第62回 研究会(開催報告 参加者:2名)

  • 日時:2023年2月24日(金)15:00~17:00 (時間にお気を付けください
  • 場所:名古屋大学(東山キャンパス)対面のみ
    名古屋大学IB電子情報館1階IB012講義室
    (名古屋市営地下鉄名古屋大学駅 3出入り口すぐ)地図
    C3-1です(下記の地図をご参照ください:ブラウザで拡大してください):

  • 参加申込:Google フォームへ
    人数把握のために事前登録していただけると幸いです。
    なお、登録は自由です。お気軽に、直接お越しいただければと思います。
  • 申込締切:2023年2月22日(水)15:00
  •  1(15:00から16:00
    • 講演者:田地宏一 氏(名古屋大学)
    • 演題:AHPの重要度のパレート最適性と凸性について
    • 概要:AHP (Analytic Hierarchy Process, 階層分析法) は, 複数の評価基準に基づき代替案を選択する意思決定プロセスである. 各評価基準について, 代替案の一対比較から一対比較行列を構成し, 主固有ベクトル法や幾何平均法を用いて, 代替案の重みを導出するが,一対比較行列からの重みの導出を多目的最適化問題ととらえると,幾何平均法は常にパレート最適である一方, 主固有ベクトル法は必ずしもパレート最適とはならないことが示される. 本講演では,代替案の重みのパレート最適性が, ある有向グラフの強連結性と等価であることを示すとともに,パレート最適な重みの集合の凸性について考える.
  •  2 (16:00から17:00
    • 講演者:飯田洋市 (公立諏訪東京理科大学)
    • 演題:AHPのアナロジーとしての加重総和比法の枠組み
    • 概要:AHPにおいて評価基準に関する代替案の重要度の正規化による問題はたびたび提起される.本報告では,AHPで得られる評価表(表側:代替案,表頭:評価基準)をひとつの行列ととらえ,その値を推定する方法としてAHPの解釈を試みる.この手法では(正規化に依らない)評価結果の一意性が保証される.ただし,AHPの文脈では評価基準の重要度を尺度調整する必要になる.サーティによるAHPは,これらを(無意識に)一気に行う手法とも解釈できる.
  • 開催後記:講演者を含めて2名の参加がありました。大学内に掲示を貼るなどしてご準備をいただきましたが、結果的に、講演者のみの参加でした。ZOOMでの参加希望者は数名いましたが、対面ということで、日程の問題などで参加できない人もいらっしゃいました。その点は次年度の反省になりました。さて、2名だったので、講演の途中でいろいろ質問するなど中身の濃い研究会となりました。すでに得ている成果と、それをどのように発展していけるかについてアイディアを出し合うことができました。また、今回はもともと数学を研究していた2名でしたので、数学的な側面からの議論もできました。数学的な精緻化の話しになり、パレート最適やフロベニウスのmin-max定理などで盛り上がりました(本質的な議論については、ここには書けません)。このような研究交流により、共同研究に発展させられる事例にできるとよいと考えます。講演時間は、時間にして2時間と少しでした。その後、名古屋大学の近くの居酒屋に移動して、交流会をしました。現在別途進めているプロジェクトについても議論することができました。対面でこそ得られるものがあることを再認識しました。研究会では、単に研究報告するだけでなく、研究発展につながる議論の場になるとよいと考えています。皆様方の参加をお待ちしています。(飯田)

※ 研究部会後に名古屋駅周辺で交流会を予定しています。お時間がある方はご参加ください。
感染対策にはご協力ください。