【開催報告】第297回 「待ち行列研究部会」

第297回 「待ち行列研究部会」

日時:令和3年7月17日 14:00~17:00
場所:オンライン
出席者: 20名

テーマと講師

1.コンテンツ再配置によるICNルータのFIB集約
上山 憲昭(立命館大学)

本講演では,現在のホスト・セントリックなインターネット構造の課題を解決す
る新しいネットワークとして提案されている
NDN(Named Data Networking)において,ルータの転送テーブル (FIB)
のエントリ数を集約する手法が紹介された.提案手法は,一般的にはインター
ネットにおいてトラヒック量や遅延の削減のために利用されているCDNを用いて
コンテンツを再配置し,ドメインの階層構造を利用してエントリを集約するもの
であり,実際のデータを用いた評価実験において
FIB サイズを 45 % 程度削減できることが示された.

2.マルコフ変調ランダムウォークにおける占有測度の漸近特性とその応用
小沢 利久(駒澤大学)

本講演の前半では,多次元マルコフ変調ランダムウォークにおいて,その第一変
数(レベル)が正領域から出るまでの間に各状態を訪問する平均回数である占有
測度に対し,任意の正方向への推移に対する漸近的な減衰率の結果が示された.
講演の後半では,2次元のQBD過程を対象とし,先の結果に加えてレベルの境界の影響を考慮して解析すること
で,定常分布の任意方向への推移に対する漸近的な減衰率が示された.