2024年度第3回講演会・研究会

日時: 2024 年 12 月 21 日(土)

14:10 ~ 16:30 場所: ハイブリット式開催

オンサイト会場:九州大学 西新プラザ 二階 中会議室

http://nishijinplaza.kyushu-u.ac.jp/index.php

Zoomオンライン会場:別途連絡

 

1.14:10~15:10 (質疑応答時間込み)

講演者:岩見 昌邦 様(和光大学)

タイトル:都市エクイティ研究への実証的消費者行動アプローチについて

概要:報告者は、まちづくり政策を消費者のマイクロな行動エビデンスに基づいて評価していく科学的方法の開拓を試みてきた。その研究の主な成果として、「都市エクイティ」という概念に基づき、まちづくり政策が都市来訪者の来訪価値をどのように高めたのかという観点から評価する、「都市エクイティ研究への実証的な(消費者の)マイクロ行動アプローチ」がある。
本報告では、これまでに行ってきた都市エクイティ研究に基づく消費者行動アプローチによる研究事例をいくつか紹介するとともに、今後の研究展開について述べる。

 

休憩  15:10~15:30

 

2.15:30~16:30 (質疑応答時間込み)

講演者:安藤 良祐 様(鹿児島大学)

タイトル:実務と理論の狭間で:組織的な意思決定の不合理性をシミュレーションで探る

概要:人間は計算処理能力や認知能力に限界があるため、組織化を通じて個人を超える合理性を実現してきた。
しかし、組織化しても不合理な意思決定により企業などの組織が社会にネガティブな影響を与えることは少なくない。
こうした状況は現代社会における不確実性の高まりにより一層顕著になっており、企業が日々直面する意思決定はますます困難を極める状況にある。
一方、個人が合理性から逸脱する行動(アノマリー)については、行動経済学の分野で研究が進んでいる。
特に、当初は将来の利益を選好していた個人が、目先の利益が目前に迫ると選好を変え、目先の利益を優先する現象は「双曲割引」として知られており、流動性が高まる現代の組織における意思決定にも大きな影響を与えている可能性がある。
私はこれまでの実務経験を通じても組織の不合理な意思決定と個人の選好が関連していると考え、組織の意思決定研究を段階的に発展させてきた。
そこで今回の講演では、個人の双曲割引を組織の意思決定に組み入れた最新のマルチエージェントシミュレーションモデルの成果を含め、これまでの研究・キャリアの歩みを報告させていただきたい。