※9/10:大雨による山陽本線運転見合わせにより、開始時間を1時間後ろ倒しし、講演順も一部変更しております
講演1 (13:40 ~ 14:40 17:55 ~ 18:55)
宇根﨑 弘 氏 (マツダ株式会社)
講演者紹介
- 2013年3月 広島市立大学 情報科学部 システム工学科 卒業
- 2013年4月 広島市立大学大学院 情報科学研究科 システム工学専攻 博士課程前期課程 入学
- 2015年3月 広島市立大学大学院 情報科学研究科 システム工学専攻 博士課程前期課程 修了
- 2015年4月 マツダ株式会社 入社
学生時代は、システム同定を研究し、そこで最適化手法に触れた。入社後は、企画設計段階のエネルギーマネジメントや車両運動に関する業務に従事し、最適化技術を応用しつつ設計対象の性能と設計変数値の定量関係の把握のための応答局面作成技術や、セットベース設計を応用した設計解空間の絞込み手法を開発・適用してきた。
題目.自動車の企画業務における意思決定を支援する技術について
講演概要
規制の厳格化や市場ニーズの多様化に対応するため、車両へ機能の強化や新規追加が必要になる。しかし、従来のポイントベースの変化点管理手法では、機能強化や新規追加による他性能への悪影響を見落とす可能性があり、最悪の場合には詳細設計段階から企画段階までの手戻りが発生する。本講演では、企画段階において開発対象の性能と機能の関係を網羅的かつ定量的に把握し、機能量を範囲で捉えて段階的に絞り込む「セットベース設計」を応用した手法を実際の開発プロジェクトに適用し、その有効性を検証した事例を紹介する。
講演2 (14:40 ~ 15:40 15:40 ~ 16:40)
森田 知行 氏 (復建調査設計株式会社)
講演者紹介
- 2003年3月 大阪工業大学大学院 都市デザイン工学専攻 修了
- 2007年4月 復建調査設計株式会社 入社
学生時代は空間情報工学を専攻し、衛星画像を活用した都市環境の分析に関する研究を行った。入社後はGISや先端技術を活用した調査・分析業務に従事。2011年の東日本大震災時には宮城県名取市に1年間駐在し復興支援業務を担当、情報技術が社会課題の解決に直結することを実感した。2020年からはDX推進部署にてデジタル技術を活用した業務変革支援とデジタル人材育成に取り組んでいる。
題目.建設業界におけるDXの最前線とオペレーションズリサーチの可能性
講演概要
建設業界では、老朽化するインフラの維持管理や労働力不足への対応が喫緊の課題となっています。本講演では、DXの必要性を概説し、デジタルツインを活用した計画検討、AIによるインフラ点検・維持管理、BIM/CIMを用いた3次元設計など、当社の最新の取り組みを紹介します。さらに、DX推進に伴う実務的な課題を整理し、技術革新と組織変革の両面から解決策を探ります。また、オペレーションズリサーチ(OR)を活用した都市計画や交通マネジメントの最適化についても触れ、OR学会との連携によるDX推進の展望を示します。
講演3 (15:55 ~ 16:55 16:55 ~ 17:55)
石垣 綾 氏 (東京理科大学)
講演者紹介
- 2000~2007年 東京理科大学 理工学部, 助手
- 2007~2012年 東京理科大学 理工学部, 講師
- 2012~2019年 東京理科大学 理工学部, 准教授
- 2019~2023年 東京理科大学 理工学部経営工学科, 教授
- 2023年~現在 東京理科大学 創域理工学部経営システム工学科, 教授
サプライチェーンにおける多段階生産・物流システムを対象としたモデリングと最適化手法の研究に取り組まれています。また、スケジューリングをはじめとする組合せ最適化問題のモデル化とアルゴリズム開発にも精力的であり、生産管理やOR手法を幅広く応用して社会システムの課題解決を目指されています。
題目. 物流現場におけるDX推進の現状と課題
講演概要
近年、物流現場はEC市場の拡大、高齢化や作業者不足、環境負荷への対応といった様々な課題に直面している。これらの問題に対応するため、物流業界では単なるデジタル化・機械化ではなく、これらの技術をもとにオペレーションの改善や働き方改革を実現し、物流産業のビジネスモデルそのものを革新させることで、これまでの物流のあり方を変革する「物流DX」を推進していくことを目指している。本講演では、これまでの共同研究の事例をもとに、課題解決に向けてオペレーションズ・リサーチがどのように活用されたかについて紹介する。さらに、本学で実施されている実践型教育プログラムを紹介し、企業との共創による人材育成の重要性について述べる。
講演4 (16:55 ~ 17:55 14:40 ~ 15:40)
片桐 英樹 氏 (神奈川大学)
講演者紹介
- 2001~2005年 広島大学大学院・工学研究科, 助手
- 2005~2007年 広島大学大学院・工学研究科, 助教授
- 2007~2016年 広島大学大学院・工学研究科, 准教授
- 2014~2015年 シカゴ大学ビジネススクール, 客員研究員(兼任)
- 2016年~現在 神奈川大学, 工学部, 教授
- 2023年~現在 株式会社Well-Fed, 取締役副社長(兼任)
生物の進化や情報処理のメカニズムに基づくソフトコンピューティング,機械学習によるデータ分析・予測,システム最適化の研究を行われています。近年は研究成果の社会実装を意識し,製造業のみならず観光・医療・健康などサービス産業の課題解決にも取り組まれています。
題目.最適化技術による給食献立作成 ~大学発ベンチャーと大学・研究室運営の視点から~
講演概要
本講演では、最適化技術を用いた給食献立作成を事業とする神奈川大学発ベンチャー第1号「株式会社Well-Fed」設立の経緯を紹介します。社会実装を意識した研究を進める中で、研究テーマの継続性や学生のモチベーション維持に配慮しつつ、研究活動を通して学生の成長を促し、学生の就職活動に繋げていくという「出口戦略」を意識した研究室運営の工夫についてお話しします。大学発ベンチャーが研究教育にとどまらず、学生のキャリア形成や就職支援においても重要な役割を果たし得ることを実例で紹介します。