オペレーションズ・リサーチ学会 関西支部シンポジウム開催案内

■日時:2019年11月16日(土) 13:30-17:30
■場所:中央電気倶楽部511号室
   〒530-0004 大阪府大阪市北区堂島浜2丁目1−25
   https://www.chuodenki-club.or.jp

■プログラム:
13:30-13:35 開会挨拶
シンポジウム実行委員長 三道弘明(関西学院大学総合政策学部)

13:35-14:25  講演1
純粋戦略で可解な対称ゲーム-純粋戦略均衡の存在と交換可能性
Solvable symmetric games in pure strategies – existence of pure strategy equilibria and interchangebility
渡邊 隆裕(首都大学東京社会科学研究科)
[講演要旨]ゲーム理論の出発点である2人零和ゲームの解(マキシミニ戦略の組)においては,存在性,自己拘束性(相手がそれを選んでいる限りは,自分はそれを選ぶことが最適),交換可能性(解が2つあるときに,自分と相手が異なる解の戦略を選んでも,その組み合わせもまた解となる)の3つの条件を満たしている.一方,n人非零和ゲームの解であるナッシュ均衡は,存在性と自己拘束性は満たしているが,一般には交換可能性を満たしていない.本発表では,非零和ゲームでも純粋戦略均衡が交換可能性を持つ対称ゲームとして,UC(Unilaterally Competitive)ゲーム,PS (Pairwise Solvable)という2つのゲームのクラスを紹介し,その純粋戦略均衡が存在する十分条件について示す.

14:30-15:20 講演2
「イノベーターのジレンマ」のゲーム理論的解明
How to Solve the Innovator’s Dilemma by Game Theory
安田 洋祐(大阪大学経済学研究科)
[講演要旨]成功した巨大企業が新世代の技術競争に敗れ去る現象は,ハーバード大学のクリステンセン教授が命名した「イノベーターのジレンマ」として広く知られている.本講演では,ゲーム理論の寡占市場モデルを用いて「なぜジレンマが起こるのか?」「どうすれば解決できるのか?」といった問題を分析する.高騰する巨大企業による買収額や,ジレンマの解決策として近年注目される「両利きの経営」に理論的な裏付けを提示したい.

15:20-15:35 休憩

15:35-16:25 講演3
金融市場における一般化された市場価格インパクト・モデルのもとでの取引執行ゲーム
Trade Execution Games under a Generalized Market Price Impact Model in Financial Markets
大西 匡光(大阪大学経済学研究科)
[講演要旨]金融市場には,その売買取引が資産の市場価格にインパクトを与えるような「大きな」トレーダーが存在する.本講演では,講演者らがごく最近に提案した一般化された市場価格インパクト・モデルのもとで,2人の大きなトレーダーによって為される戦略的な取引執行の問題をマルコフ・ゲーム(確率ゲーム)として定式化し,そのマルコフ完全均衡を導出して特徴付ける.さらに幾種類かの設定のもとでの興味深い数値例を示す.

16:30-17:20 講演4
捜索資源配分ゲームに関する研究の変遷
A Research History on Search Allocation Games
宝崎 隆祐(防衛大学校情報工学科研究科)
[講演要旨]この報告では,捜索ゲームの一モデルである「捜索資源配分ゲーム」に関する当研究室の長年の研究成果を紹介する.捜索理論(あるいは,探索理論)は第二次世界大戦における米海軍の対潜水艦作戦を起源とし,近年では遭難者,被災者の捜索救難活動に活用されている.捜索資源配分ゲームは,捜索対象となる目標の意思決定とともに,捜索者の合理的な捜索資源配分を研究するモデルであり,主として非協力ゲームの枠組みで論じられている.

17:20-17:25 閉会挨拶
関西支部長 滝根哲哉(大阪大学工学研究科)