OR学会中部支部 SSOR中部支部2018ルポ

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SSOR2018中部支部代表 金子美博(岐阜大学)

2018年8月30日(木)・31日(金),合宿形式の若手育成プログラム,SSOR中部支部2018が開催された.会場は,愛知県犬山市のサンパーク犬山である.参加者は33名であった.宿泊者は25名で,発表学生20名全員が宿泊した.参加学生の所属は,愛知県立大学,岐阜大学,名古屋工業大学,名古屋市立大学,名古屋大学,および早稲田大学であった.加えて官公庁および民間企業の方々の参加もあった.
今回のSSORは,前回のSSOR中部支部2017に倣ったものの若干変更した.まず,発表時間をショート・ロングに区別することなく,質疑応答含め一律15分とした.ただし,短い発表の場合は,質疑応答により多くの時間をかけた.また,申し込み・アブストラクトの登録に,前回に引き続きクラウド環境を活用したが,ユーザの入力項目は少なくした.さらに,前年の60周年記念事業ほどの財政補助はないため,参加費値上げを抑えた.
初日は13時から開始した.最初は,挨拶をかねて,筆者がSSORの意義ならびに発表での留意事項を説明した.一般講演に引き続いて,関西大学の檀寛成先生に「ピラミッドの最適計測プランの作成」という題目でご講演いただいた.学際的な研究であるものの,離散最適化問題が登場するなど,ORとして大変興味深い内容であった.また,関西支部の支部活動についても紹介があった.その後,一般講演が再開され,17時で終了となった.
18時からは,会場近くの送迎バス付の居酒屋で交流会を行った.29名の参加に,会場はすし詰めになるなど,課題の残る交流会であった.行きのバスで帰る方は少なく,残りの方々は,夜の犬山城下の街並みを楽しんだり,飲み直しに出かけたのであろう.21時からは筆者の部屋で2次会を開き,入れ代わり立ち代わり何人かの方々が参加し,23時過ぎにお開きとなった.
2日目は,9時からの一般講演を前後して,東京理科大学の伊藤真理先生に「医療福祉とエネルギー分野における数理最適化と政策影響分析」という題目でご講演いただいた.スケジューリング問題を主眼に置いた内容であった.特に,政策影響分析における排出規制と再生可能エネルギー促進策のポリシーミックスのスケジューリング問題の分析が印象的であった.最後はクロージングとして,木村充位・副代表(岐阜市立女子短期大学)から閉会の挨拶があり,正午に閉会となった.
若手学生の発表は完成されたものもあれば,途中のものもあった.内容の程度はさておき,学生にとっては,人前で研究の話をすることは大変良い経験であり,様々な質問に柔軟に答えることは自身の能力を鍛え上げるチャンスでもある.卒論・修論発表に限らず,就職活動での面接や集団討論にも活かされるであろう.
また,宿泊に際しては,所属が異なる部屋割りを行った.発表内容を契機として,普段の研究グループとは異なり,垣根を超えた交流ができたであろう.これこそが合宿形式で行うSSORの最大の意義でもある.
末筆ながら,本部ならびに中部支部それぞれから頂いた財政援助に謝意を表する.