第93回「評価のOR」研究会

・日時:2021年8月28日(土)13:30–16:45

・会場:Zoomでのオンライン開催

・講演1(13:30–15:00)
講 演 者:森鳰 武史 氏(大阪大学)
講演題目:DEAと回帰モデルによるオフィスビルのエネルギー消費量削減とエネルギー効率向上が有効なターゲットの特定
講演概要:建物エネルギー使用量の大部分を占めるのは空調システムであり、その運用方法を工夫することで大幅な省エネ効果が期待できる。しかし空調システムの運用は各居室毎に最適化されていないことが多く、エネルギーの無駄が発生している。このエネルギーの無駄は各居室に適した運転設定を導入することで減らすことができる。このようなエネルギー改善プログラムを導入する場合は、それに見合うような省エネが期待できる対象を選択して実行することが重要である。本研究ではデータ包絡分析法(DEA)と回帰法を用いて、効果が大きく期待できる対象を特定してその改善方法を提案する。我々の手法の利点は、DEAと回帰モデルを組み合わせることによって、空調機器のエネルギー使用量とその運転効率の両方を同時に最適化できることである。

・講演2(15:15–16:45)
講 演 者:濱口 由子 氏(公益財団法人結核予防会結核研究所)
講演題目:コロナ禍における保健所との官学連携―健康危機管理対策のパフォーマンス分析―
講演概要:2019年末頃に報告された新型コロナウイルス感染症(COVID19)は、瞬く間に世界各地に感染拡大するとともに、社会経済活動にも甚大な影響を及ぼし、我々は人類史上類をみない危機に直面している。諸外国同様、日本においても専門家委員会が発足するなど科学的根拠に基づく政策の立案・評価(Evidence-based Policy;EBP)への意識が高まりつつある一方、緊急事態宣言による行動自粛や保健所におけるPCR検査・積極的疫学調査の体制強化、ワクチン接種など様々な対策を講じているが、その効果を知ることは容易でない。感染流行動体から対策の効果を評価しようという取り組みはあるが、ブラックボックスの中身、すなわち現場の業務フローを考慮した資源配分(所謂「ヒト・カネ・モノ」)の観点から評価する試みは見られない。そこで、本報告では、2020年4月以降の保健所における新型コロナウイルス対策の実情と課題を共有し、 DEAによる新型コロナウイルスのパフォーマンス分析を中心に、官学連携による健康危機管理対策のポテンシャルについて議論したい。

・参加費用:無料

詳細については、webページをご参照下さい。/hyoka/workshop_93/