【開催案内】最適化の理論とアルゴリズム(RAOTA)第8回研究会(1/25)のご案内

日時:2025 年 1 月 25 日(土) 13:30–18:00(開場は 13:00 頃)
開催方法:対面およびウェブ会議システム Zoom によるハイブリッド開催
対面会場:国立情報学研究所 (NII) 12 階 1208 号室

講演1
– 講演者:久米啓太氏(東京科学大学)
– 講演題目:弱凸関数と可微分写像からなる合成関数の最適化のための可変平滑化法と信号処理応用
– 講演概要:現代の信号処理技術は,推定対象に関する先験知識に基づいて設計された目的関数の最適化問題に対して,収束保証を持つアルゴリズムが実現されることによって発展している.本講演では,多くの信号処理技術に共通して現れる「弱凸関数と非線形可微分写像からなる合成関数を制約集合上で最小化する最適化問題」を扱う.この問題に対する従来の最適化アルゴリズム(例えば,proximal-linear method)は,部分問題を解くための逐次近似アルゴリズムが各反復で必要であった.一方,講演者らは,各反復で逐次近似アルゴリズムを必要としないにも関わらず,停留点への収束保証を持つ可変平滑化法(variable smoothing)を提案した.本講演では,可変平滑化法の鍵となる「非平滑弱凸関数のMoreau envelopeによる平滑化」のアイディアを解説した後に,可変平滑化法の信号処理応用について紹介する.なお,本講演の内容は山田功氏(東京科学大学)との共同研究成果に基づいている.

講演2
– 講演者:天野雄樹氏(中央大学)
– 講演題目:Fair Ride Allocation on a Line
– 講演概要:Airport problem は,複数の利用者が単一施設を利用する際の公平な費用分担に関する問題である.
本発表では,airport problem を複数の施設を含む,より一般的な設定に拡張したモデルを取り扱う.
このような状況は,マルチユーザーライセンスの契約費用を分担したり,同じルートでも異なる目的地に向かう顧客でタクシー料金を分担したりという場合に起きる.本発表では,ナッシュ安定性と無羨望性と公平性の基準として,それぞれに対する結果を紹介する.
ナッシュ安定性については, 実現可能な配分が存在する場合には,社会的コスト最小化のナッシュ安定な配分が存在し,効率的に計算できることを示す.
無羨望な配分については,いくつかの構造的特性を確認したのちに,これらに基づいて,(1)施設数,(2)利用者のタイプ数,(3)施設の収容能力が少ない場合,に関する効率的なアルゴリズムを紹介する.さらに, 特定の性質を持つような無羨望な配分が存在する場合には,その配分を多項式時間で計算できることを紹介する.
本発表は,五十嵐歩美氏,河瀬康志氏,小野廣隆氏,牧野和久氏との共同研究である.

参加費:無料
参加資格:自由(会員/非会員不問)
参加申込:
– 対面参加:こちらのフォームからお申し込みください
– オンライン参加:こちらのフォームからお申し込みください

なお、本研究部会の最新情報は研究部会のウェブページ /raota/ でご覧いただけます。

主査:林俊介(法政大学)
幹事:藤井海斗(国立情報学研究所)