パネリスト
林 泰弘 氏(PwCコンサルティング合同会社・執行役員)
プロフィール:
コンサルティング業界で豊富な業務経験を持ち、データ活用、先端アルゴリズムの活用や先端技術戦略の専門家として、公的機関や大手製造業などに対して、自然言語処理、画像処理を中心としたアルゴリズムの開発、アナリティクス、先端技術戦略策定支援などのサービスを提供。国内外のコンペティションにおける受賞実績を有し、先端アルゴリズムを活用したビジネス課題の解決、新たなビジネスモデルの構築に豊富な経験を持つ。
藤巻 米隆 氏((株)ルリアン・代表取締役会長)
プロフィール:
長らく士業事務所を経営してきた経験から、専門家ごとにバラバラな相続手続きの体系化の必要性を感じて、2018年4月に株式会社ルリアンを設立した。「みんなの相続窓口」ブランドで相続の専門家のネットワーキングを行うとともに、専門家に対する教育支援プログラムと相続工程の管理システムを構築した。2021年4月から筑波大学との共同研究を開始し、空き地や所有者不明土地発生、金融資産の地方から都市部への流出、行政ごとに異なるサービスのばらつきといったテーマでメカニズムや因果関係の解明を目指すなど、デジタルトランスフォーメーション時代ならではの相続のあり方の構築を目指す。
春日 洋平 氏((株)鹿島アントラーズFC・取締役)
プロフィール:
株式会社 鹿島アントラーズ・エフ・シーの取締役マーケティングダイレクターとして、クラブのBtoB事業(スポンサーシップ、アクティベーション)およびBtoC事業(チケット、ファンクラブ、マーチャンダイジング、オウンド・アーンドメディア、広報、中継制作等)の管掌役員を務める。1988年から23年にわたり英国に在住した後、鹿島アントラーズへの入社を期に2011年に日本へ帰国。クラブビジネスの主要ポジションを歴任する過程において、公式ソーシャルメディアの立ち上げ、カシマサッカースタジアムへの高密度Wi-Fi網の導入とスマートスタジアム化の戦略策定、Jリーグと連動した顧客IDの導入とQRチケットの推進などを担当した。また、国際サッカー連盟(FIFA)主催の国際大会や東京2020オリンピックの運営にも携わり、2022年にはクラブ経営に特化した人材育成プログラム「FIFA Diploma in Club Manegement」を第一期生として卒業している。
齊藤 啓輔 氏(余市町長)
プロフィール:
1981年生まれ。北海道紋別市出身。早稲田大学卒業後、外務省入省。欧州局ロシア課や在ロシア日本国大使館での勤務を経て、2014年に内閣総理大臣官邸。2016年に地方創生人材支援制度で、自ら希望し北海道天塩町副町長に就任。2018年に天塩町副町長を任期満了後、余市町長選挙に出馬し当選。同年9月から現職。自治体DXとともに、ワインを世界ブランドにした地域経営と戦略的マーケティングによる新たな可能性の創出に取り組む。
五十嵐 立青 氏(つくば市長)
プロフィール:
つくば市長。1978年つくば市(桜村)生まれ。筑波大学国際総合学類卒業後、ロンドン大学UCL公共政策研究所修士課程修了、筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。博士(国際政治経済学)。2004年につくば市議会議員に就任し、2016年に市長に当選。2020年に再選。2023年には、経済協力開発機構(OECD)によるOECDチャンピオンメイヤーに選出。「つくば市デジタル・ガバメント推進方針」を2023年4月に策定し、つくば市未来構想・戦略プランが目指すまちの姿の実現に取り組む。
講演
鮏川 矩義 氏(法政大学理工学部)
題目:「選挙DX:インターネット投票と世代別選挙」
概要:
茨城県つくば市は、2022年3月にスーパーシティ国家戦略特区に指定され、現在、その特例措置事業のひとつとして、全国初のインターネット投票の実現を目指している。本発表では、(1)その先駆けとして行なわれたインターネット投票の実証実験の概要と、(2)インターネット投票の特性を活かした、シルバー民主主義からの脱却を視野に入れた、世代別選挙の方法について報告する。
山本 幸子 氏(筑波大学社会工学域)
題目:「脱炭素化による地方創生の社会実装―筑波大学と関彰商事との共同研究―」
概要:
筑波大学社会工学学位プログラムでは、石岡市八郷地域の茅葺き民家を再生し、太陽光と小水力発電、電気自動車の充放電設備を導入した研究拠点を整備した。これらの設備導入においては関彰商事の技術・知識の提供を得て実現し、現在は脱炭素に関する共同研究が進行中である。小規模の自然エネルギーの組み合わせにより、農村地域に適したオフグリットの地域拠点を目指し社会実装を展開中であり、その取り組みについて紹介する。
高野 祐一 氏(筑波大学社会工学域)
題目:「相続工程の長期化リスク採点システム」
概要:
相続の際には様々な要因によって一定の割合で紛争が発生し、少子高齢化を背景に遺産分割事件数は年々増加している。本講演では、相続紛争の予防・回避を目的として株式会社ルリアンと共同で開発した、リスク採点システムについて紹介する。採点システム作成の際には、紛争発生の代理指標として遺産分割協議の長期化に着目している。この採点システムを利用することで、専門的な知識が無くても計算機を使用せずに簡単に相続紛争のリスクを算出することができる。
岡田 幸彦 氏(筑波大学社会工学域)
題目:「デジタルガバメント/スマートシティ連携への挑戦」
概要:
人口減少・少子高齢化時代、そしてデジタル時代の我が国行政分野では、財政情報のわかりやすい情報共有によって共に未来を考える展開や、限られた資源を共有して広域で住民サービスにあたる展開など、我が国ならではの挑戦的取り組みが求められる。本講演では、PwCコンサルティングと筑波大学の共同研究を紹介し、未来投資フレームワークのためのオープンな財政情報基盤構想と「デジタル広域連携」という新たなコンセプトに関する産官学連携の萌芽的な取り組みを共有したい。
鈴木 勉 氏(筑波大学社会工学域)
題目:「公共交通DXの展開」
概要:
地域公共交通は路線バスの廃止や運転手不足などの問題に直面している。茨城県南地域でもバスやデマンド交通の運行主体が自治体へと移行しつつあるが、ノウハウは十分ではない。本報告では、茨城県近隣市町におけるコミュニティバスルート作成、デマンド運行支援など、民間交通事業者との協働による大学の行政支援事例を紹介し、地域MaaSの流れを汲んだ公共交通DXの可能性を論じる。