【開催案内】第310回 「待ち行列研究部会」(6月17日)

第310回 「待ち行列研究部会」

日時:令和5年6月17日 14:00~17:00
場所:ハイブリッド (早稲田大学西早稲田キャンパス&オンライン)

■ 対面参加の方へ:
対面会場は「早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館 1F数学応数会議室」です.

西早稲田キャンパス

■ オンライン参加の方へ:
オンラインで参加される方は,以下の URL より参加登録をお願いいたします.
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZEudO6qqD4iE9czwOJ4bOzZoFMLCFJ5ZBzM

■ 講師とテーマ

1.田中 健一(慶應義塾大学)
人の流れに着目した施設配置の数理モデルと首都圏鉄道網上の配置分析

都市における施設の配置場所を決定する問題は,施設配置問題とよばれ,数多くの研究が行われてきた.なかでも,1990年代に提案されたフロー捕捉型の施設配置問題は,人々が移動途中に施設に立ち寄ってサービスを受ける状況を扱っている点に特徴があり,様々な一般化モデルが提案されている.フロー捕捉型の施設配置問題の多くは道路網上の自動車交通流を対象としているが,本発表では鉄道網上の移動者の経路情報をもとに,サービスを提供する複数の鉄道駅を選定する問題を考える.大都市交通センサスの調査結果にもとづいて,首都圏の通勤・通学目的の鉄道利用者フローを対象とした配置分析の結果を紹介する.また,施設への立ち寄り確率を導入したモデルや,施設の容量に関する話題も取り上げる.

2.小沢利久(駒澤大学経営学部)
準出生死滅過程における定常分布の漸近解析:特に3次元の場合

処理の仕方が待ち行列間で関連を持つなど、少し複雑な待ち行列ネットワークは安定性の面で特異な性質を示すことが知られている。代表的な例が
Lu-Kumar ネットワーク
(4次元モデル)であるが、このような特徴は3次元以上のモデルで見ることができる。その理由を比喩的に言えば、3次元以上ではループ状の状態推移が可能となり、状態空間における境界の影響の仕方に新たな要素が加わるためである。本報告では、3ノードの待ち行列ネットワークを想定し、3次元の準出生死滅過程(QBD過程)における定常分布の裾の軸方向減衰率が
どのように決定されるかについて初期段階での検討結果を示す。特に、安定性において特異な性質を示す場合について見ていく。なお、QBD過程の場合、定常分布の積率母関数の収束領域の原点における性質で安定性が与えられ、収束領域の境界における性質で漸近特性が与えられる。