2022年度 第3回 支部運営委員会

○日時:2023年2月10日(水) 17:30〜18:30
   *感染防止の観点からお弁当の準備はございません.
○開催形態:ハイブリッド開催
 主会場:関西大学 梅田キャンパス 701号室
 副会場:Zoom ミーティング
議案:
1.2023年度支部事業の確認
2.2023年度支部体制について
3.2022年度会計報告(案)の確認
4.2023年度予算(案)の確認
5.その他


日本OR学会 関西支部 2022 年度若手研究発表会 優秀発表賞の決定

2022年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 関西支部若手研究発表会 優秀発表賞について,下記の通りご報告いたします.なお,本賞は本研究発表会の開催日(2022年10月 29日)付けで授与するものとします. また授賞式は2023年度の日本オペレーションズ・リサーチ学会関西支部総会で行う予定です.

1.授与する賞

「日本オペレーションズ・リサーチ学会 関西支部若手研究発表会 表彰規定」に基づき,日本オペレーションズ・リサーチ学会 関西支部若手研究発表会 優秀発表賞を授与する.

2.賞の授与対象

2022年10月29日(土)に「2022年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 関西支部若手研究発表会」が大阪大学吹田キャンパスにて開催された.本発表会で行われた口頭発表(全14件)が審査対象である.
※14件の発表については本研究発表会のプログラム(別添)を参照のこと.

3.選考結果およびその理由

下記の通り4件の優秀発表賞を選定した(以下,筆頭著者氏名の五十音順に記載).

○有薗 舜(奈良先端科学技術大学院大学)
タイトル:「時間変化するネットワークに対する二分決定グラフを用いた信頼性評価法」
選考理由:本発表では,時間変化するネットワークに対する新しい信頼性評価法が提案された.ネットワーク信頼性評価とは,ネットワークの各リンクが独立に故障すると仮定したとき,指定された2点間で正しく通信が行える確率を求める問題である.提案手法は,静的ネットワークの信頼性評価に対する二分決定グラフを用いた手法を,時間変化するネットワークに適用できるよう拡張したものである.提案手法に関して,計算量の理論的評価及び実験的評価が行われた.提案手法のアイデアおよび数値実験結果が分かりやすく述べられた優れた研究発表であると認められた.

○高橋 翔大(総合研究大学院大学)
タイトル:「Bregman 距離を用いた近接 DC アルゴリズムとその応用」
受賞理由:本発表では,凸関数同士の差で表せる関数を扱う difference of convex functions (DC) 最適化問題に対して,Bregman 距離を利用した近接 DC アルゴリズムおよびその応用例が紹介された.発表の前半では,DC 最適化問題に対しよく知られている近接 DC アルゴリズムが L-smooth 性を要求する課題を挙げ,これを解決する Bregman 近接 DC アルゴリズムとその加速化が提案された.発表の後半では,信号処理の問題であるブラインド・デコンボリューションを取り上げ,DC 分解および適切な Bregman 距離の設定により提案アルゴリズムを適用する手法が,数値実験結果とともに紹介された.研究背景と課題および提案手法のアイディアが明確に述べられるとともに,実問題への応用例が効果的に示された,優れた研究発表であった.

○寺尾 樹哉(京都大学)
タイトル:「除外ターミナルを含む同一面最短点素パス問題に対するアルゴリズム」
受賞理由:本発表では,一つのターミナルを除いて全ての頂点対が共通の面上にある場合における最短点素パス問題に対し,初の乱択多項式時間アルゴリズムが提案された.最短点素パス問題は特殊な場合を除き理論的計算量は未解明であるが,入力が平面グラフで頂点対が全て共通の面上にある場合には多項式時間アルゴリズムが知られている.本発表ではこの問題設定を拡張した除外ターミナルを含む同一面最短点素パス問題が提案され,最短点素(A + B)-パス問題の解法と組合せ論的な洞察に基づくアルゴリズムが提案された.取り組んでいる問題の背景と課題,ならびに,提案手法のアイディアが分かりやすく述べられた,優れた研究発表であると認められた.

○山田 光隆(京都大学)
タイトル:「シンプレクティックシュティーフェル多様体上の共役勾配法」
受賞理由:本発表では,シンプレクティック固有値問題などへの応用をもつシンプレクティックシュティーフェル多様体上の最適化問題に対して,共役勾配法が提案された.一般のリーマン多様体上の共役勾配法を適用するには個別の多様体ごとに議論が必要であり,発表の前半では,シンプレクティックシュティーフェル多様体における課題とその解決方法が丁寧に説明された.また,発表の後半では,提案手法を実際に最適化問題に適用することで,既存のシンプレクティックシュティーフェル多様体上の最急降下法を大幅に上回る性能を示す数値結果が紹介された.研究動機としての問題がもつ困難な点,ならびにその解決のための工夫が分かりやすく述べられた,優れた研究発表であった.

以上


2022年度 関西支部シンポジウム

【シンポジウム概要】
テーマ:モノづくりDXに貢献するマネジメント技術
日 時:2022年12月10日(土)13:30-17:30
場 所:中央電気倶楽部 511号室
   〒530-0004 大阪府大阪市北区堂島浜2丁目1?25
   https://www.chuodenki-club.or.jp/
   形 態:現地およびZoomによるハイブリッド式
協 賛:
・日本経営工学会関西支部
・日本経営システム学会関西支部
・日本情報経営学会関西支部
・日本セキュリティ・マネジメント学会関西支部研究会
参加費:無料
実行委員長:竹本 康彦(近畿大学)
趣 旨:
モノづくりの分野は社会情勢から大きな変革が求められています.
そのひとつとして,モノづくりにおけるデジタル・トランスフォー
メーション(DX)の推進は大きな課題です.DXは,デジタル技術に
よる変革だけでなく,データ・サイエンスや機械学習などを用いた
データ活用も含められます.

本シンポジウムでは,モノづくりの先進的研究に関して取り上げる
ことで各分野の研究成果を共有する場を提供するとともに,オペレ
ーションズ・リサーチ(OR)ならびにその周辺分野からの視座にお
いて,ORが新たに貢献できる領域を模索したいと考えています.

特に,本シンポジウムでは,モノづくりの先進的研究を総括的に説
明する講演を最初に行い,生産・品質・信頼性の各分野において積
極的に研究活動に取り組む若手研究者の講演を行うことを計画しま
す.具体的な講演者は以下を予定しています.若い研究者の視点と
その研究活動は,今後のOR分野の研究の発展に大きく寄与するもの
と考えています.

【基調講演】
・題 目:製造現場におけるIoT/DXを考慮した生産システムの開発
・講演者:荒川 雅裕 氏(名古屋工業大学・教授)
・要 旨:
現在では製造現場へのIoT導入は当然のこととされており,多くの工場ではIoTの導入により作業の効率化から生産性向上,人員削減などの効果が広く得られている。また,最近では自社開発したIoTシステムの市販化が進めており,導入も広まっている。一方で,多品種少量生産が進み,個別受注に近くなるとともに製品のライフサイクルが短くなる環境に対しては,効果的なIoTシステムを開発を生産システムの運用と合わせて考える必要がある.本講演では,製造現場へのIoTシステムの導入とシステム運用の著者の考え方を説明し,その後,開発を進めている画像処理を利用する工程分析と改良機能を考慮したシステム開発の事例を紹介する.

【講演(生産分野)】
・題 目:作業負担軽減や作業性向上を目的とした異常検知に基づく姿勢や動作の問題点の検出
・講演者:平内 和樹 氏(労働安全衛生総合研究所・研究員)
・要 旨:
人間工学は作業負担軽減を目的とし,使用する工具等または作業を評価・改善するために使用される.機械による自動化が進む現在のモノづくりの現場では,依然として人力で行われる低負荷・高反復の作業や保守点検作業など特殊な作業場面が人間工学評価の対象である.しかし,実績ある人間工学評価法は現在の特殊な作業場面の評価に向かず,新しい評価法の開発が求められている.そこで,機械学習の応用分野の1つである異常検知に着目し,人間の姿勢や動作から作業性を低下させる要因や身体負担を増加させる要因を抽出する手法の開発に取り組んだ.本発表では,代表的な人間工学評価法の概要と課題について述べ,開発手法の概要について紹介する.

【講演(品質分野)】
・題 目:モノづくりのスマート化に資する品質管理の方法に関する一考察
・講演者:竹本 康彦 氏(近畿大学・理工学部・機械工学科・准教授)
・要 旨:
モノづくりの分野は社会情勢から大きな変革が求められている.そのひとつとして,モノづくりにおけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進は大きな課題である.特に,モノづくりにおけるDXの中心は「データ」である.製造現場に存在するデータをうまく活用することに注目されている.本講演では,品質管理に関する現在の事例を簡単に紹介しつつ,従来の数理統計的手法に加え,統計科学や機械学習の方法を用いた品質管理の研究について紹介する.

【講演(信頼性分野)】
・題 目: ソフトウェア信頼性とセキュリティのための時系列ベースの深層学習
・講演者:鄭 俊俊 氏(大阪大学大学院・情報科学研究科・特任助教)
・要 旨:
近年,様々な時系列データへの深層学習の応用が広がっている.本発表では,時系列データを用いた深層学習によるマルウェア分類やソフトウェア信頼性予測について着目する.マルウェアはシステムセキュリティに対する主要な脅威であり,システムの信頼性に大きな影響を与えている.APIコール列ベースのリカレントニューラルネットワーク(RNN: Recurrent Neural Network)モデルはマルウェア検出・分類において大きな注目を集めている.しかし,従来のRNNには, 長いAPI コール列を処理時に勾配消失の問題が存在する.一方,ソフトウェアの信頼性予測は,ソフトウェア開発管理上で極めて重要な課題である.従来の深層学習ベースの手法は,学習データが不十分な場合において学習不足の問題点などが残っている.そこで,本発表はデータエンハンスメント・拡張や注意機構の観点から深層学習モデルについて紹介する.


2022年度 第2回 支部運営委員会

○日時:2022年11月16日(水) 17:30〜18:30
   *感染防止の観点からお弁当の準備はございません.
○開催形態:ハイブリッド開催
 主会場:関西大学 梅田キャンパス 701号室
 副会場:Zoom ミーティング
議案:
(1)支部長会議報告
(2)事業進捗報告
(3)会計収支現状報告
(4)2023年度支部事業について
(5)2023年度役員について
 ・2023-2024支部長予定者の確認(+幹事予定者の確認)
 ・2023-2024 副支部長予定者の選出手続きの確認
 ・新運営委員の選出手続きの確認
(6)その他


2022年度 関⻄支部 若手研究発表会

○日時:2022年10月29日(土)11:00〜17:00
○場所:ハイブリッド形式による開催(主会場:大阪大学吹田キャンパス センテラス3階センテラスサロン)
○実行委員長:木村 達明(大阪大学)
○実行委員:井上真二(関西大学),井上文彰(大阪大学)木村達明(大阪大学),佐藤寛之(京都大学),檀寛成(関西大学),
北條仁志(大阪公立大学),山口勇太郎(大阪大学)
○プログラム
こちらをご覧ください.


2022年度 第1回 支部運営委員会

○日時:2022年4月23日(土) 15:30〜16:30
○場所:オンライン開催
○議案:
(1) 支部長会議報告
(2) 支部担当のシンポジウム・研究発表会ローテーション
(2) 2021年度支部慣例行事予定
(4) 支部規約および内規について
(6) その他


2022年度 第1回 支部総会・記念講演会

○日時:2022年4月23日(土) 13:00〜15:15
○場所:オンライン開催
○プログラム:
13:00−14:00 記念講演会
「私の数理工学・補遺」
来嶋 秀治 先生(滋賀大学,OR 学会 2021 年度研究賞受賞)
14:15−15:15 支部総会
議案:
(1) 2021年度事業報告
(2) 2022年度決算報告
(3) 2022年度支部役員の選出
(4) 2022年度事業計画
(5) 2022年度予算案
(6) 2022年度支部役員および支部推薦各種委員
(7) その他