LP ガス配送効率化の取り組み

概要

ラストワンマイル(※)のルート最適化サービス「Loogia」を開発する株式会社オプティマインドは、LPガスの配送効率化に取り組んでいる。Loogiaは組合せ最適化アルゴリズムを活用し、誰でも最適な配車計画を作成できる自動配車システムである。LPガスボンベの配送においてLoogiaを活用することで属人化の脱却、配送効率の向上、業務の標準化を行うことができた。

※ラストワンマイル・・・物流におけるラストワンマイルとは、最終物流拠点からユーザーや店舗にモノ・サービスを届ける物流サービスの最終区間

背景、課題

ラストワンマイル領域において、慢性的な人材不足、業務の属人化、考慮条件の多さ故の高い業務負荷が課題として発生している。LPガスボンベ配送領域においても同様である。LPガスボンベの配送は、ドライバーごとに配送エリアが定まっており、担当に依存した配送形態となっている。また配送エリアが定まっていることから、ルートごとの配送件数や難易度にばらつきがあり、非効率な人材活用となっている。慢性的な人材不足が叫ばれている中で、こうしたエリア固定を無くしながら、業務の標準化を図り、属人化を減らすことが急務となっている。

解決策

LPガス会社様の基幹システムとLoogiaを繋ぐことで、配送の効率化を実施した。供給設備に設置されたLPWA(Low Power Wide Area)により得られるガス使用量の遠隔検針結果が基幹システムに連携され、配送対象先を絞り込みLoogiaにAPIで計算のリクエストが送られることで最適化計算を実施する。Loogiaの計算結果はドライバーのスマホアプリと連動し、ドライバーへのルート案内を実施することができる。

Loogiaの最適化計算は、全点間経路探索とメタヒューリスティクスの技術を採用している。

全点間経路探索・メタヒューリスティクス

また計算時に全国数十万台の車両の走行速度データを解析した独自の速度推定モデルを利用することで計画精度を向上させている。

実際の走行速度データら生まれる可走性, 再現性の高さ

最適化計算では物流業界の様々な知見を取り入れた細かい条件指定や多様な制約を加味することができる。

細かい条件指定や多様な制約

こうした技術を取り入れながら精度の高い配車計画を提供することができるのがLoogiaの特徴である。

定量効果

これまでのLPガスボンベ配送領域におけるLoogiaの定量的/定性的効果は以下の通りとなる。

  • 配送時間・走行距離の削減
    • ドライバーの走行実績とLoogiaの実走結果を評価
      • 配送時間16.2%削減
      • 走行距離11.5%削減
  • 業務の標準化
    • 業務経験が無い応援ドライバーでも業務遂行が可能になった
    • 配車にかかわる工数削減
  • 属人化の脱却
    • ベテランと新人の配送所要時間の差を圧縮
    • エリアに慣れていない応援ドライバーの即戦力化