も紹介され,各ステーションでのサービス時間が独立とは限らない場合の平均残余仕事量などの結果が報告された.
- 「RSVP Route Updating Methods for Mobility of Sender or Receiver」
2006年10月23日
第193回部会報告
- 日時:
- 7月15日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 21名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「標準型位相型分布の推定手続きについて」
*岡村 寛之,後藤 弘樹,土肥 正(広島大学大学院)
位相型分布 (Phase-Type Distribution) におけるパラメータ推定手法について報告がなされた.位相型分布のいくつかのクラスのうち,相 (Phase) の推移が非周期的な構造をもつ位相型分布が検討され,その表現の標準形に着目した,パラメータ推定の計算量が削減可能となる効率的なEMアルゴリズムの構成方法について研究成果が示された.
- 「ネットワークの輻輳と資源利用・割り当て制御」
*鶴 正人(九州工業大学)
インターネットにおける共有資源について,Max-Min FairやProportional Fair等,公平な分配方法が紹介された.また,ネットワークの輻輳制御の話題として,高速移動体通信のチャネル割当て,無線LANのアクセスポイント選択,実時間通信の早期パケット廃棄方式の研究成果が示され,スループットや遅延時間等の性能指標が改善することが報告された.
- 「標準型位相型分布の推定手続きについて」
2006年07月18日
第192回部会報告
- 日時:
- 5月20日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 23名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「VoIPトラヒックの測定と解析」
藤本 衡(東京電機大学),*山森 雅文(NICT),中川 郁夫(インテック・ネットコア)
国内でのIP電話の普及動向,一般/企業向けサービスの種類,およびサービスプロバイダの網構成について報告された.また,IP電話に関連するプロトコル,特にSIPについて技術的な解説がなされ,SIPにおけるSIP端末間の音声パケットの送出間隔および受信間隔の実測データが,Skype構成の場合との比較を交えながら報告された.
- 「準出生死滅過程上で定義された待ち行列モデルの滞在時間分布」
*小沢 利久(駒澤大学)
背後過程を支配する有限マルコフ連鎖の推移率行列が必ずしも既約ではない場合の準出生死滅過程で記述される待ち行列について,FIFOを前提とした系内滞在時間分布の行列指数形式解とその漸近式が報告された.N-Policy規律単一サーバ待ち行列の系内滞在時間分布が数値例として示され,さらにGI/M型マルコフ連鎖への拡張も報告された.
- 「VoIPトラヒックの測定と解析」
2006年05月21日
第191回部会報告
- 日時:
- 4月15日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 19名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「オーバレイネットワーク技術の動向と二層型待ち行列網モデルによるエンド・ツウ・エンド遅延解析」
*笠原 正治,田村 康生,高橋 豊(京都大学)
ダンベル型物理ネットワーク上でのオーバレイネットワークの評価モデルとして,二層型待ち行列網モデルが提案された.オーバレイネットワークの論理トポロジーをフルメッシュ型,リング型,ライン型,集中型の4つに分類し,エンド・ツウ・エンドの平均データ転送時間に与える影響について数値例をもとに報告された.
- 「Geometric Decay in a QBD Process with Countable Background States with Applications to Shortest Queues」
*宮沢 政清(東京理科大学),Hui Li(Mount Saint Vincent University),Yiqiang Q. Zhao(Carleton University)
背後状態空間が可算無限である準出生死滅過程について,率行列が正再帰的でない場合に定常分布が幾何的に減少するための十分条件が示された.ポアソン到着・指数サービスを持つ2つの待ち行列における最小待ち行列選択問題へ応用され,短い方の待ち行列長分布と,2つの待ち行列長の差の分布それぞれの減少率が求められた.
- 「オーバレイネットワーク技術の動向と二層型待ち行列網モデルによるエンド・ツウ・エンド遅延解析」
2006年04月17日
第190回部会報告
- 日時:
- 2月18日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 22名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「有限待合室をもつ離散時間待ち行列の系内人数分布について」
*西村彰一(東京理科大学)
IPトラヒックを扱う確率モデルとして,有限待合室を持つ離散時間待ち行列D-BMAP/D/1/Nを導入し,系内人数分布の導出式が示された.さらに,実際の計算を高速化するためにこの導出式をスペクトル法に置き換えたアルゴリズムが提案され,その有効性が示された.
- 「通信トラヒックのpower lawから見た社会ネットワークの構造について」
*会田雅樹(首都大学東京)
通信トラヒックを通して人間関係を推測する試みとして,i-modeおよびmixiにおける公開データを用いた分析が行われた.電子メール転送量が普及率の約1.5乗に比例,mixiの加入者数が時間推移の3乗に比例して増加する統計結果に基づき,初期ユーザが交友関係の広い人物に偏重したモデルが提案された.
- 「有限待合室をもつ離散時間待ち行列の系内人数分布について」
2006年04月04日
第189回部会報告
- 日時:
- 12月17日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 27名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「複数のクラスをもつマルコフ型流体待ち行列モデル」
増山博之(京都大学),*滝根哲哉(大阪大学)
流体待ち行列モデルに複数クラスの概念を導入し,各クラスごとのバッファ滞留量に関する結合分布のラプラス・スティルチェス変換が導かれた.また,クラス数を2とした場合の数値例が示された.流体に対する先着順という規律の直感的な捉え方や優先度を加える拡張などについて質疑応答がなされた.
- 「複数サーバPSモデルの特性について」
*牧本直樹(筑波大学)
MAP/PH/型待ち行列で限定的なプロセッサ・シェアリング規律を導入したモデルを扱った.サーバ数および分布を限定した解析結果から平均系内客数公式の予想が示され,この予想について,数値解析による検証や近似式の導出,予想から考えられる特性についての考察などがなされた.また,滞在時間分布についても同様の考察が行われた.
- 「複数のクラスをもつマルコフ型流体待ち行列モデル」
2005年12月20日
第188回部会報告
- 日時:
- 11月19日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 21名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「ボールとビンのゲームにおける2ビン選択モデルの一般化」
*河内亮周(東京工業大学),岩間一雄(京都大学)
n本のビンにn個のボールをランダムに入れる確率過程において,特に2つのビンをランダムに選んでボールの少ない側に入れる2ビン選択モデルでは,1ビンあたりの最大ボール数に指数関数的な差があることが知られている.本講演ではこのモデルを一般化した解析と,その指数関数的差の由来についての考察が示された.
- 「閉ジャクソンネットワークに対する多項式時間近似スキームと完璧サンプリング法」
*来嶋秀治,松井知己(東京大学)
閉ジャクソンネットワークの積形式解における正規化定数を近似的に与える計算法として,マルコフ連鎖モンテカルロ法に基づく全多項式時間乱択近似スキーム(FPRAS)が提案された.また,このサンプリング手法としてマルコフ連鎖を用いた完璧サンプリング法が示された.
- 「ボールとビンのゲームにおける2ビン選択モデルの一般化」
2005年11月20日
第187回部会報告
- 日時:
- 10月15日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 23名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師(*は講演者):
-
- 「ユービキタス社会の実現に向けた次世代ネットワークの技術課題」
宮保憲治(東京電機大学)
QoS保証を考慮したMPLS用トラヒックエンジニアリング設計においてOR的な手法を用いる例が示された.また,アドホックネットワーク用プロトコルの現状が平易に解説され,技術課題が示された.最後に,超伝導素子を応用した高速ルータのアーキテクチャが紹介された.特に高速ルータの設計や制御方式について活発な質疑応答がなされた.
- “Limit Laws for Terminal Nodes in Random Circuits with Restricted Fan-Out: A Family of Graphs Generalizing Binary Search Trees”
*築地立家(東京電機大学), Hosam Mahmoud(The George Washington University)
2分岐探索木を一般化したグラフ族C(n,i,s,a)のうち,2入力のC(n,2,s,a)に関する解析が行われた.特に,端末素子の個数が正規分布に従うことを,マルチンゲールを用いて証明した.このモデルの一般化や応用例等について質疑応答が行われた.
- 「ユービキタス社会の実現に向けた次世代ネットワークの技術課題」
2005年10月26日
第186回部会報告
- 日時:
- 7月16日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 20名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師:
-
- 「通信ネットワークにおけるフラッディング効率化手法の提案」
*大塚憲治,塩田茂雄(千葉大学)
経路探索などにおけるフラッディング通信で生じる無駄なパケット伝送を削減するため,リンクをカットする手法と発信元を意識した転送を考慮する手法の2方式が提案された.シミュレーションによって,前者についてはトポロジーに依存せずある程度の効率化が実現できること,後者についてはリンク密度の大きなネットワークで大幅な効果が得られることが示された.下位層への影響や動的なネットワーク構成への拡張などの質疑応答が行われた.
- 「ポアソン過程に従ってシンボルを出力する情報源の符号化について」
西新幹彦(電気通信大学)
シンボルがポアソン過程に従って発生するとき,これを符号化し送信する際に実時間単位で送信を完了しないと伝送エラーになると仮定したモデルが提案された.このとき,シンボルを個別に符号化するケースとブロック化して符号化する場合について,誤り確率を最小にする符号語長が導出された.場合に応じてブロック化を行うような拡張について,質疑応答がなされた.
- 「通信ネットワークにおけるフラッディング効率化手法の提案」
2005年07月16日
第185回部会報告
- 日時:
- 5月21日(土曜日)14:00〜16:30
- 出席:
- 27名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師:
-
- “Adaptive joint source/channel rate allocation policies for delay sensitive applications over fading channels”
Vinod Sharma(Indian Institute Of Science)
無線ネットワークを介して遅延に過敏なデータ(マルチメディアデータなど)を転送する場合,送信者はバッファ遅延を避けるために,チャネル状態に基づいて送信レートを制御する必要がある.本講演では,フェーディング等を考慮した無線伝送システムを制約つきマルコフ決定問題として定式化し,単一の伝送チャネルの場合,複数チャネルの場合および複数送信源を持つ場合について,送信側バッファの平均待ち行列長を最小化するような政策の導出方法が示された.
- 「連続型確率変数の裾確率の指数的減少とラプラス変換の極について」
中川健治(長岡技術科学大学)
確率変数Xの裾確率は広く応用されるため,その減少率を知ることは重要な意味を持つ.本講演では一般的な非負確率変数Xに対し,IkeharaによるTauber型定理の拡張を用いて,Xの分布関数から得られるラプラス・スティルチェス変換の収束軸上における実点が1位の極であるならば,裾確率が指数的減少を持つことが示された.よく用いられる分布での指数的減少との関係等について,活発な討議があった.
- “Adaptive joint source/channel rate allocation policies for delay sensitive applications over fading channels”
2005年05月22日
第184回部会報告
- 日時:
- 4月16日(土曜日) 14:00〜15:30
- 出席:
- 20名
- 場所:
- 東京工業大学 西8号館(W)809号室
- テーマと講師:(*は講演者)
-
- 講演者都合によりキャンセル
- “An infinite phase-size BMAP/M/1 queue and its application to Secure Communication”
*豊泉洋(早稲田大学)
中途参入/脱退を仮定した暗号化グループ通信において,メンバーの脱退から鍵の更新が完了するまでの脆弱な期間は,セキュリティの低下が懸念される.本講演ではこのグループ通信における鍵の更新を,可算無限のphase空間を持つ特殊なBMAP/M/1 queueとしてモデル化し,解析的手法で平均客数の陽表現を求めた上で,リトルの公式を用いて平均脆弱期間の上限・下限が得られることを示した.モデルの仮定や,モデル化の際にM/G/1関連の解析手法が応用できる可能性などについて活発な質疑応答がなされた.
2005年04月20日