シンポジウム「メタヒューリスティクスの活用」講演者紹介

講演1:  

岩田 陽一(AtCoder 株式会社)

経歴

  • 2010年10月 TopCoder Open Marathon Match 部門優勝
  • 2016年3月 東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻博士課程修了
  • 2016年4月 国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系 助教
  • 2020年4月 AtCoder株式会社 コンテストマネージャー
  • 2022年4月 Google Hash Code 優勝
題目: プログラミングコンテストにおけるヒューリスティック手法

概要

2006年から開催されているTopCoder Marathon Matchに加え、近年新たに始まった AtCoder Heuristic Contest (AHC) や Google Hash Codeなど最適解を求めることが困難な問題に対して、どれだけ良い解を求めることが出来たかを競う形式のプログラミングコンテストが近年盛り上がりを見せています。
これらのコンテストに長年参加し、またAHCにおいて出題を行ってきた経験を元に、最適化系コンテストにおいてよく取り上げられる題材と主要な解法について紹介します。

講演2:  

永田 裕一(徳島大学)

経歴

  • 2000年3月 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了
  • 2000年4月 東京工業大学大学院総合理工学研究科リサーチアソシエイト
  • 2001年4月 北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教
  • 2009年4月 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻助教
  • 2012年4月 東京工業大学情報生命博士教育院特任准教授
  • 2014年4月 徳島大学大学院社会産業理工学研究部准教授
題目: 巡回セールスマン問題に対する最強遺伝的アルゴリズムの設計思想

概要

メタヒューリスティクスの中でも遺伝的アルゴリズム(GA)は最も有名な手法の一つである.GAを組合せ最適化問題へ適用する試みは数多くなされているが,どのようにGAを設計すれば上手くいくかという一般的な指針を示すことは難しい.本講演では私が巡回セールスマン問題に対して考案したGAの成功例を通して,どのようなアイデアが性能向上に重要であったかを具体例として紹介する.紹介するアイデアは必ずしも汎用的なものではないが,メタヒューリスティクスをベースとした近似解法を開発する際のヒントになれば幸いである.

講演3:  

濱田 直希(KLab 株式会社)

経歴

  • 2013年3月 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻修了 博士(工学)
  • 2013年4月 株式会社富士通研究所 研究員
  • 2017年4月 理化学研究所 革新知能統合研究センター 客員研究員
  • 2020年7月 KLab株式会社 機械学習エンジニア
題目: モバイルゲームにおける進化的多目的最適化と位相的データ解析

概要

「人間のように賢く振る舞うAI」はコンピューターゲームの黎明期から探求され、今も発展が続くテーマである。ゲームAIでは、その状態空間の広大さゆえに、厳密解法のみでなくメタヒューリスティックも頻繁に利用されている。近年ではモバイルゲームと機械学習の興盛により、ビッグデータを活用した新たなゲームAIの可能性が広がりつつある。本講演では、その一例として、モバイルゲームにおける進化的多目的最適化と位相的データ解析に関する取り組みを紹介する。

講演4:  

野々部 宏司(法政大学)

経歴

  • 2000年3月 京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了 博士(情報学)
  • 2000年4月 京都大学大学院情報学研究科助手
  • 2005年4月 法政大学工学部専任講師
  • 2006年4月 法政大学工学部助教授
  • 2008年4月 法政大学デザイン工学部准教授
  • 2013年4月 法政大学デザイン工学部教授
題目: メタヒューリスティックアルゴリズム設計・実装の勘所

概要

メタヒューリスティクスは、最適化アルゴリズムの枠組みのひとつであり、その特長としてアルゴリズム設計の自由度が高い点が挙げられます。メタヒューリスティクスの枠組みを用いて、あまり手間をかけずに何らかのアルゴリズムを作ることができる一方で、高性能な、あるいは実用上有用なアルゴリズムを作り上げるためには、設計や実装の際に気をつけるポイントがいくつかあります。本講演では、それらの点についてお話ししたいと思います。