【開催報告】第301回 「待ち行列研究部会」(4月16日)

【待ち行列部会】第301回 部会 開催報告

日時:
2022年4月16日(土) 14:00〜17:00
出席:
20名
場所:
ハイブリッド開催 (オンライン&東京工業大学 大岡山キャンパス 西8号館(W)809号室)
テーマと発表者:
  1. 待ち時間制約のある待ち行列モデルの「行列指数形式解
    河西 憲一 (群馬大学)
    本講演では,待ち時間に制約のある待ち行列モデルにおける経過待ち時間に対する解析法が示された.初めに,マルコフ的な到着ならびにサービス過程を持つ待ち行列モデルにおいて,待ち時間制約長が一定値である場合に経過待ち時間が満たす定常方程式が説明された.続いて,その定常方程式が順序付き行列指数形式解を有することが示され,さらにそのカーネル関数が非対称 Riccati 微分方程式の解を用いて与えられることが示された.また,順序付き行列指数形式解に対する分解公式を用いた近似算法が紹介され,その数値精度が良好であることが述べられた.最後に,複数クラスモデルへの同手法の拡張に関する検討が紹介された.

  2. UAV空中基地局の自律分散型配置制御
    木村 達明 (大阪大学)
    本講演では,UAV (Unmanned Aerial Vehicle) 空中基地局における自律分散型の基地局配置法が提案された.提案手法では,確率幾何アプローチにより地上ユーザの密度をモデル化することで目的関数を定式化し,さらにその偏導関数を分散的に計算可能となる形式に変形することにより局所的な情報交換のみに基づく配置制御が行われる.講演では,この手法の局所最適解への収束性が保証されていることが説明され,さらに数値例を通じて提案手法の有効性が議論された.加えて,ユーザ密度が部分的にのみ観測できる場合への拡張や,UAV空中基地局に関する他の話題についても紹介があった.