第55回 研究会(開催報告:参加者14名)
- 日時:2021年9月24日(金)16:00-18:00
- 場所:Zoomによるオンライン開催
- 参加申込:締め切りました。
- 申込締切:2021年9月22日(水)15:00
- 講演1(16:00-17:00)
- 講演者 :佐藤 徹 氏(高崎経済大学)
- 講演題目:「自治体行政におけるEBPMの推進」
- 概要: 近年、わが国や自治体において、エビデンスに基づく政策立案(Evidence-Based Policy Making:EBPM)が推進されている。ただし、EBPMは何も目新しいものではない。自治体では1990年代半ば以降、行政評価制度の導入が進展した。EBPMの成果としてコスト削減を設定すると、行政評価の二の舞になりかねない。EBPMでは政策の質の向上に主眼を置くべきである。自治体のEBPMは緒に就いたばかりであり、自治体職員にとってハードルが高いと思われている。EBPMは一朝一夕に実現できるものではない。中長期的な戦略が必要である。
- 講演2(17:00-18:00)
- 講演者 :飯田洋市 (公立諏訪東京理科大学)
- 講演題目:「階層分析法を活用した予算獲得のための政策の事前評価~長野県岡谷市商業活性化計画を事例として~」
- 概要: 専門家ではない一般市民の人たちが階層分析法を利用した評価を行う場合の問題点として、一対比較の回数が多く負担が大きいことと、回数が増えた場合の一対比較結果の不整合性などが挙げられる。本講演では、これを解決するための階層分析法の文脈での一対比較の方法を提案するとともに、それを活用して行った長野県岡谷市の商業活性化計画における重要施策の重要度・優先度の評価を例に、その妥当性などについての報告があった。また、このようにして得られた評価結果は、毎年同様の方法による評価を繰り返していくことで、事前評価におけるある種のエビデンスとして活用可能であるとの説明があった。以上のことから、地方自治体におけるエビデンスに基づく政策形成の場での階層分析法の活用の可能性が示された。